あっという間に1月も後半です。しかしインフルエンザが流行していますねぇ。幸いなことに、僕はまだ罹患していないようですが、皆さまもどうかお気を付け下さい。
さて、昨年から書き始めた「グリーン・ウィル」という小説が無事に完結いたしました。
【グリーン・ウィル】
https://kakuyomu.jp/works/1177354054887809439 10万文字を超える長編小説としては3作目(うち1作品は現在非公開です)、約1年ぶりの執筆となりました。当初は3万文字くらいの中編を想定していたのですが、やはりカクヨムコン4開催期間中ですし、どうせなら長編を書いてみようと、プロットを修正しました。
この物語、ジャンルとしては一応SFという形態をとっています。電力会社に勤務する研究者と技術者たちの過去と現在を主軸に、原子力に代わる安全かつクリーンな発電システムがもたらす悲劇を描いてみました。
少々ネタバレかもしれませんが、本作で登場する次世代発電システム「グリーン・オルガネラ」のモデルとなったのが、理化学研究所生命システム研究センターが開発したATP系発電システム、通称『シビレエイ発電機』です。
理化学研究所 報道関係資料▶
http://www.riken.jp/pr/press/2016/20160531_3/ 生体内で合成されるATPを使って、高電圧を生み出すシビレエイ、その発電機構を応用した高効率発電機の可能性、このプレスを読んだ時に、この小説の構想はほぼ決まりました。
ミトコンドリアの細胞内共生説、オートファジー、アポトーシスなど、生化学分野における専門用語が頻回に登場する箇所もありますが、その都度、物語の中で解説を加えております。
物語を通じて、人間の主体性や豊かな社会のあり方など、自分自身にとってもあらためて気づきを得ることができました。登場人物たちは、もはや僕の思考を離れて、彼ら彼女らの言葉で語っていくような感覚に驚きさえ感じています。10万文字を超える長編ですが、どうかお付き合いいただけましたら幸いです。