先日のことでございます。
お花見でいっぱいやろうかと町内の公園にまいりましたの。
真っ昼間で、片手にゴザ、片手には一升瓶をぶらさげまして。
え?
それはブルーシートを屋根とする自由人と見間違えられぬかと?
大丈夫でございます。
ちゃ~んと春用の振袖姿でございますゆえ、万が一お巡りさまの職質にあっても当身の一発でもくらわせてやれば、シュンってうなだれてしまうのは経験則でわかっております。
そうしましたら、なんとわたくしが狙っておりました満開のソメイヨシノの下で、源さんがうたた寝をなさっておいでではございませぬか!
わたくしったら、ピキッと富士額に青筋をば立てまして、履いておりますピンヒール(ええ、今年は振袖にピンヒールが流行りとか)で思いっきり脳天を踏み抜いてやろうと駆け寄りました。
そうしましたら、源さんはなんだか妙な装置を取り付けたヘルメットを頭にのせて「う~ん、誰ぞ助けてくれい」などと力なくうつぶせ状態。
わたくしったら根が天使なものですから「いかがなさいました?」と抱え起こしましたの。
そういたしますと、源さんはヘルメットを指さして言われました。
「おおっ、高尾の嬢ちゃんではないか。実はのう、通販でこの”ウォレコ”なるもの買うたのはよいが、なにせ総重量が三十キロを超えておってのう。わしゃ足をすべらせてしもうたんじゃが、起き上がれんようになってしもうたんじゃあ」
は?
ウ、ウォレコ?
「ほれ、近頃ではアオリ運転対策とか申して、ドラレコなる装置を付ける自動車が増えておるじゃろ。それで毎日正座して観ておるテレビの通販での、『これからは歩行者だってアオリ徒歩が増えますよ~! そんなときにも安心。この”ウォーキングレコーダー”を搭載したヘルメットを外出時にかむれば、万が一散歩中にアオられてもこの装置に記録されて証拠として残りますよ~! 今回は本体と録画用のフロッピーディスク十枚をお付けして、なんと十万とびとび三百円での大ご奉仕~!』と言うではないか。わしゃ、すぐに電話したんじゃあ」
い、いや、したんじゃあではなくて。
アオリ徒歩ってなに?
フロッピーディスク?
しかも三十キロって?
は!
でももしかしたら、源さんには先見の明があるのかも……
などとわたくしは感心しきりでございました。
それはさておきまして。
なんと、拙作に久しぶりにレビューを頂戴いたしました。
「薔薇美の物語」
Audience(L) さま、「絶妙な語りと漂う哀愁」
心より御礼申し上げます!
「猟奇なガール」
八ヶ岳南アルプスさま、お★さま、ありがとうございます!
「猟奇なドール」
八ヶ岳南アルプス さま、「そのご令嬢、素敵に無敵で最恐」
心より御礼申し上げます!
「二十歳のおばあちゃんへ」
響 ぴあの さま、「感動の名作ここにあり」
心より御礼申し上げます!
狂フラフープさま、お★さま、ありがとうございます!
はあっ……
やはりお★さまやレビューを頂戴いたしますと、書き手といたしましては本当に嬉しいものでございます。
ここで終わりにしておけばよいものを、粘着質のわたくし、厚顔無恥にて新作をこっそりと発表してしまいます。
だから嫌われるのよ、と天使の心が憤慨しております。
それを悪魔の心がニヤリと口元を曲げてしまいます。
高尾つばき、久方ぶりに長編を公開させていただきとうございます。
今年こそまともなお話をと年初に誓いながら、「薔薇美の物語」などというおフザケなお話を公開してしまった自戒をこめまして。
今回は猟奇やお笑い(失笑とも申しします)はございませぬ。
「影法師がひとつになるとき」
近日公開させていただきとうございます。
あ、変態物語でございます。
前ふりやあとがきは好まぬゆえ、自作の解説はいたしませぬ。
おひとりでもお目通しくださればそれでよございます。
どうぞ、よろしくお願い申し上げます♬
あ、もしウォレコを購入されるならば、首の筋肉をお鍛えくださいまし♡