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『懐風藻』所収。七夕に関する漢詩

 本日、七夕であることと、『懐風藻』にも幾つか七夕に関する詩歌が存在することを知り、急遽徹夜で本稿を投稿することになりました。何故徹夜せざるを得なかったかというと、土曜日は野球を観戦しに行き、一字たりとも本稿の内容を書き進めていなかったからです。しかも行く途中で大雨で靴まで濡れるし、試合は応援しているチームが終盤で逆転負けするし……トホホ。でも、お陰で疲れていてもテンションが高かったのか、集中して作業が出来たので、何とか本日中に間に合ったので読んでやってください。なお、言わずともご存じでしょうが、旧暦の七月は秋にあたりますので、七夕は秋の季語となることはご承知おきください。


⑴『懐風藻』贈正一位太政大臣藤原朝臣史

五言 七夕一首

雲衣兩觀夕 月鏡一逢秋 機下非會故 援息是威猷

鳳蓋隨風轉 鵲影逐波浮 面前開短樂 別後悲長愁〔三三〕


⑵『懐風藻』大學頭從五位下山田史三方

五言 七夕一首

金漢星楡冷 銀河月桂秋 靈姿理雲鬂 仙駕度潢流

窈窕鳴衣玉 玲瓏映彩舟 所悲明日夜 誰慰別離憂 〔五三〕


⑶『懐風藻』大宰大貳正四位下紀朝臣男人

五言 七夕

犢鼻標竿日 隆腹曬書秋 風亭悅仙會 針閣賞神遊

月斜孫岳嶺 波激子池流 歡情未充半 天漢曉光浮〔七四〕


⑷『懐風藻』正六位上但馬守百濟公和麻呂

五言 七夕

仙期呈織室 神駕逐河邊 笑臉飛花映 愁心燭處煎

昔惜河難越 今傷漢易旋 誰能玉機上 留怨待明年〔七六〕


⑸『懐風藻』贈正一位左大臣藤原朝臣總前

五言七タ

帝里初涼至 神衿翫千秋 瓊筵振雅藻 金閣啓良遊

鳳駕飛雲路 龍車越漢流 欲知神仙會 靑鳥入瓊樓〔八五〕




書き下し文・語彙・通釈・識者による評などは以下をご覧ください。
https://kakuyomu.jp/works/16816452219091770654/episodes/16818093080595488910

↓上代日本文学研究において昭和最大の業績とまで称される小島憲之氏の『上代日本文学と中国文学』(塙書房)。今回は本書(下巻)も利用しています。

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