思い出話をさせて欲しい。
師匠とは15年前に出会った。当時私は自営業を始めたばかりで、怖い物知らずの世間知らずで、絶対に成功してやると誰彼構わず噛み付いていた。その中のひとりが師匠だった。
生意気な私はよく師匠に怒られた。もっと丁寧に人と接しなさい、人を頼りなさい、敵味方を見極めなさい、きりがないほど怒られたし褒められた。
人生の困難にぶち当たっても、師匠がいるから大丈夫と思っていた。何かあれば助けてくれる、間違えたら叱ってくれる、そういう存在がいることは、私の大きな支えだった。
これから先もずっと師匠がいるのだと思っていた。ずっとは無理だとしても、後20年はそばにいてくれるものだと思っていた。
喧嘩してクソジジイだと言ったこともある。呆れて離れていかないでくれと泣きついたこともある。
まだ実感がわかない。まだわかない。
先生、ありがとうございました。
御縁があれば、また来世、叱ってください。