『「部長~っ!」
町立『虹の架け橋高校』の校庭を走る、女子高生がひとり。
セーラー服のリボンが風に舞う。
校庭にはテニス部やサッカー部、陸上部の部員たちが汗を流していた。
その隅のほうで、ひとりの男子がうさぎ跳びをしている。
体操着は普段授業で使用するものであり、いったいどこの部員なのであろうか。
約十メートルの距離を何度もうさぎ跳びで往復している。額には幾筋もの汗が滴っていた。いまどきうさぎ跳びって?
「部長~っ、アレクサンダー松竹梅(しょうちくばい)部長~っ」
走ってくる女子が大声で名を呼ぶ。
どうやら、うさぎ跳びをしている男子生徒の名前らしい。
ハーフ?
「おいおい、どうしたそんなに急いで、紫紙縒(むらさきこより)薔薇子(ばらこ)くん」
アレクサンダー松竹梅くんは立ち上がり、額の汗を手の甲で拭う。
えらく古風な、それでいてキラキラネームばりの女子は手にしたスマホを目の前に差し出した。
「部長! ようやくアタシたちの出番です!」
「いや、もう無理だよ。だって我が部は、部長のぼくと副部長のきみが来年卒業したらさ、廃部が確定なんだ。
いまどきの連中は、まったく興味を示さないんだよ、ぼくらみたいに」
「何を弱気な! 部長、よく見て下さい。これに参加して優勝すればいいんですっ」
薔薇子が差し出したスマホの画面を見つめる松竹梅くん。
「こ、これは!」
「そうですよ、部長。やりましょう!」
「ちょっくら待つんじゃあ」
いきなり校庭の脇に植えられた桜の木の上から、野太い声が響き渡った。
地上から五メートルほど上、緑の葉で繁る枝に学ラン姿の男子が座っていたのだ。
長ランと呼ばれる裾の長い学生服、その下には「笑窪(えくぼ)」と明朝体で書かれたTシャツ、その上頭には縁がわざとらしく刻み込まれた学生帽を被っている。しかも素足に下駄を履いていた。
昭和の時代に活躍した、番長?
柔道部員のようなデカイ体躯で、ごっつい顔つきの男子は、口に葉っぱのついた枝をくわえていた。
「どうやらこのワシの出番のようじゃのう、ふっふっふ。
キサマたちは廃部寸前の、文芸部員とお見受けする。
そこの女子。
おまえさんが見ているサイトは、噂のカクヨムであろうも。
知ってるぜえ。『カクヨム甲子園』が始まるんだってことはよ。
ワシは今日転校してきた、シンシア・ラムー♡エリザベーシックってえ名じゃけ。おっとぉ、これはペンネームじゃい。
ふふっ、驚いとるのう。さもあらん。
なんといっても、カクヨム恋愛&ラブコメ部門で、常時500番台でその名を轟かせているからのう。
ワシの描く小説は腐女子どもの胸を、キュンキュンいわせておるでなあ。
公開すれば即PVが2、☆はどれもが1よ。まっ、自慢じゃねえがよ。
そんじょそこらの書き手とは、一線を画すワシじゃけ。
そのワシが助っ人として、っておい!
ちょっと待て! お~いっ、ワシがまだ話をして、お~い!」
アレクサンダー松竹梅くんと紫紙縒薔薇子ちゃんは、シンシア・ラムー♡エリザベーシックの存在さえ気づかずに、校庭を走って部室まで急ぐ。
「よ~しっ、勝負だっ。この僕がエッセイ部門で、薔薇子くんはホラー部門で、絶対に優勝してやるんだ!」
こうして虹の架け橋高校文芸部員二人は、クラブの存続をかけて熱い夏へ向かっていくのであった。
シンシア・ラムー♡エリザベーシックが入部するのは、それから一ヶ月先のことである。
なぜなら転校初日、登っていた木から下駄を滑らして全身打撲で入院する羽目になったからであった。
了』
始まりますのね、甲子園が♪
わたくしもセーラー服をば着こみまして、さっそく準備よ!
まだいけるわ、まだ女子高生に見えなくもないわ。
うん、大丈夫よ、つばき♡
などと姿見に写る自身の恰好に、微笑みます。
さてさて、それではカクヨムさまをチェックいたしましょう。
あ、「ひねもす漫研、オタクかな」にお★さまを頂戴しております!
村岡真介さま、
いつも大変お世話になっております。応援コメントとお★さま、誠にありがとうございます。またたくまにモチベーションがMAXでございます♪ ちなみに一部脚色をしておりますれど、ほぼ実話でございますのよ。
心より御礼申し上げます♬
あ、「二十歳のおばあちゃんへ」に、レビューとお★さまをいただいております!
さつきまる さま、
いつも大変お世話になっております。ご多忙の中ご覧くださり、またレビューまで頂戴いたしまして誠にありがとうございます!
優しさを感じるとおっしゃてくだすって、嬉しい♡ 田村正〇さまをイメージに? まさにピッタリかも♪ 色あせない想い出、二人で過ごす何気ない日々も素敵な想い出になるやもしれませんわねえ。
心より御礼申し上げます♬
おおさわ さま、
大変ご無沙汰いたしております。お忙しい中にも関わらずお目通しくださり、レビューまで頂戴いたしまして誠にありがとうございます!
柔らかの読み心地だなんて、嬉しい♡ 詩のようなレビューを何度も読み返しております。おおさわさまは、ほんに情熱家でいらっしゃいますのね。運命とは、いかなものでございましょうかしら。
心より御礼申し上げます♬
穂波子行さま、
どうも初めまして! この度はお時間を割いてくださり、またお★さままでいただきまして誠にありがとうございます! お目汚しにはなりませんでしたでしょうか。
心より御礼申し上げます♬
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます!
ユーリ・トヨタ さま、
先日はありがとうございます。ご多忙の中ご覧くださり、またレビューまで頂戴いたしまして、誠にありがとうございます! お嬢さまのご生誕と重ね合わせてくだすったなんて、嬉しい♡ 老婦人とは立場が違えど、やはり夫婦ともうしますのは、かような想いを抱くのでございましょうかしら。一番素敵な恋、それがこの物語の骨子でございます♪
心より御礼申し上げます♬
右日本さま、
どうも初めまして! この度は拙作をお目通しくださり、またレビューまで頂戴いたしまして誠にありがとうございます!
感動の超大作だなんて、嬉しい♡ わたくしには若いかた(あ、わたくしが年配ということではありませぬ、念のため)の恋愛物語などよう紡ぎませぬゆえ、このようなお話になった次第でございます。
心より御礼申し上げます♬
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます!
愛宕平九郎 さま、
先日はありがとうございます。お忙しいさなか、わざわざご覧くださり、またレビューまでいただきまして誠にありがとうございます!
癒しと魅力だなんて、嬉しい♡ 恋文、まさしくそのようなイメージでございます。光合成倶楽部員といたしまして、恋のお話はこれが精いっぱいでございますの。ぜひ恋文など、したためになられたらいかがかしら☆
心より御礼申し上げます♬
あやめさま、
どうも初めまして! この度はお忙しい中にも関わらずご覧くださり、またお★さままで頂戴いたしまして、誠にありがとうございます!
わたくし、恋のお話など初めてでございますの。恥ずかしいわ。
心より御礼申し上げます♬
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます!
エディ・K・C さま、
先日はありがとうございました。ご多忙にも関わらずお目通しくださり、またレビューまで頂戴いたしまして、誠にありがとうございます!
オススメ、だなんて嬉しい♡ 失ってもひたすら前を向いて進む。さようでございますの。それが描きたかったのでございます。愛を誓った二人にとって、けして色あせない想い。そうありとうございますわねえ♪
心より御礼申し上げます♬
@kuronekoya さま、
大変ご無沙汰いたしております。この度はわざわざお目通しくださり、またレビューまでいただきまして誠にありがとうございます!
クロネコヤさまから頂戴できるなんて、嬉しい♡ どちらが幸せなのか、難しゅうございますれど、おっしゃるように、どちらも幸せになるんだと思いとうございますわねえ♪ もう絶対に離れることのないように。
心より御礼申し上げます♬
つくね さま、
ご無沙汰いたしております。ご多忙にも関わらずご覧くださり、またレビューまでいただきまして誠にありがとうございます!
恋は一生に一度でいいと思える物語、嬉しい♡ 硬派なつくねさまに、お目汚しにはなりませんでしたでしょうか。詩的なレビューは、さすがでございます。美しく編んでくだすったのですわね♪
心より御礼申し上げます♬
あ、「 その家だけは、やめておけ!」に、お★さまをいただいております!
村岡真介さま、
なんとお礼を申し上げたらよろしいのか、本当にありがとうございます!
「働くヒト」コンに応募しようと目論み、失敗してしまいましたの。シクシク…… でもお★さまを頂戴でき、すっかりルンルンですわよ♪
心より御礼申し上げます♬
あ、「夜空いっぱいのシューティング・スター」にお★さまを頂戴しております!
村岡真介さま、
つばきはとっても舞い上がっておりますの♪ 季節外れではございますれど、クリスマス用に紡いだ物語。お★さままで頂戴でき誠にありがとうございます!
心より御礼申し上げます♬