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海本読記(読書日記) その12

【1.前書き】

女神転生Ⅲ、めちゃくちゃ面白かったです(挨拶)

コトワリ、こんな「人外にめちゃくちゃにされる人間大好き!」な人外狂いの人間が選ぶ選択肢は二つに一つしかなかったんですが、分岐ミスってすごい平坦なルートになりました。「アンタ馬鹿?(意訳)」ってカクヅチさんにも説教喰らったので、只今絶賛再走中(二周目)です。早く分岐ルートの所までいきたいぜ(同じことを二度繰り返すの、まぁまぁ苦痛なので)(アマラ神界の探索が特に苦痛)

それはそれとして、最近やっとまともに読書できる時間が確保できたので、せこせこと積読を読んでます。主に斜線堂先生の作品でめちゃくちゃ面白かったんですが、次回に回します。毎月同じ作家の話を書くと、なんかステマみたいになってしまってアレなので……(?)

ということで、今回は三冊分の感想を読書ノートして(動詞)いきます。



【2.本文(作品の感想)】

一冊目:『ストーカー』アルカジイ&ボリス・ストルガツキー著(早川書房)

インターネットのオタクから「裏世界ピクニックの元ネタ、これらしいよ」みたいな話を聞いて買った本です。テレビアニメ版の裏世界ピクニックで「人外にめちゃくちゃにされる人間」がたくさん出て来て興奮したので、買わないわけがなかったんですよね。(小説版は巻数が多いので、いつ購入するのかは未定)

それで感想なんですが、さらっと「ピクニック」要素が出ていて笑いました。
最初読んでいる時は「はいはい、ゾーンの中にあるブツを命を賭けて取りに行く話なのねー。はいはい、なるほど」ぐらいの「面白いけど、裏世界ピクニック並には"人外にめちゃくちゃにされる人間"ではないな……」と思ってました。最後まで読んだ結果としても「面白い! けど、人外要素は薄いな……」って感じでした。

ただ、まさか裏世界ピクニックの「裏世界の設定」だけじゃなくて「ピクニック」の部分まで原作にあるとは思ってなくて、めちゃくちゃ「そんなことある!?」って思いました。まさか「ゾーン」のことを「ピクニックの残骸」扱いしているのは予想できんのよ。でも、その発想は嫌いじゃないし、ちょっと人外味を感じて良かったです。

私が別方向に変な期待を抱きすぎていたけど、話自体はめちゃくちゃ面白かったし、普通にオススメの作品でした。


二冊目:『新装版タイム・リープ あしたはきのう』高畑京一郎著(メディアワークス文庫)

インターネット大好きなので、インターネットで有名な作家さんたちが読んで「良かった!」と言っているのを見て買いました。ちょろい生き物。

この本はシンプルに「タイム・リープしてしまう奇妙な状況に陥った女子高生が死ぬほど頭がキレる男子高校生に助けてもらいながら、なんとかタイム・リープを抜け出す話」です。マジで「うわっ! ライトノベル!」って感じの話です。

それで感想なんですが、ライトノベルの「複雑なのに、軽く読めて面白い」の究極なのでは? って感じでした。これはもう読んで「体感」してもらうのが一番なんですが、本当に話が分かりやすい。この物語は一週間の内の様々な時間に飛ぶ(木曜日の午後から金曜日の午前に飛ぶ、とか)タイプの話で、初見時は「うわっ、絶対途中でややこしくなって、”あああああああ分からん!”って叫びたくなるタイプの複雑な話じゃん!」と思ってました。

でも、本当にそうならないんですよね。時々「今はここ、それから次はここ」って感じで顔の良くて頭のキレる男子高校生が整理してくれるのもあるけど、なによりも「情報量が調整されている」点がそこに寄与しているんじゃないかなと思いました。

本当に「要らない描写」が何一つとしてない。何一つとしてない、は言い過ぎかもしれないけど「無駄を削ぎ落とした究極体」という感じで、情報がしっかりと統制されているんですよね。帯にある「ルールが公平さを保証する名作ミステリー」がマジでした。かなりオススメの小説です。

三冊目:『人類よさらば』筒井康隆著(河出文庫)
今回の「癖」枠の小説です。筒井康隆と星新一の短編集は「人外にめちゃくちゃにされる人間」が最低保証で一作はあるので、実はかなり好きな作家だったりします。

さて感想なんですが、まぁ「悪魔の世界の最終作戦」が好きだよねって感じでした。いやここで「傍観者【null版】」の社会ゴミカス話を取り上げても良かったんですが、やっぱり「悪魔の世界の最終作戦」が一番癖に来たので、こっちにしておきます。

この「悪魔の世界の最終作戦」という話は、筒井康隆と眉村卓作の二つの話が混ざったという設定の元で、人間&ロボットvsアメーバで戦う話……嘘です。悪魔が人間をめちゃくちゃに騙して「は? 騙したことないが?」と「チェーンソーマン」のパワーちゃんみたいなことを言う話です。

この話で特に好きな所はやっぱり「悪魔は契約した人間に対して力を与えたのではなく、単純に力を持った世界の幻覚を見せていた」点なんですよね。私は悪魔の話を色々と書いてきたんですが、あくまでも「悪魔って契約に対して誠実な生き物だよな」という偏見の元で生きてきたので、こういう「契約に対して誠実じゃない悪魔」というのは新鮮味があって、マジで新境地開きました。新しい「癖」が開発されたかもしれません(?) 

いやでも、マジで良くないですか? 「人間を手玉に取りつつ、ちゃっかり自分の目的を果たしちゃう悪魔」って。頑張って生きてきた人間がどうしようもない「破滅」に至って発狂してしまうの、かなり「癖」なのかもしれません。

それ以外にも「信州信濃の名物は。」という「げーーーーー!」となる短編など面白い話がたくさんあるので、めちゃくちゃオススメの短編集です。



【3.後書き】

今月の作品はネタバレをしまくっていましたが、ネタバレしてもなお、面白い作品でした。特に『タイム・リープ』に関しては「すごい」ので読んで「体感」してほしいです。ライトノベルの究極体です、本当に。

今月はカクヨムコンのためにたくさん書きましたが、来月はいつものペースに戻ると思います。ネタのストックはあるけど、筆が進むまでが襲い人間なので許してほしい……。

それでは、また。その13は2月末に更新予定です。

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