パリオリンピックが終わっちゃいましたね。
ボクシングでメダルを獲るという予想見事に外しちゃいましたが(滝
ロンドンの時は村田諒太さんが全く注目されていなかったのですが、世界選手権銀メダルだったので自分はメダリストになると予想し、その時は見事に的中したのですが、やはり五輪の壁は厚かったですね。
セオン選手の相手が、ヨルダンの選手ということで、全くノーマークでしたが前年世界選手権金メダルのカザフスタンの選手に勝ったというその実力は本物でした。
立ち技格闘技に於いて、攻め方のパターンは大体三つあって
➀自分から積極的に攻めて行く。
②自分からはあまり動かず、相手が攻撃を仕掛けて来たらカウンターを狙う。
③自分が下がりながら、追跡する相手が自分の攻撃の間合いに入るのを狙い迎え撃つ。
以上の三つ(因みに自分はスパーの時専ら②でした。)のパターンに分けられ、それぞれの攻略法は以前小説で描いた事ありますが、それはとにかく、セオン選手は③のタイプで、ヨルダンの選手は正反対の➀のタイプでした。
2ラウンドまででポイントで負けていたし、本人にもそのことが知らされていたハズなので、せめて最終ラウンドぐらい➀で行くべきだと思ったのですが、ほぼ③オンリーで、しかもパンチを当てる度にアピールしていましたが、ノンコンタクト空手や日本拳法じゃあるまいし、アピールするぐらいならもっとパンチを当てて行った方が良かったのではないかと素人的には思いました。(まぁ、③の姿勢を通したのは教科書的には相手の土俵で勝負するなという鉄則を護ったという事かも知れませんが……。)
思えば全日本選手権で五連覇の森脇 唯人選手が全日本選手権でまさかの敗退で代表になれず(恐らくライトヘビー級に階級を上げたのが失敗だったのかと)。東京五輪女子フライ級で銅メダルの並木月海選手が全日本選手権出場辞退で代表から外れ、セオン選手と同じく2021年に世界選手権バンタム級で金メダルを獲得した坪井 智也選手が体調不良によりアジア予選に不出場・引退など、期待の選手達が次々と脱落していった状況の中で、二人オリンピックに出場でしただけでも上出来と言えなくも無いですが、セオン選手にしても原田選手にしても、辻本和正さんの相手だったキューバのギレルモ・リゴンドーや、須佐勝明さんの相手だったロベイシ・ラミレスのような化け物が相手ではなかったとはいえ、やはり五輪のレベルの高さを改めて実感させられました。
東京五輪後はロンドンを超える快挙を期待していたのですが、振り返るとロンドンの時は、須佐勝明(フライ級。日本のナジームハメド? プロの世界王者達すら手玉に取ったレジェンド)・清水聡(バンタム級。ロンドン銅メダル。後のOPBFフェザー級王者)・鈴木康弘(ウェルター級。ロンドンベスト16)・村田諒太(ロンドン金メダル。世界選手権銀メダル。後のWBA世界ミドル級スーパー王者。)というメンバーの上に、アジア予選落ちしたメンバーですら井上尚弥(説明不用)・川内正嗣(Lウェルター級。2007年世界選手権銅メダル)という日本アマチュアボクシング史上最強の黄金時代でしたから、彼らを超えるのは難しそうです。
それ以前にアジア予選の壁が高すぎるのが難ですが……ウズベキスタンのボクシング金メダル5個って強すぎますし、中国も金3銀2の計5個のメダルを獲り今やウズベキスタンとならぶ強国の仲間入りしたと言って過言がありませんし、フィリピンが前回よりも減ったとは言え銅2個。カザフスタンは今回は意外と少なかったようですが、それでも銀1銅1の計2個。タイや韓国が銅1個と、日本はアジア各国に遅れを取っています。この状況から鑑みて、サッカー等と違い、今やアジアで予選突破が一番難しい競技はボクシングなのかも知れません。
だとしても、プロのバンタム級世界王者は主要四団全て日本人である様に、プロの世界王者の数は恐らく世界一多い日本が、アマチュアボクシングではメダル0という現状は一寸いただけませんね。
歴史的にみてもプロが無くトップ選手がプロに流出しない為、共産圏が強い競技でしたが、(最近は共産圏でもプロボクサーが見受けられますが)期待の選手たちが次々と脱落していった状況によるものも大きいかと思うので、サポート面などの改善出来る余地があるのではないかと思いますし、現在黄金時代とも言えるプロボクシングとの協力体制をもっと強くしていかないと勿体ないのではないかと、素人的には思いました。
その前に例の女性(?)ボクサーの件をはじめ、様々な問題を抱えるIBAが消滅して(それ自体は構わないですが)とばっちりでボクシング競技迄消滅になる可能性もありそうですが……。