月が替わりましたため、定期健診で町内の診療所へ来ております。
結構患者さまが多いわね。ははーん、どうやら町内にございます企業の集団検診と時間帯が重なったようでございます。
わたくしは持参いたしまいた乱歩先生の「白髪鬼」をひもときながら順番を待っております。
年配の看護師さまが何やらあわてたご様子で、奥の検査室から足早に待合室へやってこられました。
「タナカさんっ、タナカさんはいませんか!」
すると青い検査服を着た若い男性が、そっとお手を上げられました。
「タナカさん? 間違いないわね?
ちょっとうかがいたいんですけど」
顔を伏せたままの男性に、看護師さまは辺りをはばかるように質問をされます。
「タナカさんね、あなたの食生活でちょっとお訊きしたいのですけど……
まさか、まさかと思いますがここ二、三日の間に、そのう、昆虫とか召しあがりましたか?」
えっ? こ、昆虫?
「今朝提出いただいた検便セットを、検査室で確認しているのですが。
い、いえ、嗜好品に私たちが口をはさむ必要はないのですよ。お個人の自由ですから。
ただ、そのう、正体不明の未消化物から大量の昆虫が発見されましてね。検査室では大騒ぎになっておりますので……
はい? もう一度おっしゃっていただけますか?
検便が面倒だったので、今朝道端に落ちてた便を代わりに持っていらしたと、そうおっしゃいましたか?
ちょっとこっちへいらしてください。早く!」
看護師さまは額に青筋を立てられ、タナカさんを奥へ連行されていきました。
待合室隣ではカーテンで仕切って身体測定を行っております。
「はい、では次にスズキさん。腹部回りを測定します。こちらで検査服を脱いでください。
じゃあ測り……まあっ! 見事に割れた腹筋、いわゆるシックス・パックですね。
ここまでボディビルダーのようなお腹にされるのは、さぞかし大変だったでしょうねえ。
えーっと、スズキさん。でもこんなに写実的に絵筆でお腹に描かれるお暇があるなら、その分運動なさってください。
はい、九十八センチと。うん、パーフェクトにメタボですよ」
一度つきました脂肪は、何やら愛着がわいて、簡単には手放したくないのでしょうか。
「サトウさん、身長を測りますので台の上にお乗りください。
測定機が自動で下りてきますので、そのまま動かないでください。
ではいきますよ。動かないで!
はい、お疲れ――キャ~ッ! あ、頭がもげた!
あっ……サ、サトウさん、ごめんなさい。あのう、ええっと、測定機にそのう、頭に被せていらしたヘアが絡まってはずれちゃってます……」
それは一大事ですわ!
サトウさまはあわてて測定機に見事に釣られたフサフサの人工お櫛を、ジャンプなさってはずそうとやっきになっておられます。
健康診断はとても大切でございますわねえ。
院内は携帯電話は禁止となっております。
スマホならOKですわね。わたくしはそれとなく周囲を見渡しながらカクヨムさまをチェックいたします。
あらっ、拙作「予想外な涼ノ宮兄弟」にレビューとお★さまが!
里宇都 志緒さま、
平素は大変お世話になっております。
この度はレビューを頂戴いたしまして、誠にありがとうございます!
規格外の才能……と申しますよりも、ぶっちゃけ何でも来い! ってな心構えでございますのよ。あっ、ただしエロは唯一禁じ手といたしております。仰られますように、ぶっ放してしまいました。
いただいたレビューに、つばきも涙しております。うふふ♡
心より御礼申し上げます!
関川 二尋さま、
この度は貴重なお時間を費やしてくださり、誠にありがとうございます!
純文学から転落していく物語、我が意を得たり! と溜飲を思わずさげましたわ。
当初の予定からドンドン離れていく、わかっていても指先が勝手にキーボードを叩いていきました。やはりキャラクター設定って、本当に大事でございます。今回わたくしは痛感いたしております。
何故ああいうキャラが出来てしまったのか……
望外なお褒めのお言葉に、つばきは感激いたしております。
心より御礼申し上げます♡
@nepinepiさま、
どうも初めまして!
この度は、いきなりあのお話に触れられ、ドン引きされませんでしたでしょうか? 平素のわたくしはいたってノーマルな、どこにでもおります乙女でございますのよ。パラノイアとは無縁の精神構造でござ……申し訳ございませぬ。微量ながら心の奥に沈殿しております。
お★さま、本当にありがとうございます!
坂江快斗さま、
いつもお世話になっております。
今回もお時間をいただき、誠にありがとうございます!
ええっ! 朝一番から拙作をご覧に?
それは無謀、というものでございます。お口直しにエクレアをお召し上がりくださいな。
書き手のわたくしでさえ「あれっ?」「えっ、なにゆえに?」と首を傾げながら紡いでおりましたの。
純文学。やはり難しゅうございますわねえ……
力技万歳! ありがとうございます。ええ、結局わたくしはアレでございますゆえ、この方向へ捻じ曲げてやりましたわ。うふふ♡
心より、御礼申し上げます!
つばきの物語をご覧くだすった皆さま、この場をお借りいたしまして厚く御礼申し上げます♡