語彙力が落ちました。過去の自小説を読み返していると痛感します。過去の自分が今の自分の知らない単語を使用しているのです。おそらく、直近に読んだ小説で覚えた単語なのでしょうが、残念ながら時の流れと共に意味を忘れてしまったようです。
語彙力と言うより記憶力が低下しているのでしょう。読書量が減ったのかもしれません。あるいは、そもそも長期記憶として保存するつもりがなかったのかもしれません。
背伸びして覚えたての単語を使うべきではないのでしょう。文章の美しさを競う小説を書いているわけではありませんから、どの時代の自分にも読める文章が望ましいのです。格好をつけて難しい単語を使ったところで、文章から浮いていて違和感に生じさせるだけですので、良いことはひとつもありません。語感を意識したとしても、わかりやすい単語は他にいくらでもありますので、わざわざ難しい単語を使おうとするのは知識のひけらかしであり、同時に読者へと理解を押しつけた愚行、横着でしかないのです。
語彙力が落ちたのではく、読者に寄り添った読み方ができるようになったと考えましょうか。気楽に読めるのがWeb小説の良さのひとつです。美しい文章を読みたければ純文学を読めばいいのです。私はその分野を目指しておりません。
語彙力が落ちたと悲観するよりも、文章力を向上させようという気概につなげてゆきたい所存です。語彙力も文章力には不可欠ですが、優先順位的には後者のほうが高いと感じておりますので、都合の悪い事実には目をつむって前向きに生きてゆきます。
これが文章力――もとい、決断力です。