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海本読記 その9

【前書き】

最近やっと涼しくなってきて「やったー!」と喜んでいます。クーラーはまだガンガン回しているし、夜暑すぎて布団蹴り飛ばして寝ていますが……。でもそろそろクーラーを回すのも終わりかもしれないと思うと、ちょっとだけ寂しい気持ちはある。今年もありがとう、クーラー。ライネンモヨロシク(メ〇テンの悪魔召喚パロ)

さて、今月は先月よりは本を読んでいたので、しっかりと三冊分の感想を読書ノートしていきます。


【作品の感想】

一冊目:『優等生は探偵には向かない』ホーリー・ジャクソン著(創元推理文庫)

一言で表すなら「最悪なインターネットの解像度高すぎ!」という感じの作品です。前作の『自由研究には向かない殺人』(自由研究に殺人を研究するな)の続編にあたる作品なんですが、「こんなに面白くて本当に良いの?」って面白さで500ページ近くあるのに夢中で貪り読んでました。

特に好きな部分は話の核心に当たるラストなので「読んでください!」としか言えないんですが、いわゆる「犯罪者の心理を理解できる探偵って、本質的に犯罪者と同じだよねー」みたいな話です。抽象的な感想で申し訳ないんですが、これは読んでカタルシスと後味の悪さを味わってほしいので、マジでオススメできる小説です。1300円+税を出す価値が本当にある。マジで名作。


二冊目:『阿Q正伝・狂人日記 他六篇』魯迅著(旺文社文庫)

前々から「タイトル尖っているし読みてぇなー」と思っていたので読んだ本です。それで感想なんですが、表題作である「狂人日記」を読み終わった瞬間に「陰謀論!!!!!!!!!!」って叫びました。叫ぶな、気持ち悪い。

それでどこらへんが陰謀論だったのかと言われたら、本当に一から十まで全てですね。「村人たちは俺をカニバろうとしているんだ!」「俺の兄もそうなんだ! 今までの食事の中に妹の肉を入れていたかもしれん!」みたいな被害妄想をやっていました。

でもこうやってバカみたいな陰謀論者の話を読んでいて思ったことなんですが、結局私たちが陰謀論を「バカの考えることだ」と思うのは「一般論を正しい」と思っているからであって、その一般論を支える大黒柱である「社会(コミュニティ)」というものを信頼できない陰謀論者にとっては、全てが嘘のように思えてしまうのかもしれないですね。知らんけど(天下無双)


三冊目:『盗賊会社』星新一著(講談社文庫)

「短編いつも書いている物書きの癖に、星新一を読んだことがなかったんですか……?」と言われたらマジで「はい……」としか言いようがないんですが、真面目にほぼ初見です。多分読んだことなかったと思う。

それで感想なんですが、二十個強ある話の中で「最初の説得」という短編が好きでした。この短編は禁断の果実を食べたイブがアダムにも「果実食べて?」と様々なアプローチで頼む話です。

この話のどこが好きなのかと言えば「暴力で解決した」ところですね。どんな説得にも応じないアダムに対して後頭部を殴るとかいう強行手段に及んだの、めちゃくちゃ強い女! って感じがして良かったです。やはり暴力……!! 暴力は全てを解決する……!!(ネットミーム)


【後書き】

今月は先月より本も読めたし、ちゃんと投稿頻度も上がった……数えるのだるいので数えないけど、体感として上がっていたので良かったです。来月の投稿頻度はまだ予定が未知数なのでどうなるのか分からないんですが、あんまり下がらないようにしたいなーと思います。思うだけなら無料なので。

それでは、また。その10は来月末に更新予定です。

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