たね胚芽

私の想いを乗せた透明な糸は、物体の輪郭と輪郭を軽やかになぞっていく。世界を駆け回るその糸の行き着く先は、いつもビビヌッコアユナの元だった。

俺は初恋から16年で13人の女性と付き合い、その全てを他の奴に寝取られてきた。悲嘆にくれる俺の前に、あやしげな男が現れる。『内閣府NTR事務局』――政府の機関から派遣されてきたそ…

先輩に片思い中の深山百花が駆け込んだのは、異世界と現実の狭間で営業する異世界カフェだった。 店長は透明人間？であり、姿が見えないうえに、百花の恋心を譲って欲しいと言うのだが……。…

宇佐木星羅は幼馴染の大樹に好意を抱いているが 大樹には好きな人がいて……。

人類が「荒ぶる気候」を避け、ドーム都市「護糧閣（テラス）」に住むようになって数千年後。 とあるテラスに、プラネタロイドという、プラネタリウムのアレイ型投影装置を模したロボットがや…

　町の路地裏で魔法薬専門店を営む僕と師匠。お客さんはなかなか来ず、貧乏生活の真っ最中。 「チョコレートとかクッキーとかケーキとか、そういうのが食べたいの！」 「そんな贅沢なものな…

私は戦略兵器です。 生来からの能力――死に戻りを用いて未来の危機を察知し、ミナト少佐に報告するのが私のお仕事。 失敗すれば沢山の味方が戦死する事になってしまう、重大な役割を担って…

「ボク」と「シリアルキラー・スケアクロウ」のお話。

　令和から平成を飛んで昭和のある日、実に半世紀以上前のこと。一人の男の子が死んでしまった。川での事故だった。 　男の子の親友であった主人公の男子は自分のせいで親友が死んだと罪の意…

家の目の前、玄関まであと十メートル。そんなところで道に迷うなんて、有り得ると思いますか？　・‥あるんです。これはそんな自分自身の体験談。ノンフィクション・エッセイです。 ※カク…

橋の上で出会った美人な先輩は、俺のカメラを奪って川に投げた。 他にも他人のボールペンからバネを奪ったり、食堂のフォークを曲げたり。困らない人がいない、でも些細ないたずらを犯す。…

５００文字で高校生の恋愛物語をサクッと短編集にしてみました。 １話で完結しています それぞれの想いをいろんな視点から楽しんでみてください。 ※【恋をしたら】の作品の高校生物語を…

1年ぶりのエッセイです。去年は皆様のおかげで乱舞が読者選考に残れました。異世界ファンタジーでも、3作品入りました。書き殴っていた2年とは違う三年目を迎えています。 ここでは、二年…

僕という人格が私という人格を愛し、苦しみ、それでも頑張って愛してみるお話。

ループしている世界で、初日で死亡した運命のメイド・ミア。百回目となって、彼女は有能な子爵・イアンに救われ、人生初めて「明日」を迎えるーー。 生きることを謳う一風変わったシンデレ…

【カクヨムコンテスト10【短編】に応募しています！】 大学生になって半年以上が過ぎた深月は行きつけの喫茶店に呼び出された。 呼び出したのは親友の野々華。彼女は開口一番に言う。 …

世界が滅びて７年後。僕はひとり、この島で生きている。 2023年に開催された『pixiv小説1000億字突破記念 1000字コンテスト』において、この作品が優秀賞を受賞いたしま…

私たち母娘が、実家に帰省した夏の夜。 娘が深夜奇妙な声を聞いたと怖がる。 私は声を確かめる。 声は何かを問いかけ、私は返事をしてしまう。 翌朝、実家の両親にその話をすると――。

ため息の沈殿するような日々。たまたま手に入ったライヴのチケット。そのバンドが大好きなクラスメイトを誘う話です。

小さい頃から霊が見える中学二年生・鈴木太郎はある日、除霊師を名乗る老婆の霊にとり憑かれた。中学校にはびこる悪霊の除霊および悪霊の親玉の封印をしなければならないことになったが、その…

先輩が好きな『私』は、雨のおかげで一つの傘に身を寄せ合うことができた。 帰宅途中、何か事件が起こったのか、駅前の花壇には警察官が集まっている。 文芸部らしく、先輩らしく、紫陽花の…

マナの「だいじなおともだち」、もんちゃん。 ママがおせんたくしたら、おけがしちゃった！ ママが「おおきなはさみ」で、じょっきんして、はい、もとどおり！ でも、もうマナはもんちゃ…

幼い頃から父に褒められることをきっかけに歌うことが好きになり、いつしか大きな舞台で歌うこになるが、その曲は自分とってとても大切な曲となる。

「サンタクロースっているんでしょうか？」 100年も前の有名な新聞の投書である。それが忘れられつつある頃、クリスマスの深夜ラジオに一本の8歳の女の子の質問「サンタクロースっている…

所属パーティーが空中分解して、現在２人しか居ない冒険者、シンとアキラ。 シンは前衛戦士の男。アキラは後衛の学者兼罠係だ。 ある日、アキラは「遺跡を掘りに行こう」とシンに持ち掛け…

「あなたの小説には人を共感させる力が足りない」と言われまくったのを気にして書いたもの、珍しく落ち着いた話になりました。退屈じゃないか心配......。 高校一年生の身近で日常的な…

死者の心臓から芽吹き、魂の欠片を宿すその花を「白妙の蕾」と呼ぶ。 リリィは白妙の蕾を開花できる人間として、最果て島に住まう者達から注目されている。 白妙の蕾は生きる希望であり、…

　幼馴染の森宮涼之助と水瀬葉月は両片思いだった。葉月は涼之助への忍ぶ恋情に悩み。夏の終わり、ついに病床に伏してしまう。 　見舞いに来た森宮涼之助は葉月の夢を聞かされることとなる。

ある秋の日、女の子は両親とお出かけしました。 女の子にとっては歩くことも冒険なんです。 どうしてって？ それはね……

病弱な体で短い人生を終えた少女は、異世界にて公爵令嬢フレデリカ・ミュルグレスへ転生した。 健康な体を授かり何不自由なく過ごしたフレデリカの人生は、１２歳になり、スキルを授かる儀…

七夕の日、文則(ふみのり)は一枚の短冊に目を通す。 そこには自身の死を望む文言が書かれていた。 「ユヅキは俺に早く死ねと？」 「ちょっと違う。アタシが希死念慮強めなのはフミ君も…

とある草原に住む遊牧民の少年「七宝族の誉（ほまれ）」は羊の世話が終わった夜、弟とふたり月を眺めていた。 そこに小さな小さな機械の鳥が白い夜明けを運んできた時、彼の世界は崩壊する。…

こうして人類は絶滅した。 ……してねえよ。ふざけんな。じゃあまだ生きている俺はなんだ？　人類の中にカウントされていませんってか！　クッソがー！ 人類が絶滅した地球に、たったひと…

会話劇作品 これは、一つのビデオカメラに納められた、ある二人の日常を描いた物語。 ※NOT フリー台本

定年間近の刑事、安西が出会ったのは、突如として夫を轢き逃げで失った、妻・三枝子。 しかし、捜査が進むにつれ次第に明らかになる、夫のとある奇妙な矛盾。 なんと、彼女が愛した筈の夫は…

私の家は貧乏。五人兄弟で借金がある。どんなに泣いてねだっても、欲しいものを買って貰った試しがない。幼い頃そう悟ってから、私には物欲がなくなった。服は姉のお下がり。食事は二人の兄に…

「おい拓也、セックスしようぜ！」末期癌のヒロにそんな誘い方をされて、俺はウンザリ顔であしらうしかなかった。できるわけないだろ！　病室で、死にかけのお前に！　だがお前の死に向き合う…

孕む

SARF×カクヨム 短編こわ～い話コンテスト優秀賞受賞作。 【千葉県柏市（JR柏駅・駅前商店街） × ホラー】 祖父が車で駅に迎えに来てくれるまでの時間つぶしに、フラっと訪れた「…

「私」は、ある時人類が生まれなかった筈のパラレルワールドへ行ってしまう。そこには「削ぎ取られた人」と幼い見た目の科学者が暮らしていた。

「人がその人生で感じたなにかの美しさを表現したものに比べ、私の絵は遥かに劣っているのでしょう」

　ツッコミ不在の恐怖

【カクヨムWeb小説短編賞2023（短編小説部門）短編特別賞受賞】 高額報酬に惹かれ始めたバイトは、異世界に転生する予定者を大型トラックで轢き殺す仕事だった。 転生予定者を全員轢…

「僕のB事情」 就労継続支援B型事業所での7年間の経験をもとに、みっちゃんが日々の仕事や人間関係、感じたことを綴るエッセイ。得意なシール貼りやクリエイティブな作業への情熱、そ…

中学3年生の女の子、久保田アスカ（くぼたあすか）は些細なことで母親と喧嘩して家を飛び出す。幼なじみの友人の成瀬翔子（なるせしょうこ）を頼ろうとするものの、なんと翔子も家出の真っ最…

晴れて結婚に至った私が思うこと。 それは『結婚』がいかに古臭くて現代的ではなく、めんどうくさいか。 そして【結婚】がいかに幸福と喜びを与えてくれるか。

棄てられる哀しみを、棄てる者は知ろうとはしない。 棄てられて、孤独と不安で縮こまっていた猫の気持ちを、飼い主は考えもしない。 2022年、石垣島の緑地公園に棄てられた猫、１７６匹…

その街にはサンタから手紙が届くことがある。その手紙に同封されたカードに願い事を書くと叶うらしい。 ことねは父と祖母と三人で暮らす小学校二年生の女の子。 亡くなった母が残してくれ…