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最終話の仕掛けと、ジャンルに関する補足(ネタバレ有)

 おかげさまでこのたび拙作『サマーナイト・レポート』を完結させることができました。応援やコメント、ご評価をいただけた皆様に深く感謝いたします。無事完結まで漕ぎ着けることができたのは、間違いなく皆様のおかげです。ありがとうございました。

 この小説は本当に趣味だけで書かれたような作品で、WEB小説の読者層に対するリサーチとか、こう書けば受けるだろうといった計算は一切ないのですが、冒頭からラストへの一貫性、プロローグを読んで興味を持った方がラストシーンまで楽しめるということに、かなり気を配りました。
 それ故にプロローグから「ハッピーエンドではない」「彼女の言葉が本当か嘘なのかはわからない」と盛大にネタバレをかましています。おそらく合わない人はプロローグを見てそっとウィンドウを閉じてくれることでしょう。が、その前提に興味を持った方には最後まで楽しめるものに仕上げたつもりです。
 冒頭を読んで感じた期待にラストシーンが応えられていると良いのですが。応援コメントやレビュー、あるいはここへのコメントでも、感想などいただけると嬉しく思います。

 特に私が知りたいのは、最終話のプロキオンのシーンをどう思われたか、です。
 これこそが真のネタバレなのですが、あのシーンは主人公の想像とも、実際に起きていることとも、どちらとも解釈できるように書いたつもりです。どちらだと思われましたか? あるいは、どちらとも解釈できるように書いていることがわかりましたか? 最後まで読まれた方は、それだけでも一言書いてもらえると幸いです。

 しかしこの仕掛けを実現するためには、「ジャンルをどうするか」という大きな問題がありました。SFカテゴリだと実際のシーンだと思われてしまいそうですし、現代ドラマだと暗に主人公の想像だと言っているように受け取られかねません。そこで最初は「恋愛」にしようと思ったのですが、カクヨムのジャンル説明を見ると、なぜか「恋愛」は女性向けで、「ラブコメ」は男性向けということになっている。これは正直、困りますねー。男性は真面目な恋愛をしてはいけないのか!?と憤慨しましたが、まあ世の中そんなもの。仕方ありませんね。

 結局、物語の主題は恋愛と青春であって、SFよりは現代ドラマのほうが合致しているだろうということで現代ドラマにしましたが、一応、作者としてはあのシーンが主人公の想像だと断定はしてませんよ、ということで。私はそういった、読者が様々に解釈できる物語が好きなのです。
 とはいえ一方で、冒頭で主人公が言っている「旅行できない理由」には答えがあったりするのですが、お気づきでしょうか?

 余談ですがアルファポリスの方は「青春」というジャンルがあって、そこは問題なかったのですが、最初に男性向けか女性向けか選ばなくてはならず、今度はそこで少し困りました。趣味だけで小説を書くとこういうことになりますね……。

 さて、長々と書いてきましたが、一旦ここでお別れです。
 一応、次の小説もアイデアは考えているので、いつか発表するつもりです。それまではいろいろな方の書かれた作品を読んで勉強したり、時にはコメントで交流させていただこうと思います。
 次作がいつになるかはわかりませんが、そのときはまたお読みいただけると幸いです。

2件のコメント

  •  お疲れ様でした。
     一読したときには実際に起きていることと読みました。
     根拠の一つは、あの年の予備校生が、ドップラー法の検出限界とか知らないだろう、ということでした。
     でも、読み直してみて、主人公が理系だったことを思い出し、そうとも言えないのかな、と思いました。
     また、その日から5億500万秒ほど経った現在にプロキオン星系で起こっていることを、同時点の私たちが知る方法はないわけですし。量子もつれを使えば…とかはいちおうありますが…。
     そう考えれば、主人公の想像とも思えます。
  • なるほど……。
    15年の間に少しは勉強したと解釈もできますが、そこは少しSF風味が強かったかもしれません。
    読む方によって感じ方は違うと思いますので、いろいろな方の感想を聞いてみたいですが、参考になります。
    ありがとうございます!
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