まだまだ肌寒うございます。皆さま、いかがお過ごしでございましょう。
わたくしは運動のために、町内をウォーキングをしておりました。
三丁目の角を曲がりましたとき、道路に落ちておりますそれを発見いたしましたの。
近づきまして確認いたしますと、丸まった汚いボロキレです。
ちょっぴり酸い臭いが。
ようよう切れ長二重の目を凝らしますれば、それはどうやらシャツでございました。
どこかの無納税自由人のかたが着てらしたのかしら?
まさか拾って交番に届けましても、お巡りさんがお気の毒。
見て見ぬふりしてウォーキングを再開いたしました。
ほんの五十メートル歩いた先に、またもや丸まった汚いボロキレがあるではありませぬか。
今度はシャツではなく、垢やほこりで汚れた作業ズボンでした。
もちろん無視して歩きます。
さらに三十メートルほど進みますれば、なんと履きふるした土色のバスケットシューズが転がっておりました。
無納税自由人のかたが、お召し物を脱ぎながらお散歩?
まさかと思いながら三丁目の先まで見やりますと、穴のあいた汚い靴下がありました。
どう考えましても、脱衣しながら歩いているのか走っているのか、持ち主は多分同じかたのようです。
そのうち通りの角から全裸で飛び出してきそうな錯覚を覚え、わたくしは用心しながら少し早歩きいたしました。
もう何もないだろうと思いきや、また道路に異物を発見してしまいました。
は? これって手錠?
さようなのです。よくテレビドラマで見ますあの金属製の手錠が、ワッカ部分をはずして転がっているのです。
脱獄犯!
でもどこからも緊急車両のサイレンは聞こえませぬ。
いくら脱獄犯といえど、なぜ全裸になる必要がございますのでしょう。
思案気に歩き続けますと、薄ブラウンの瞳に細長い物体が写りました。
こわごわ近づいてみます。
え~っと……これはナニ?
二メートルほど長い鎖の先端に、黒い鋲を打った革が。
首輪? は? なぜ?
それは首に巻いて拘束する道具以外、考えられませぬ。
警察では犯人に首輪までいたしますの?
いやいや、そんな人権問題に抵触するようなことはいくらなんでも……
では、いったい誰が誰を何の目的で?
しかも逃亡なさってるかたは、なぜ着衣を脱がれたの?
閑静な住宅街ゆえ、人っ子ひとりいやしませぬ。
わたくしは背筋に冷たい汗をかきながら、急いで屋敷へもどりました。
その後町内では、なんの噂も聞きませぬ。
いったいあの落し物はなんだったのでございましょう……
こんなときはカクヨムさまをチェックするに限ります。
あ、「みかんをのせた、もっちん」にレビューを頂戴しております!
13 ←ひとみ さま、
ひとみちゃ~ん! お忙しい中、わざわざご覧くださり、レビューまでいただきまして誠にありがとうございます!
すばらしい物語だなんて、嬉しい♡
戦争だけは絶対に避けねばなりませぬ。いいことなんて、ひとつもありはしませんもの。戦争でしか発達しない文明なら、足踏みしたままでもよございます。それよりも、いかに天災から人類を守ることができるのか。そちらに頭を使うべきではないかしら。
心より御礼申し上げます♬
阪木洋一 さま、
いつも大変お世話になっております。この度はご多忙にも関わらずお目通しくださり、またレビューまで頂戴し誠にありがとうございます!
拙作で涙をお流しくだすったなんて、嬉しい♡
つばきには似合わぬ、友情や信頼などを盛り込んでしまいました。
我が国には八百万の神さまたちがいらして、わたくしたちを見守ってくださっていることを忘れぬようにしなければなりませんわねえ。
心より御礼申し上げます♬