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いくひ誌。【2711~2720】

※日々、落ちぶれていく、落ちて、ぶれていく、落ちなくともしかし私はぶれている、どちらにしても、ぶれている。


2711:【びっち】
やあやあ、いくひしさんでござる。おひさしぶりでござるなあ。いくひしさんはさいきん、好きなひとがいっぱいで困ってしまうでござる。もうもう、ステキなひとがいすぎて困っているでござる。いくひしさんは惚れっぽいので、尻軽なので、三グラムくらいしかないので、もうもう風さんが吹くたびに、ほわほわ~って好きになってしまうでござる。でもでも、こんなにたくさん好きになってるのに、両想いになったことはないでござる。なんなんでござるか。こうなったら全世界の人間を好きになってやるでござる。そうしたらだれかひとりくらいとは両想いになれるでござる。やったーでござる。でもでも、いくひしさんはそれでもほかのひとが好きなままで、たくさんのいっぱいの、とほほのきもち、失恋を甘酸っぱくイチゴみたいに味わってしまうでござるから、甘酸っぱいのおいち~、練乳かけたらほっぺたおちちゃいそ、じゃないでござる。なんなんでござるか。いつでも満腹ごりっぷくでござる。ごりっぷくってなんとなく、ゴリラさんがしゃぼんだまを飛ばしているみたいでござらん? ぷくぷく~。でもでもいくひしさんは、生身で触れあうのが、ふぁっきゅー、なので、ひきこもりなので、眺めているのがよいでござる。そのひとの輪郭とか、姿かたちとかでなく、その肉の塊からつむがれる、そのひとだからこそ放出される別世界の断片、異世界の断片、いくひしさんにはない、つむげない、届かない、手にできない、ナニカシラをいくひしさんの世界にまで届けてくれる、ソレが好きなんでござるな。いっぽうてきにむさぼりたい、そんないじきたない性根なので、失恋して当然でござる。片想いで当然でござる。でもでも両想いにもなりたいでござる。いっぱいひとに好かれたいでござる。崇めたてまつられたいでござる。神と呼べでござる。そうやっていっぱい欲張りながらも、それが叶わぬ甘酸っぱさ、さいのこー、でござるな。イチゴぱくぱく満腹ぷくぷくごりっぷくでござる。しゃぼんだまみたいにぷくぷく舞って、ぱちんと弾けて、消えるでござる。そういう儚く消える永久のモヤ、そういうのもまた好きでござるな。


2712:【2020/04/22雑感1】
不幸の手紙への恐怖心が高まることの懸念の一つとして、病院の経営難がある。地方の大きな病院ではどちらかと言えば外来で患者さんが寄りつかなくなり、経営難に陥る可能性があるだろう。実際がどうかは知らないが、不幸の手紙で医療機関が麻痺する病院と、経営難に陥る病院とで二極化していくと想像できる。銀行が融資するだろうから即座に倒産する病院はないとは思うが、別途に支援が必要なのではないだろうか。(あくまで雑感ですので真に受けないように注意してください)


2713:【2020/04/22雑感2】
公園寄ってきた。バスや電車はそこそこお客さんが乗るようになっていた。反面、飲食チェーン店はようやくというべきか、使用できるテーブルを半分にして、座席同士を離すようになっていた。お客さんはほとんど入っていなかった。テイクアウトできます、の文字がガラスに貼ってあった。スーパーは店員さんはみんなビニル手袋をしていて、レジのところにビニルのカーテンが垂れていた。食べ物が安くなっていたけれど、なんでかはよくわからん。公園はグラウンドで遊んでる子どもの数がぐんと減って半分以下になっていた。グラウンドの入口にテープが張られていたので、近々封鎖されるのかもしれないし、ほかの理由で張っているだけかもしれない。アイドルグループみたいな女の子たちが黄色い同じ服を着て写真撮影をしていた。花壇がきれいだからかな。犬の散歩をするひとたちはいつもと変わらずの様子で定期的に公園を抜けていく。犬はいちいちいくひしさんのまえで立ち止まって、にらめっこをして、いくひしさんが笑って負けて終わる。子どもを連れての散歩のひともいるけれども、まえほど多くはない。きょうは風がつよく肌寒かったのでその影響もあるかもしれない。このあいだからスケーターを見なくなった。きょうはランナーも見なかった。仲間で集まらないようにしようという動きがあるのかもしれない。言い換えれば、独りになってでもやろう、と思うくらいに熱を入れているひとたちは公園にはこないだけなのかもしれない。ほかの場所でやっているのだろう。そう言えば夜中に駅前のほうに行くと、立体駐車場の屋上のほうからスケートボードの滑る音が聞こえていたことがあった。そういうところでやっているのかもしれない。よちよち歩きの赤ちゃんは眺めている分には可愛い。触れるとなると怖くてムリ、抱っこなんてもってのほかだ。抱っこしたら融けてしまう。いくひしさんがね。


2714:【未熟でいたい症候群】
ひきこもりのプロであるいくひしさんであっても、遊び場が数か月間使えなくなることがほぼ確定的で、もともと十月からさらに一年間使えないと決まっていたので(たぶんまっとうに工事はできないだろうから竣工予定時期はもっと遅れるはず)、ほとんど二年ちかく遊び場へと息抜きに行けなくなる。いやじゃいやじゃ、のきぶんだ。体力がガクっと落ちてしまって、ひきこもりのプロのくせに、このままだと寝たきりのプロになってしまう(寝たきりのひとに失礼やろ!)。公園があるからよいけれど、それだって冬はつらいし、遊び場の環境のよさが身に染みるな。かといって公園に行くのもそんなにいやじゃなく、むしろ前よりのびのび息抜きできてるから結果よしなのじゃが、いくひしさんはよいけれど、遊び場に来てたほかのひとたちはどこでどうしているのだろうね(会話をしたこともない互いに名も知らぬ間柄だったが、顔見知りではあったのかもしれぬ、といまさらながら思ってしまうな)。抜け駆けしているようですこしの罪悪感があるようで、ないな。公園に集まってこられたら、それはそれでいくひしさんがほかの場所にいくしかなくなってしまうし、いかんともしがたい。とはいえ、いくひしさんはどこでも寝られるし、どこでも息抜きができる。いっぱい寝ているので、背がのび太くんでもよいのに、背はとくに伸びないのはなんでじゃろ。ひょっとしていつの間にか子どもじゃなくなってしまったのかな。


2715:【ごっこ遊び】
たまに繰りかえしておかないとあれなので並べておきますと、この「いくひ誌。」は世界でたった一人になってしまったいくひしさんがそれでもこの世のどこかへ向けて、生き残りはいませんかー、とラジオで呼びかけているみたいなそれはそれは前向きで楽しい独り遊びなのであります。人類滅亡の世界の張りぼての壁をちょいとずらせば、その奥では滅んだはずの人類がわいわいきゃっきゃしているのかもしれませんが、いくひしさんには壁の繋ぎ目が見えないので、ときどき空間に裂け目があいて見えたりもして、そういうときはついにいくひしさんもどうにかなってしまったのかな、と目をコシコシしながら隙間を元に戻して、きょうも、未来へ、或いは過去へ、それとも別世界へと、もうひとりのいくひしさんへ向けて届くかもわからぬ言葉を並べていくのです。


2716:【ほっこり】
手作りっぽいかわいいマスク、子どもたちがつけてる率が日に日に高くなってきて、見掛けるたびにほっこりする。


2717:【ねむいので】
身体が重くて太く感じる日と、軽くてスカスカな気がする日とあって、体重はどっちもそんなに変わらなくて、何が違うのかな、と疑問に思ってたんだけど、さいきん判ってきたのが、ちゃんとぐっすり寝た日は身体がしゃきってなってて身が締まってる感じがあって、寝てるあいだは食べないし、飲まないし、だから痩せた分、お肉がちゃんと身がぎっしり状態になるのかな、やっぱり寝るのはよいな、と改めてしみじみ思ったかと言えばそうでもなくて、いつでも寝るのはいいぞー、って思ってる。寝る。


2718:【すきがいっぱい】
ざこざこのざこでも生きていてよいし、よわよわのよわでも好きなことをしてよい。がんばれなくても何かをはじめてよいし、何もしなくてもよい。嫌われてもひとを好きになってよいし、拒まれたら哀しいけどこっそり好きでいつづけたらいい。じぶんだけの好きをいっぱい溜めていこう。


2719:【せつないはわさび】
哀しいとせつないの違いって何だろう。たとえば、哀しいに「けど」をつけるとせつなくなる。哀しいを過去にするとせつなくなる。哀しいを客観視するとせつなくなるし、だからきっと哀しんでいるひとを見るとせつなくなる。致命傷にならない哀しいはせつない。せつないのはなんだかわさびのツーンに似ていて、ずっとつづくと苦しいけれど、たまにならお寿司につけて食べると美味しい。哀しいがわさびのツーンになるくらいに、お寿司みたいなよだれじゅくじゅくが見つかるといいな。


2720:【素直な日もある】
恒川光太郎さんの最新文庫本を買ってきました。だいすきな物語をつむいでくれる小説家さんのおひとりで、短編に関しては現在いくひしさんのなかではこの国最強のお方です。中田永一(乙一さん)や伊坂幸太郎さん、森見登美彦さんもたいへんすばらしい短編をつむいでくれますが、恒川光太郎さんはいくひしさんのなかでは別格の位置づけです。全部おもしろい。世界観が突飛なのに、この世のどこかに本当にあるような、誰かが本当に体験したような物の語りで、素人のように隙だらけのようで一分の隙もない達人のような文章、短編をつむがれます。まだ本は読み進めている途中ですが、一編一編、コーヒーのどりっぷを見詰めるように、味わうように読んでいます。たいへん楽しい時間です。うれしい、うれしい。小説っておもしろいな、と改めて思いださせてくれる小説家さんです。生きるのに飽きてきそうなときには本当にありがたいです。楽しい物語を届けてくださってありがとうございます。社会、すばらしいな。出版社さんや書店さん、物流さん、それら人々を支える各種業種の方々や、その家族、ご友人、或いはアイドルやスポーツ選手、ただそこに存在するだけでも社会の問題を可視化してくれる、死にたいくらいつらいのにそれでも日々をなんとか生きている人々、世のなかのすべての人に感謝したい気分です。なーんて口だけの感謝や素直な文章なんて、並べるだけなら簡単だな、命は尊いなんて殺人鬼だって言えるのに、くそくだらねぇ、と最後の最後で台無しにしてしまう本日のいくひしまんでした。(言うだけなら簡単なことですらふだんからサボっているなんて、いくひしさんはほとほと怠け者ですね)


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参照:いくひ誌。【1461~1470】https://kakuyomu.jp/users/stand_ant_complex/news/1177354054886462102

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