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卯月の初心者さんのための短編作成講義の実況中継?⑤

たった2000文字弱の短編でここまで近況ノートのネタとしてひっぱれてしまうとは……。

もう第五回まできてしまってる実況中継講義。ぜったいに初心者さんじゃないでしょうという方たちの「いいね」ボタンやコメントに緊張がつづく卯月です。

前回は、短歌の宣伝と、ちょっと「書き出し」と「裏取り」について書きましたかね。

結局、短編については最後の結末が決まっていないと卯月は書きだせないですね。ゴールが見えているので、それをどこからどうスタートするかは作者の自由となります。『二年後の流れ星』のように遠く離れた地上からでもいいし、『夕方五時のリズム』のように「玄関開けたら〇〇でごはん」的近距離からはじめてもいい。これは時間においてもそうですね。はるか何億年も前からでも、ほんの数秒前でも。

効果的なオチを求めるなら、それが必要な距離・時間から作者にとって都合のよい。読者さまにおいても分かりやすいと思われるところから書き出す。つまりプロットといいますか起承転結(?)、おおまかな筋が決まっていることが必要ですかね。

短い短編小説において悠長にプロット書いていたらそれ自体が平気で二、三千字越えそうですので(卯月的には)、走り書きのメモ程度で良いと思います。この講義ではプロット論については扱いません、希望される方は有料で……、ゲフンゲフン。もちろん嘘ですw

学習塾時代、無料講座から有料講座へ申込みを促す的なことやってましたかね。フリー戦略なる概念がネットの世界でも浸透し、リアル社会でもサービス業系?を中心にどんどん無料のナニカが。たしかクリス・アンダーソンって奴のせいだと記憶しています。無料講座やなんかで集客してそこに掛かったコストは大きく増えた見込み客の有料化によって回収みたいな。おかげでどこもかしこも無料戦略をはじめて血で血を洗う争いに。いやいや大変だったなぁ……。もうそんな数値責任なるストレスからは解放されたのでいいのですけどね。

小説でもマンガやアニメでも冒頭数話無料が当たり前になってますかね。無料商品のコツはたしか出し惜しみしないことだったと記憶しています。後につづく有料サービスの上を行くくらいでちょうどいいのだとか。現役でそんな方面で活躍されておられる方には言うまでもないことなのでしょうけど。

またまた脱線ですね。いかんいかん。

今日は登場人物の設定についてです。

長編小説なら、新たなキャラを登場させるのって書き手にとって楽しい瞬間のひとつですよね。まあ、登場させすぎて大変なことになることも。その新キャラが馴染むまでには数話を要するのではないでしょうか。随分以前に登場させたキャラが物語の鍵を握っているような場合も、読者さんに『誰、こいつ?』って思わせないよう前フリ的なものも必要だったり。楽しいけど苦労もたえない。登場人物多すぎる問題も悩みとなるでしょうか、マンガやアニメならその個性的な姿ではっきりと差別化できますけど、小説は文字。名前と口調あたりで基本なんとかするしかない。好みはあるとは思いますが、ドストエフスキーとかトルストイ? ロシア文学の長編なんかは間を置くともう誰が誰だかになるので、卯月は一気読みしかしませんでしたかね。読み切れなければ冒頭から再スタートみたいな。キャラが多いと賑やかでよいのですけど……。

短編の場合、一、二万字のものであっても複数登場人物はキツイですかね。二、三千文字ならなおさらです。その小説だけで完結するものの場合、短い短編ならメインキャラは三人までが限界でしょうか(作者さまの技量による)。一人称のひとりしゃべり(独白)でも内容によっては文字数が足らなくなるかも。

『夕方五時のリズム』はヒロインとお兄ちゃんのふたり。いや、プラス一匹です。コメントで『五郎丸』ファンがいらっしゃったようで作者としては嬉しい限りです。

アカリの視点で物語を書いていますが、あの不思議なお兄ちゃんと彼女だけではどうもおさまりが悪い気がしまして。主人公の主観だけではどうもこの兄を表現しきれないのではないかと。

「唯一兄が帰ってきて毎日ご機嫌なウェルシュ・コーギーの五郎丸が私を出迎えてくれた」

「五郎丸もついてくる」

「五郎丸は兄を見上げて熱心に聞いている」

たったこれだけなんですけどね。

卯月は犬も猫も、ひとによってはウサギさんやフェレットさん。ふとまき、いや違う、フトアゴヒゲトカゲなんかを飼っていらっしゃる方もおられますかね。それがどんな生き物であるにせよ、ペットとの生活って憧れますね。この五郎丸は卯月の脳内ペット(犬版)です。頭の中に猫版もいます。ネットで動物ものの動画や画像を眺めて癒やしを求めることも多いのですけど、コーギーのあの短い脚で一生懸命ご主人様についていく姿はたまりません。

五郎丸には人間社会のしがらみも何もありませんから、登場人物をまっすぐ見つめるそのつぶらな瞳の威力、効果は絶大。他の短編でも猫ちゃんを登場させたことがありますけど、それだけで読者さまの心象は良くなります。

卯月的な短い短編のおすすめは、主人公と主要キャラひとりと、一匹ですかね。困ったらこの構成を試してみるといいかも。

第五回はこんな感じで。

では。


5件のコメント

  • 金払わないならウェルシュ・コーギーでも書いてろよってことですね!
    わかりました!
    ご指導ありがとうございました!
  • ふふっ。動物モノは実は難しいですぜ、姐御。とくにあんなに愛らしいコーギーちゃんなんて使う場面を選びやがるんでさあ。
    ちなみに『制服』モノに着手しようかと思ったんだけど、どーしよーかなー。
  • そうですよね~
    返信いただいて「ああ、やっぱり難しいのか」と思いました。
    コーギーがんばりたいんですけどねー。
    第二次世界大戦についてなんて書いたから、反動で軽いラブコメを書きたくてしかたがないのです……。

    制服お待ちしております!
    まだ3週間あるので☆
  • 本当は今日、制服ラブストーリー途中まで書いてたのですが、卯月のラブはラブなのか問題に行き当たり、ただいま苦悩中。ああ、五郎丸はでてきませんので。今日中になんとかなんないかな。
  • ありがとうございます。
    作者さんが思うラブで問題ありません!
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