「みなさ~ん、こんにちは!
今日のサラッメシは、ここ愛知県ナゴヤ市からお届けいたします。
ご案内は、ナゴヤのB級グルメが大好きだがね、のわたくし、貴井 中一(きい なかいち)です。
さあ、どんなサラッメシに出会えるのか、楽しみだぎゃあも!」
『ナゴヤ市メーエキ裏に建つ、ちょっぴり古風な雑居ビルの一室。
ここに「カタナギ・ビューティ」なるお掃除会社が入居しています。
ある日のお昼――』
「そ、それでは社長、今からお昼休憩をいただきます、だな」
「おっ、もうそんな時間かぁ。
ふぅ、朝からフル回転しているわたしの頭脳を少し休めるか」
「今夜はどこのキャバクラへ出かけようか、と朝から眉間にしわを寄せていたからね、社長」
「そうそう、昨晩はルーシーちゃんと同伴しちゃったから今夜は誰に、いやいや、ノリゾーよ。
さすがのわたしでも、仕事をやる時くらいあるんだよ、これが」
会社のCEOである刀木と、唯一の正社員ノリゾーの、いつもの他愛のない会話である。
「おっ、ノリちゃんや。今日はお弁当持参ですな」
「うん。かあちゃんがこさえてくれたんだあ」
「相変わらずのコンビニ袋ですな。
いや、ちょっと待った。
なによ、その新聞紙にくるまれた巨大な物体は!」
「えっ?
社長はお弁当を作ってもらったことはないの?」
「なにをおっしゃるノリゾーくん。
わたしだって高校生までは慈愛に満ちた母手作りの、それは美味なる弁当を最愛の息子、つまりわたしに持たせてくれたもんだよ」
刀木が腕を組んでノスタルジックに語っている中、ノリゾーはかさかさと音を立てて新聞紙をはがす。
アルマイトの弁当箱姿が現れた。
いや、弁当箱というよりもA4のコピー用紙500枚入りの書類ケースと言っても過言ではない。
特注?
かと思われるデッカイ弁当箱が、二つ。
刀木の目がキラリンコと光った。
「ちょっとうかがうが、ノリゾーさん。
二つあるってぇことは、もしかして、もしかしちゃったりするのかしらねえ、これは」
刀木は下品に喉を鳴らす。
今夜のキャバクラ代のため、お昼は腹いっぱい水道水を飲んで乗り越えるつもりであった刀木。
ノリゾーは笑みを浮かべ、うなずいた。
その微笑みは刀木にとって、まこと天使のごとく写った。
「かあちゃんが、日頃お世話になっている社長さんにもって。
これで、二人で勉強しなさいって」
「ああ、ノリゾー殿のご母堂さま!
わたしは、生涯ご母堂さまの施しを、ってちょっと待って。
勉強?
それはもしやお昼用の、いわゆるゴ・ハ・ンではなく、うんこドリルの類?」
「いやあ、社長。
炊きたてのササニシキだよう!
しゃ、社長はキャバクラに加えて、うんこにも造詣が深いのかなあ」
「そりゃそうだよねえ、やっぱり。
ちなみにノリちゃんや。
うんこ、ではなく、うんこドリルな、ドリル。
わたしにも、みなが驚くヒラメキがあったらなあ。
今ごろ印税でさ、ウフウハだわよ、これが」
ノリゾーはかなり重量のある弁当箱を二つ、事務所の向かい合わせのソファに挟まれたテーブルに乗せた。
刀木が朝からお腹に入れたのは、やはり水道水だけである。
ナゴヤ市の水道水は、格別に美味い。
もう一度、下品に喉を鳴らし、「いっただっき、まああぁす!」と刀木は弁当箱の蓋を開いた。そして固まった。
「……え、え~っとぉ、ノリさんや」
「さあ、社長、午後のお仕事に備えて、死ぬほど食いますか」
「いや、ちょっと待ってちょうだいな、ノリさんや。
お箸をつける前に、ちと訊かせておくれでないかい?」
刀木はドングリ眼を見開き、トイ面に座るノリゾーにマジな顔を向けるのであった。
To Be Continued
~~♡♡~~
いったい、刀木社長は何を目にいたしましたのでしょう?
ノリゾーのおっかさんが作ったお弁当とは?
その前に、わたくしったら「絶対に、その家だけはやめておけ!」を非公開にしたことさえ忘れ、御礼返しのお話を書いてしまいました。
つまり、刀木社長やノリゾーに関しての情報は、一切ない、と言うことにたった今、気付いてしましました。テヘペロ♡
ご存知ないおかたには、大変失礼いたします。
秋を目の前に、少しずつカクヨム界に入り浸る頻度が増えて参りました。
しかも、でございます!
復活後に公開させていただきましたお話が、わたくしの予想を遥かに超えるおかたにご覧いただけて、仰天いたしております!
「契約遂行」~
お★さまを頂戴いたしました!
関川 二尋さま
「農協のATM」~
ステキなレビューを頂戴いたしました!
ユーリ・トヨタ・アルバチャコフ さま
雹月あさみ さま
無月兄 さま
無月弟 さま
毛賀不可思議 さま
陽野ひまわり さま
一矢射的 さま
新川愛弓 さま
お★さまを頂戴いたしました!
遥河さま
RAYさま
桜井今日子さま
@kuronekoyaさま
aoiaoiさま
ムネミツさま
鶯ノエルさま
春川晴人さま
伊藤愛夏さま
叶 良辰さま
愛宕平九郎さま
伊東デイズさま
シュバイン・ケーニッヒさま
竹神チエさま
まるめぐさま
銀鏡 怜尚さま
夢見るライオンさま
皆さま、心より御礼申し上げます。
リハビリを兼ねての創作でございます。
面白うない点がございますれば、ドシドシご指摘くださいまし。
え?
元々つばきの物語は面白くないから、大丈夫?
ま、イヤですわン、マジなお顔で言われちゃったら、オホホホッ♡
しばらく停滞しておりましたレビューも少しずつではございますけど、書かさせていただいております。
不要な場合は、ご遠慮なさらずお申し付けくださいまし。
それでは、またお目にかかれます日を楽しみに、今日はこのあたりで、ごきげんよう♬