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いくひ誌。【2701~2710】

※日々、虚無を積みあげる。


2701:【音なしく】
雨の一粒一粒のなかに、それぞれに固有の別世界が広がっているとして、それは毎秒、毎瞬、舞い落ちながら誰にも知られることのない物語を膨らましつづけている。シトシト、ぱらぱら、てんてん、ざーざー、ぴちゅぴちゅ、カンカン、さちさち、どどど。無数の物語たちが弾けて消える。一粒一粒の奏でる、たった一度きりの消失の波紋、その音は、だからこんなにも私の世界に染みいるのかな。いつの日にか鳴るだろう、私のシズクの弾ける音は、いったいどんな音色がするのだろう。誰も聴かないから無音なのかな。


2702:【短気】
雨、聴いてる分は好きだけど、濡れるとマジムカつくな。


2703:【暢気】
ずぶ濡れになるといっそ清々しくなるよね。


2704:【素直な所感】
冒険譚が増えるなこりゃ。世界をぴょんぴょん飛びまわるんじゃ。岩の下に眠った魔物や、滝壺の底に沈んだ宝石、月明かりの木漏れ日にだけ現れる妖精たちの宴、風に紛れた異界への鍵穴、虹を食べる生きた砂嵐のなかには幻の城があり、永遠の命に縛られた人工生命体が、あらゆる人間の人生を、姿を変えながら、毎年一年ごとに寿命を終え、再誕することを繰りかえしている。きみはそんな世界で、オルゴールを探す。世界の音色を奏で、記述しつづけるオルゴールを。旅にでるのだ。深淵なる冒険の旅へ。


2705:【なんじゃろな】
いつもなのじゃが、いまじぶんが何に関心あるのかがよくわからん。たいがいのことには興味はないのじゃが、関心はある気がするんじゃよな。関心のないことってなんじゃろ。じぶんの抜け毛のゆくえとか?(けっこう気になるな)


2706:【流転】
人間の細胞でも、新陳代謝の激しい部位もあれば、そうでない部位もある。一生を通じてずっと機能しつづける細胞はちょっと考えにくいけれども、ないとは言い切れないはずだ。とはいえ、たいがいの細胞はそれを構成する水分や原子を、すくなからず新しいものと交換しているだろうから、そもそも呼吸がそういう機能として備わっているわけで、血管と面している部位は総じて物質が循環し、期間の長短はあれど、物質単位で入れ替わっていると言えそうだ。細胞は入れ替わらずとも、それを構成する物質は入れ替わり得る、と言えばよいかもしれない。じっさいのところがどうなのかは判らないが、そう仮定したとして、人間の細胞は数年でだいたいが入れ替わると聞くし、骨に至っては七年とかそこらで入れ替わるとも聞くので、ざっくり十年としよう。十年をかけて人体は、ちまちまとだいたい五~八十キロくらいにしておこうか、それくらいの細胞を入れ換えているわけだ。食べたものの大半は排泄物として体外に排出される。消化吸収されたものの一部が細胞に取りこまれ、あべこべに死滅した細胞が垢や尿や抜け毛となって自己以外の物質として切り離される。水分も例外ではない。水分は呼気や汗や鼻水、尿となって排出されるが、これも細胞の一部として考えられる。人体はおおよそ七割が水分らしいので、十年で細胞がすっかり入れ替わるから、では十年でひとは五~八十キロの垢を生みだしているのか、と考えれば、んー、これはちょっと早計に思える。ひとは毎日二リットルほどの水分を排出しているようなので、すくなくとも日々二キログラムが、自己と非自己に入れ替わっていると言えそうだ。じぶんだったものが体外へと切り離されたあと、いったいどのような道筋を辿り、変化し、流れていくのかは関心があるし、誰もがいちどは想像したことがあるはずだ。じぶんの身体を構成している原子のいくらかは、かつて誰かの身体を構成していた何かしらである確率はそう低くないと思われる。そもそもを言えば、身体を形作っている細胞は、食べ物からできているのだ。生き物の細胞だったものなのだ。我々現代人は、ほかの生き物に食べられる機会が減ってしまったが、それでも物質は消えることなく、大気や土のなかに回帰する。ときに虫たちに食べられ、或いは細かく散り、この世界へと紛れ、ほかの何かを構成する一部としてただそこかしこに在るのだろう。流れているのだ。繋がっているのだ。孤独なんてもってのほかだ。まったく以って、騒がしい。抜け毛一本を見てこういうことを妄想する。さびしいひとだなぁ、と思いましたか?


2707:【2019/04/20雑感】
不幸の手紙の拡散どころではない、と世界中がなったときに、経済的困窮者や、医療機関への支援や配慮が疎かにならないとよいな、とぼんやり思っている。いまさえ凌げればそれでいい、という問題ではないはずだ。差別問題や政府のあり方に関しては、これはもう教育の問題なので、いますぐにどうこうはできない(もちろん批判の自由はありますし、一定の効果はあるでしょう。ただ、順番としては政府を変えるのではなく、まず国民が変わっていくほうが民主主義国家としては順当なはずだ。教育と福祉はだからだいじなのだ)。また、不幸の手紙への心構えとして、「じぶんがすでに不幸の手紙をもらっていると思って行動しよう」というのは、短期的には効果があるが、そのスローガンが社会に普及すれば、必然、「じぶんは不幸の手紙をもらっているし、みなももらっている。何週間も経っているし、ならもう周囲に配慮する必要はないのでは?」となるのはしぜんな流れと言えるだろう。恐怖はしだいに薄れるが、危機感は対策が打たれるまでは継続される。恐怖ではなく、危機感を持ち、それに対する手段が身に着くように情報は発信していくほうが好ましい。危機感を持つとは、何が問題かを言語化できる状態のことだ。何が問題かを、まずは言葉にしてみよう。むろん、どうしようもない問題というのもある。そういうときでも、恐怖ではなく、危機感を手放さずにいれば、どうすれば危機を遠ざけられるか、と考える姿勢を保てるだろう。安全とは、放置できない危険が何で、どんな危険ならいまは放っておいてもよいかが判っている状態だ(もちろん判っているだけでは不十分で、対処できて初めて安全は確保される)。人間は生きていればいつでも死ぬリスクを背負っている。何を放っておくといまある環境を失ってしまうのかを考えながら、すこしずつでも判断していけるとよいですね。バタフライエフェクトは未だ拡大していくだろう、と妄想できますが、それでも必ず連鎖はどこかで途切れます。当たり前の話ですが、台風はいつまでも台風でいつづけることはできないのです。台風が台風のままでいられるようにと、息を吹き込み、外部からエネルギィをそそぎこむような真似を各国がしなければよいなぁ、と思って、眺めています。なんだか戦争でもないのに、戦争でも起こっているかのように錯覚してしまいそうな情勢ですね。これは戦争ではありません。騙されないように(流されないように)してほしいと思います。(あんぽんたんの戯言ですので、真に受けないように注意してください)


2708:【らしくない】
いまの時期にいくひしさんみたいに、SNS上でいつもと違った「らしくない文章」を並べたりしない作家さんは、さすがだなぁ、と感心します。じぶんの影響力をちゃんと推し量って、読者へ与える作用を想像できる作家さんは、好ましく映ります。それが正しいか否かは判りませんが、いくひしさんには好ましく映ります。さすがだなぁ、と思います。(他者への影響力を持つというのは、やっぱり不自由なのかもなぁ、とも思います。言い換えれば、いくひしさんの文章は極めて無責任なのであります。責任があろうがなかろうが、自由は自由ですが、責任感のある自由はとてもかっこよいと思います。プロはやっぱりかっこよいです)(熟練した物書きにとっての文章は、暗殺者のナイフと同じなのだ。殺されたことにも気づけない。無闇に振るってよい代物ではないのである)(んなこたない)(ナイフのほうがこわいに決まっとるやろ。ペンでお肉が切れますか? 剣はペンよりも危ないんや)


2709:【2020/04/21雑感】
交通安全のお守りを持って安心したところで、赤信号を無視して道路を渡れば危険なことには変わりない。かといって、赤信号で必ず止まるからといって、自動車を見るたびにびくびくしていたのでは自由な生活は送れない。安全と安心はセットなのだ。そして安全のない安心は、より危険側だ。まずは安全を確保し、安心を得る。この順番は崩していかないようにしていきたいと思います。安全も安心もどちらもだいじです。一方が欠けてはあまり意味がありません。ただし、優先すべきはまずは身の安全です。そこは履き違えないようにしておきたいですね。(中途半端な対策を打つことで危機感が薄れ、却って事故が誘発される、というのはこれは工場や工事現場などではまま見られる現象でしょう。対策を打てばいい、というものではないのです。ここは注意が必要ですね。ただし、仮り止めでもいいので、まず何かしら注意を促す看板をだしておく、というのは、予防線という意味では有効です。まずは考えつく範囲でよいので対策を打つ。余裕ができたら逐次、より安全側の対策へと修正していくことが長期にわたっての安全安心を得られる確率をあげる結果に繋がるのだと思います。ときには、打った対策を取り下げたり、撤回したり、なくしてしまうのも一つです。ルールはすくないほうが好ましく感じます)(飽くまで雑感です)


2710:【いまのきぶん】
いっぱいマンガ読みたい。シリーズを豪勢に、贅沢に、一気読みしたい。で、疲れてそのまま寝てしまいたい。なんの心配もなく、いつまでも寝過ごしてもよい、のきぶんでぐーぐーするのだ。起きたら朝からコーラなんか飲んじゃって。紅茶にトーストでもおーけーで。で、また豪勢に、贅沢に、マンガをシリーズ通して一気読みするのだ。でも三日つづけてはさすがになんだかなぁ、になりそうなので、ときどきじぶんで何かをつくるのだ。そんな生活できたらしあわせだろうなぁ。


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参照:いくひ誌。【2551~2560】https://kakuyomu.jp/users/stand_ant_complex/news/1177354054894415978

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