この一ヶ月、二週間に一回のペースで風邪をひいていた。
全く、なぜにもこんなに風邪をひいてしまうものなのか。
そもそも、風邪とはなんなのか。
鼻から汁を垂らさせることに意味はあるのだろうか。
そう思うと、夜も眠れなくなった。鼻水が垂れることの意味を追求すればするほど、坩堝にはまっていった。
まず、鼻水とはなんなのだろうか。
風邪によって汚染された脳髄が排水を行っているのだろうか。
だとしたら、幼稚園生くらいのハナタレ小僧たちは皆脳髄が汚染されていることになってしまう。
涙はなぜ流れるのだろうか。最近涙腺が崩壊しているのか、夕方のニュースの五分程度のドキュメンタリーを見るだけで涙が流れる。ついでにいうと、独身を拗らせているので、そういった意味でも涙は流れた。
そして、男は思い当たった。
なるほど、涙が流れるとき、鼻水もでるではないか。
これは、きっと感動をしているのか、はたまた悲しい気持ちになっているに違いない。だって、インフルエンザの検査をするときに、鼻にアレを突っ込まれた時にも悲しい気持ちにさせられたから。
つまり、目と鼻と感情は繋がっているのだ。
独身を貫いている男は、その肌を温めてくれるものがいない、閑寂という名の冷えによって、鼻水を流していたのだ。
誰かがこの凍えた身体に寄り添ってくれる日が来るまで、男の悲しみの鼻水線は崩壊したままなのである。
そんなことを考えていたら、なぜか目の前が水でいっぱいになって視界が奪われてしまっているため、今日も執筆が進まなかった。