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反応が気になります。

反応が気になります。読者の反応が、世間の感覚が、まるで刃のように迫ってくる様子に怯えながらも、その閃きから目が離せないのです。

毎日飽きずに閲覧数を確認し、悦に入る……暇人と言うよりも中毒者、依存者なのです。勝手に期待して、勝手に裏切られて、私は何がしたいのでしょうか。

満足したい、それだけなのです。

私の物語に面白さを見出してくれる人間を探しているのです。それは即ち、私の感性が別の誰かと共鳴しているということ、私という存在が決して異端ではないことを実感したい心の表れなのです。

世の中に面白い物語はごまんとあります。その中で、私の琴線に直に触れるものは多くありません。私が最も面白いと思える物語は、やはり私にしか紡げないのでしょう。

それは誰しも同じでしょう。その点に関して言えば、私は既に他の誰かと共鳴しております。しかし、私はもっと限定的な共鳴を欲しているのです。

私が心の内より放出した波動を鏡の如く反射していただける方は、きっと多くありません。世界に数人居るか居ないか、そのレベルだと思っております。

それでも、ゼロではありません。必ず居るのです。私は特別な人間ではないのですから、同じ感性を持つ人間が皆無であるはずがないのです。ただ、創作者として存在している可能性が限りなくゼロに近いかもしれないという、それだけの話なのです。

私の声に反応する声はどれだけあるでしょうか。一人でも返してくれれば、それは木となり、山びことなり、私へと返ってきます。私の想いが私に返ってくるのです。それはきっと、とても気持ちの良いことでしょう。山びこがそうなのですから。山びこに声を木霊させたことはありませんが。

私は何よりも、返ってきた声に対する自分自身の反応が気になるのかもしれません。

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