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銀行の末路

銀行預金には金利がつく。
この当たり前のことがここ30年ほど、なおざりにされている。
日本ではおカネを預金していても、ほとんど増えない。

では?と、利息がつかないから、外貨預金を始めよう、そういう人もいるかもしれないが、決して近寄ってはいけない。
手数料ばかりとられ、大事な資産が減っていくのがオチなので知識がないのならすべきでない。

銀行からカネを借りて事業を起こす、銀行からカネを借りてマイホームを建てる、そして車を買う。
あるいは大学に入って学費を借りるかもしれない。
ようは、借りた人が利息を払い、それが銀行の利潤となる。

だがこのスキームが崩れようとしている。
まず日本ではデフレがあまりにも長期間続いたため、事業にしろ、家にしろ購買意欲が減っている。
借りてほしいのに、だれも借りてくれないのだ。
加えて、日銀の低金利政策。
メガバンクは投資、為替、トレードなど幅ひろい事業を行い、収益を得ている。またプライム市場の大きな会社が、借り手としてしっかり利息を払ってくれる。
地方銀行は悲惨だ。頼みの綱は住宅ローンと地方企業のわずかな利息収入である。海外投資や外資を呼び込むほどの資金量がない。
基本、彼らは誰かが借りてくれるのを待つしかないのである。
ヤフーファイナンスで、地方銀行の株価をみてほしい。東北地方は特に悲惨だ。人口減少と産業衰退が顕著に反映されている。
長期チャートをみると、調度1990年頃のいわゆる「バブル経済」をピークに真っ逆さまに下降しているのがわかるだろう。

そしてライバルの存在も見逃せない。
他業種からの参入もみられ、古い体質の地方銀行にはない小回りの良さで預金者を獲得している。ソニー銀行、ペイペイ銀行(ソフトバンク系)の名を挙げればわかるだろう。

かつては銀行に就職できれば将来は安泰だった。
しかしこれから先、金融界に身を投じるなら、地方銀行への入職は慎重になるべきだろう。
財務省はどうやら地方銀行の合併を目論んでいるらしく、町中の多くの銀行は薄々それがわかったかのように、行員を減らしている。
受付で働いている人のほとんどが、「バイト」で経済の知識はほぼない。

そういう人たちが粗悪な投資商品を老人に勧めている風景をみて、怒りを感じるのは私だけだろうか。

これについてはまた詳しく、書きたい。


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