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『朝倉慶長始末記 第5話 転生の条件』あとがき

 いつも『朝倉慶長始末記』をお読み下さり、ありがとうございます!
  「第5話 転生の条件」のあとがきです。

https://kakuyomu.jp/works/16816700429410406879/episodes/16816700429437696639

 さて今回は、作中の舞台となった越前一乗谷について。

 現在では戦国時代の城下町がほぼ完全な形で遺跡として残されており、当時を知る上での貴重な資料として知られています。
 一乗谷は作中では越前国の中心地となっている北ノ庄(現在の福井市中心部)からはほど近いものの、狭小な谷あいに存在します。

 一見不便なように見えるものの、北陸の大動脈であった北陸道や、奥越前や美濃に通じる美濃街道、また九頭竜川の支流である足羽川にも近く、水運も利用できるなど、かなり交通の要衝を抑えていたといえます。

 そして色葉の屋敷の東側背後には一乗山がそびえ立ち、それを利用して一乗谷城が築かれ、また谷は上城戸、下城戸と呼ばれる城門を南北に配置し、戦国時代らしい防御力に優れた地形でもあったようです。

 史実では1573年(天正元年)8月に織田信長の侵攻を受け、時の当主であった朝倉義景は奥越前の大野へと脱出。
 一乗谷には火が放たれ、灰燼に帰すこととなります。

 その後、幾度かの争乱を経て一乗谷は忘れ去られ、現代に至るまで土の下に埋もれることになりました。

 作中では主人公であった色葉が朝倉家を再興後、越前の中心はやはり北ノ庄に移したものの、しかし一方でささやかな自分の屋敷を一乗谷に置き、引きこもりにちょうどいい地として利用し続けたのです。

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