みなさん、こんばんは。
わら けんたろうです。
いつも拙作をご高覧下さり、誠にありがとうございます。
また、たくさんの応援コメントならびにお星さまを賜りましたこと重ねて御礼申し上げます。
拙作『わたりネコのアノン』第2章も残すところ、あと一回となります(多分)。
次回は幕間として、第2章を総ざらいするカンジで老作家ポッサとシャノワの対話を予定しております。
思えば第2章は、拙作『冒険者ギルド9625』からの合流を早期に実現するために見切り発車した感があります。
それでも、何とかお話を繋ぐことができたのは、読者の皆様がたくさんのコメントを下さったから。
拙作がワケの分からん話になる前に、拙作の数少ない良い点を示して下さったり、チラリと方向性を示して下さったり、スンバラリンとやって下さったりと様々なコメントを賜りました。
こうしたコメントに、いったいどれほど助けられたことでしょう。
「危ねぇ、危ねぇ……」と冷や汗をかいたことも、一度や二度ではありません。
私は幸運にも、素敵な読者様に恵まれたと心から感謝しています。
直近の例を挙げるなら、まさに第2章第20回「ターニャ・ロズバードの証言②」です。
むしろ、「やらかした例」でもあります。
この話は、第2章の最後にくる話として、「ラステル亡命の手筈」に関しターニャの証言をもとに亡命に協力した人物に迫りつつ、第三章へ繋いでいこうという目論見で書いたエピソードでした。
ラステル亡命のエピソードは、拙作『冒険者ギルド9625』「クィンの末裔①~④」でも紹介しています。
当初は、このエピソードをターニャ視点の回想で書いてみようとプロットを作ってみました。
ところが、カクヨムの公式連載『きちんと学びたい人のための小説の書き方講座』第7回「『立体的』なキャラクターの作り方」を読んだときのこと。
「バックストーリーを頑張って作ると全てを作品に書き込みたい誘惑に駆られる。……また過去の回想シーンとして書くとたいてい失敗する。展開の中で巧みに、さりげなく表現すべきだ。」
という『工学的ストーリー創作入門』からの引用があり、さらに、
「バックストーリーを描くのは全体の一割程度で、残りは水面下に隠すという『氷山の法則』を覚えておきましょう。書かれた部分から、書かれていない部分を推測させるのが理想的です」
とありました。
これを読んだ私、「なっ!? 回想シーンはダメなんだ? 『氷山の法則』!?」
いま改めて読むと、そもそも今回の話にそのまま適用できるものか、よく検討すべきだったかもしれません。
しかし私はここで、「氷山の法則」に囚われました(笑)
一割、一割……ね。
で、当初公開した第20話の別邸で起きたことを説明するシーンが、コチラ。
『ターニャとラステル、そしてふたりの護衛騎士は、事前に指示された通り屋敷の隠し通路を通って別邸に移った。
「ところが、そこにはすでに騎士団庁の魔導騎士ディラン・ベルトラントが待ち構えていました」
ラステル一行は、騎士団庁の手が別邸に及んでいるコトに驚いたそうだ。
「護衛騎士のひとりが、騎士団庁に密告をしたようです」
そして、別邸で魔導騎士、裏切った護衛騎士を相手に戦闘となったそうだ。
ラステルが、膝の上においていた手をきゅっと握った。瑠璃色の瞳が悲し気に揺れている。
「そんな時に、助けに入って下さったのが『守護様』でございました」
……王宮の守護者アモンか。
アモンが助太刀に入ったところで、魔導騎士も剣を収めたらしい。
「裏切った護衛騎士は、どうなったのですか?」
「守護様に討たれました」
……ん? なにか違和感がある。』
一割に囚われすぎた挙句、状況説明がさっぱりw
なにか違和感どころか、違和感だらけニャ‼
誰が密告したニャ!? 誰と誰が戦闘になったニャ? アモンどんなタイミングで出てきたニャ!? 魔導騎士は、なんで剣を収めたニャ!?
このほかにも、マリア、マルティナて何者?、護衛騎士の名前が不明など、連載間隔が空いたこともあり、読者の方にとっては謎シーンになってしまいました💦
大変混乱させてしまいましたこと、お詫び申し上げます。
そして、まず読者の冴條れい様から上記のようなご指摘を受けました。
次に、こざくら研究会様から、108星(登場人物が多いのでの意)出すなら、最初の方にキャラ紹介みたいなものを入れると良いかもしれない、とのご助言を賜りました(■主な登場人物・エイベルム……ゴミ鬼畜チリ紙、・シャノワ……ニィ。という具合にw こざくら研究会様、了解でありマス(‘’◇’’)ゞ)。
また、おだしのぶ様は、丁寧に今回のお話の要点を示して下さいました。
お三方のコメントを見て下されば、私がどれほど素敵な読者に恵まれたかお分かりいただけると思います。
さらに冴條様は、上記の点を踏まえて改稿すればいいのではないか、『「護衛騎士のひとりが、騎士団庁に密告をしたようです」そして、別邸で魔導騎士、裏切った護衛騎士を相手に戦闘となったそうだ。』の部分を、
『「連れていた二人の護衛騎士のうちの一人、ジュストが裏切者で騎士団庁に密告をしたらしく、別邸で待ち構えていた魔導騎士デュランとともに襲いかかってきたのです」』
てなカンジに修正すればよいのではないか、などの大変丁寧なアドバイスまで下さいました。
こうしたやり取りを踏まえて修正し、今回のエピソードとなっております。
さて、いよいよ新章に入っていくワケですが、現在展開に悩み中。
「ラステル亡命の謎」に迫るか、アルメア王国の第一王子レオンの王位継承問題を片付けてしまうか。
ただ、レオンの問題は周辺諸国の影響をアルメア王国が受けつつ、王位継承争いが激化するカンジに描きたいんですよね。足下を先に固める方が先かな、とは思ったりもするんですが。
「ラステル亡命の謎」からの方が、第2章との繋がりもスムーズな感じもします。
さて、どうしようか?
というワケで、今後とも拙作『わたりネコのアノン』をご笑覧いただければ幸いです。