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海本読記(読書日記) その14

【1.前書き(雑談)】

花粉よ死に給へ(死刑宣告)

最早ア〇ジオンがなければ生きていけない身体になっています。一度だけ飲まない日を作ったら本気で死にかけたので、それから毎日飲んでます。去年まではここまで酷くなかった記憶があるんですが、年々身体のアレルギー耐性が下がってきているのかもしれません。医者にかかる予定もないので分かりません、真実は闇の中。

さて、今月はめちゃくちゃ本を読みました。いつも数冊しか読んでない癖に今月は八冊ぐらい読みました。一日一冊読んでる本の虫たちに比べれば雑魚も雑魚です。まぁ読書は数勝負ではなくどれだけ自分にとっての良作に出会えるのかが問題だと思っている派閥なので、気にしない方針でいきます。気にしても良い事ないというのもある。

ということで、今月は三冊分の本を読書ノート(動詞)していきます。



【2.本文(作品の感想)】

一冊目:『戻り川心中』連城三紀彦著(光文社文庫)

ググって表紙を見てくれたら分かると思うんですが、現代のコンテンツ氾濫時代においては「絶対買わなそう!」な表紙をしている本です。悪口とかではなく、一昔前の小説っぽい表紙よなーというただの感想です。私はこういうシンプルな表紙も好きなので(擁護)

それで本編の話になるんですが、この作品は連城先生による短編集です。どの話もおおむね男女関係の話をしており、地の文の耽美な語り口調に酔いしれ、内容の重みに心をズーンとさせることができます。

そんな短編たちの中で、私が一番好きだったのは「桐の棺」という話です。これは簡単に言えば「男女に挟まれる男の話」です。これで「もしかして寝取りの話なのか……?」と思われる人がいるかもしれません。ですが、違います。

女を抱いた後に男から抱かれる話です。

「どんなシチュの話?」と思われるかもしれないんですが、真実なんです。信じて下さい。若干嘘ついているけど、噓じゃないんです。一昔前の本だし定価でもワンコインちょっとで買えるお値段なので、手に取って読んで見てほしいです。私はこの話だけで「大当たりじゃん!」となったので。



二冊目:『死について考える』遠藤周作著(光文社文庫)

人間が破滅する物語をよく書いている人間がこの本を選ぶ意味、察しの良い方なら分かると思いますが、そうです。遠藤周作がバチクソに「死にてぇ!」と書いていることを期待して購入しました。最悪のオタクか?

それで端的に結果だけ言うのですが、爆死しました。いやでも、これズルなんですよね。最初の方は結構求めていた「味」がしたんです。ちょっと引用するのですが、

「ゴルフをする老人とか(中略)できるだけ楽しげにふるまって、元気あるなあとみんなから見られるようにしているけれど、それはまあ世間への外づらで、本音の内づらでは、死ぬ時は苦しまないで死にたいとか、安楽死というのはどうするんだろうかとか(中略)皆いろいろ考えているのだと思います」

という文が最初の話にあったんですよね。あったんですよ。……騙されませんか? 最初の話からこんな薄暗さ全開だったら、絶対もっと破滅的な死への希求を読めると期待しまくるじゃないですか。じゃないですか。

爆死です。

でも遠藤先生について知りたい人とかにはおすすめかもしれません。話としては結構面白かったです。



三冊目:『火のないところに煙は』芦沢央著(新潮文庫)

これは完全に藤本タツキ先生のツイートを見て買ったやつです。『チェンソーマン』のことを受動喫煙でしか知らない(アニメは見た)のですが、ちゃんと読んだ作品だと「さよなら絵梨」とかでめちゃくちゃ好きです。メタ的な話、LOVE。

小説買うのにお金使いすぎて中々買えないんですが、いずれ買うつもりです。デンジとマキマさんの関係性が好きなので。

……と、話逸れまくったので戻します。この話なんですが、作家の私がいろんな怪異の話を聞いていくーみたいな話です。最近流行りの「近畿地方のある場所について」が好きな人は好きそうーという感じでした。

私はあんまりモキュメンタリーって癖に来ないタイプなので、さっきまでの紹介と違ってテンションが低くて申し訳ないんですが。そんな私でも、最後のどんでん返しには「おおおお!」となりました。そっちだったかー! という驚き。脳の神経同士が繋がって「びびっ!」とくる感じ。

さすがにネタバレになるので何も言えないんですが、かなり楽しくなれる作品です。「近畿地方のある場所について」好きな人は絶対好きだと思う(二度目)



【3.あとがき】

今月たくさん本を読んだのなら四冊ぐらい紹介するべきじゃない? と思ったのですが、また斜線堂先生の作品激押しオタクになるのでやめておきました。ちなみに今月読んだ斜線堂作品は『君の地球が平らになりますように』です、陰謀論最高ー! になりました(最悪)良かったです。

あんまり話長くてもアレなので、今月はこのぐらいにしておきます。

それでは、また。その15は四月末更新予定です。

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