【前書き】
なんか暑くないですか?(挨拶) 正確に言えば「夏よりは涼しいけど、なんか蒸し暑くないですか?」なんですが、おそらく台風のせいですね。本当は部屋の窓締め切っている(開けるのだるい)のが原因なんですが、最近よく上陸してくる台風がうざいので、適当に責任をなすりつけておきます。許すまじ、台風(責任転嫁)
さて、今月は現実逃避がてらにアマプラで「ゴッドファーザー」とか「リコリス・リコイル」とか色々観ていたので、あまり本が読めてない……ということもなく、普通に読んでます。なんなら、先月より読んでいるかもしれない。
ということで、しっかりと三冊分の感想を読書ノートしていきます。
【作品の感想】
一冊目:『リコリス・リコイル Ordinary days』アサウラ著(電撃文庫)
最近は人外の小説ばっかり書いているけど、女女関係性が好きなので買いました。それでこの小説……というか「リコリコ」の短編集の感想ですが、一言で表すなら「おじさんがリコイルしてない!?」という感じの作品でした。
もちろん二人の女女関係性についてもちゃんと描かれています。特に突拍子のないゾンビ映画世界でワイワイする二人の話は、原作並の関係性が「摂取」できます。
ですが、問題が第一話。その話で主軸だったキャラはなんと、原作キャラを差し置いて、まさかの五十代過ぎのおそらく初出のおじさんだったんですよね。こういうスピンオフって原作キャラ主軸のイメージだった(「食戟のソーマ」のスピンオフ小説とか)ので、一行目読んだ瞬間に「えっ!?!?!?」って大声出ました。「スピンオフで中年男性を物語の中心に据えていいんだ!?」という驚き。
それに加えて、サラッと「中年男性店長のミカがあまりにも魅力的すぎてストーカーされていたことがある」という話が挟まれていたのを読むと、もうただただ笑ってしまいました。私の負け、中年男性に対する「萌え」がすごすぎ・リコイル。女女関係が中心のアニメ版との「バランス」を取っている小説版だなぁという感じの話でした。
二冊目:『銀色の恋人』タニス・リー著(早川書房)
なんでこれ購入したのか記憶にないけど、無意識に買っていた本です。ロボットと少女の恋愛の話。それでこの作品ですが、一言で表すのなら「ロボットに対する癖に溢れた小説」って感じでした。
正直私は主人公の少女は苦手なタイプでした。悪い子ではないのですが、ロボットに対する序盤の扱いを見ていて「苦手かも……」って気持ちでした。それは終始変わってないです。でもその主人公に対するヘイトがあった一方、そんな欲望まみれの人間に対して、ロボットの方は「癖」に満ち溢れていました。
特に良かったのは「ロボットはあくまでも、主人公の女が”選択”した理想のロボットでいてくれた」ことです。ロボットにとっては顧客である人間に喜んでもうらことが第一であって、人間同士のように本能に従ってイチャイチャしたいわけではないんですよね。そのロボットの機械的な「優しさ」が本当に愛おしいとなって、私の「癖」にめちゃくちゃに刺さって読みながら悶えてました。「マジで主人公、その立場変わって!?」と本気で思いました。
ロボットに対して萌えている人間にはオススメの本です。
三冊目:『砂の女』安部公房著(新潮文庫)
「短編いつも変なものを書いている物書きの癖に、安部公房をちゃんと読んだことがなかったんですか……?」と言われたらマジで「はい……」としか言いようがないんですが、大昔に教科書で読んだっきり読んだことなかったです。かなりの有名な名作なのに……。
それで感想なんですが、簡単に「世界観が癖!」です。砂に満ちた世界自体は女神転生シリーズで体験済みなんですが、その砂に満ちた世界を主人公が段々と「実は普通の社会で生きるよりマシじゃね?」と受け入れていくのが生々しくてすごかったんですよね。
結末含めて「詳しくは読んでくれ!」タイプの話なんですが、特に好きなシーンを言うのなら、やっぱり「外」についての情報が分かってきた瞬間の衝撃がすごかったです。
こう……世界というフィールドが広がる瞬間って良いですよね。話を読んでいて、大昔に「ドラゴンクエストX」ってオンラインゲームをやっていた時、バージョンアップで新しいフィールドが解放される度にワクワクしていたことが思い出されました。
【後書き】
今月はなんというか、「話の質が総合的に良い」というより「性癖が尖っていてめちゃくちゃ良い!」って感じの本に沢山出会えて良かったです。ロボット然り、おじさん然り。
来月の投稿頻度はまぁボチボチ好きなようにやるので相変わらず未知数なんですが、あんまり下がらないようにしたいなーと思います。下がったのならリアルで何かあったんだと察してください。
それでは、また。その11は11月末に更新予定です。