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いくひ誌。【2061~2070】

※日々、みんな仲良くすごしてほしい。


2061:【パラパラチャーハン師匠】
やあやあ、いくひしさんでござる。おひさしぶりでござるなぁ。いくひしさんはさいきん、水だし茶にハマっておってな。おうちにいるあいだは水だし茶ばっかりゴクゴクしているでござる。でもお外にでるときはセブンイレブンのフルーツオ・レを飲んでいるでござる。ホントは白桃オ・レが飲みたいのだけど、三店舗まわっても売ってないので、同じくらいおいちいフルーツオ・レを飲んでいるでござる。おいちい、おいちいでござる。そうそう、さいきん発見したでござるが、パラパラチャーハンをつくるコツはお塩でござるよ。油を熱々にしたら、そこにご飯を混ぜるでござるが、そのときにお塩をいっしょに入れて炒めるでござる。よくあるチャーハンのつくり方に、炒める前にご飯と卵をまぜまぜして、卵かけごはん状にしてからお鍋に投入するといいでござるよ、みたいな技があるでござるが、お塩の入れるタイミングさえ合っていれば、卵はいつ混ぜても変わらないでござる。いままでいくひしさんは、お塩は、ご飯と卵を炒め終わってからヒョーイしていたでござるが、お塩は、ご飯を炒めると同時がよいでござる。これだけであとはもう、油の量と火加減、ちゃんとお鍋を熱々にしているか、さえ間違わなければ、パラパラチャーハンはきみのものでござる。いくひしさんは極めてしまったでござる。これからはみなのものは、いくひしさんのことをパラパラチャーハン師匠と呼ぶでござる。よいでござるな。えいえい。さいきんは暑かったり、寒かったり、雷が鳴ったり、風がつよかったり、お天気さんがせわしないでござる。おちついて、おちついて、とお腹のあたりをドオドオってしてあげたくなるでござるけど、いくひしさんにはどうしてもお天気さんのお腹のあたりがどこなのかの見当がつかずに、困ってしまうでござる。とほほでござる。それはそれとして、とほほ、ってなんでござるか? とほほって、なんだかお間抜けな感じがするでござる。いくひしさんはぜったいに、とほほ、って言われたくないでござる。でもトロロご飯は好きでござる。だからきっと、とほほ、もご飯にかけたらおいしくなるでござる。熱々の油にヒョーイしたら、パラパラのとほほご飯になるかもしれないでござるな。そのときはちゃんとお塩の入れるタイミングを間違わないようにするでござるよ。パラパラチャーハン師匠との約束でござる。いまは朝の五時二十分でござるが、みなのものもよい一日をすごすでござるよ。これもパラパラチャーハン師匠との約束でござる。よいでござるな。よいでござるー。ではまたー、でござるー。


2062:【超短編18『テロルの木馬』】
気まぐれな風が頬を撫でる。昼時だというのに喫茶店は空いている。通りまで閑散としており、テラスでコーヒーをすすっていても雑踏の喧騒が聞こえてこないほどだ。「みんな警戒して外出を控えてるんですよ」「かってに人の心を読むな」睨みをきかせると、オレの向かいに座る女は、「誰かさんがなかなか仕事を引き受けてくれないから」ここぞとばかりの嫌味を口にする。「いまのところ報道管制が敷かれてますから、表向きはどの爆破テロも事故として報道されてますけど、そんなの信じてる国民はサンタクロースを夢見る少女くらいなものですよ。テロなんですよ。国際的に大問題の大事件ですよ。人命がかかっているのに、どうしてあなたはそう意固地なんですか」「テロだからだよ。ほかに理由があるか? 売られた喧嘩を買ったらやっこさんの思う壺じゃねぇか。相手にすんな。話題にすんな。こっそり、ひっそり、陰から葬れ」「それができればあなたにこうして頼んではいませんよ。首謀者が不明。声明をだしてるテロ組織は挙げつらねたらキリがなく、どれが本物の声明かを断定するだけでも対策本部はパンク寸前なんですよ」「人手が足りないからってとっくに引退した民間人にすがるんじゃねぇよ」「ですがこうしているいまもどこかで爆弾が」「要求に共通項はあんのかい」面倒なのでヒントをやった。女はポカンとしており、(つづきはこちら→https://kakuyomu.jp/works/1177354054881060371/episodes/1177354054889911411


2063:【それはなんで?】
商業作家にいまでもなりたくないというか、出版社とお近づきになりたいとはいっさい思わないいくひしさんであるが、さいきんすこし考え方が変わって、いっちょやってやっかな、という気になっている。文芸に手をだす前、ハマる前の、いくひしさんがかつて封印したはずの「××」がいくひしさんの奥底からポコポコと抜けだして、いくひしさんの身体の主導権を握ろうとしている様が、さいきんとみに、如実に感じられるようになってきている。いままでは抵抗してきたのだけれども、もういっかな、という気持ちに流されつつある。孤独ゴッコもいったん終わりになるかもしれない。やだなぁ。でもしょうがないのだ。いくひしさんにやる気をださせたのがわるい。怠け者のいくひしさんはいよいよ、屈伸をはじめ、めんどくさいなぁ、と肩を回しながら、おふとんに潜りこみ、まずはひとやすみひとやすみ、戦の前にたっぷりと英気を養うのである。


2064:【情報発信の段取り】
情報は、どう着飾るか、よりも、いつだすのか、のほうが重要だ。むろん、どこにだすのか、といった場所も欠かせない要素の一つである。情報をだすタイミングさえ的確であれば、どんな些細な情報であっても、雪崩を起こすように、或いは大木を伐採するときのように、社会の流れを任意の方向へ誘導できる。どこに石を落とせば、より大きな波紋を起こせるか。これは、場所よりもいつどのような順番で石を投げこむか、のほうが見極める価値があるといえる。ちいさな波紋であろうといくつか繰り返し発生させ、干渉させあえば、大きな波紋となって、水面全体をうねらせ得る。だいじなのはやはりというべきか、いつ、どのタイミングで情報をだすのか、である。小出しにするよりも大量に一気に発信したほうが人々への伝播という観点からすれば優位かもしれないが、情報によって何かの流れを変えたければむしろ、小出しにし、必要最小限の発信で、最大限の効果を期待したほうが、のちのちにまでわたって有利に事を進められるはずだ。誰に何を伝えたいのか。まずはそこを分析し、いつどのように発信すれば伝わるのかを考えておくのが、情報発信において、安全とリスク双方の面で効果を発揮するのではないか、と見立てているが、正しいか否かは、定かではない。いくひしさんはすくなくとも、そのことを意識して情報を発信している。タイミングによっては、大量に一気に発信することも必要だと考えているが、まだそうしたタイミングが巡ってきたためしはないようだ。


2065:【これからの社会におかれては】
手の内を見せても安全な策を構築すべきである。不透明さはリスクであると心得よ。裏から言えば、隠す素振りをみせずに隠し通す術が需要を高めていくと考えられる。透明すぎるものにも注意を払っておいて損はないだろう。


2066:【悪意への対処法】
要求のいっさいないテロに対して、社会は成す術がない。純粋な悪意には、それを上回る悪意で以ってねじ伏せる以外には、なされるがままに悪意を甘受する道しか残されてはいない。戦争とは、その悪意を受動するしかない道への抵抗であり、そうした反発心から引き起こる。そして、要求のいっさいないテロ、純粋な悪意は、戦争をこそ望んでいる。つまり、狙われたが最後、あとはもう損をすることが決まってしまっているのだ。だからこそ、狙われないようにすることがもっとも優先すべき防衛策なのだが、未だかつて社会はその域に到達することはできていないようだ。戦争のカタチが、純粋な暴力ではなくなっただけで、到る箇所で戦争は引き起こっている。それこそ、社会は大小さまざまなコミュニティに分かれ、規模の異なる戦争を無数に繰り広げている。どうすれば戦争を失くせるか、という命題はそもそも前提が間違っており、戦争は失くせないのだ。ただ、どのような戦争を残し、どういった方向へと収斂させるかは選べるようだ。純粋な悪意を誘導できるくらいに知恵をつけ、より勝算のある戦争へと誘いこむ。純粋な悪意が戦争を望んでいるのならば、勝っても負けても損をしない、斟酌せずに言えば得をするような罠を張っておくのが有効だ。戦争をしても損をしない土壌を築いておくこと。勝っても負けても得をする道をつくっておくこと。もっと言えば、純粋な悪意を手駒にできるくらいに柔軟な立場を築いておくことが、あらゆる奇禍の種を芽吹かせずに済む最善の方法と呼べそうだ。要約すれば政治とはつまるところ、そういうものなのかもしれない。


2067:【自己肯定感ゼロごっこ】
ひとにやさしく、努力ができ、賢く、人望の厚い、性格のよろしい、親孝行のできる、困ってるひとに手を差し伸べられる、頼られる、期待に応えられる、おしゃれで、うつくしく、フォロワー数のそこそこ多い、誰からも愛される、誰の足も引っ張らない、そういう人間でありたかったなぁ。人間でありたかったなぁ。でもいくひしさんはいくひしさんなのだなぁ。なんでだぁ。いやじゃー。いくひしさんはいくひしさんなんかきらいじゃー。うわーん。なーんて思ってないからクズなのだ。いくひしさんはいくひしさんだ。これ以上どうにもならん。開き直るとか、そういうことでなく、人の本質などそうそう変わらない。変わらないからこその本質だ。諦めるしかない。それを、受け入れる、と言い換えてもよい。


2068:【出版社だけの問題?】
出版不況や、コンテンツ業界の問題は、往々にして編集者の過失や怠慢であるかのように語られがちであるが、じっさいのところの要因は時代の変遷が大方を占めているし、心地よい環境から抜けだしたくないと欲する人間の根本的な性質によるものが大きい。だとすれば、むろん編集者だけでなく、営業や経営陣を含めた大多数の業界関係者は無関係ではなくなるし、商業作家とて例外ではなくなるのが道理だ。いったいプロの作家たちはこれまで何をしてきたのだろう。果たして何をしようとしてきたのだろう。作家仲間で飲み会をひらき、業界のわるぐちを言いあって鬱憤を晴らし、あとはなるようになれ、とその場任せの創作に時間をそそいできたのだろうか。常識とは名ばかりの自己保身から、出版社へ異論を投げかけることなく、なあなあのまま、業界が縮小していく様を眺めてきたのが大半なのではないのか。違うなら違うと言ってほしい。声をあげて、私たち僕たちはこれこれこのように尽力してきた、時代の変遷に負けないように仕組みを変えようとしてきたのだ、と目に見えるカタチで示してほしい。ハッキリ言ってしまえば、いま本を読まれないのは、読まれるような本をだしてこなかった作家の責任でもある。出版社に尻尾を振って、言いなりになっているようにしか見えない。無闇に反発すればいいというわけではないにしろ、せめて「こうしたほうがいい」と案をだすくらいのことは日常的に発信したらどうなのか。読者から見えない場所で、こっそり貢献してますよ、といった一見かっこうのよろしい姿勢を語る作家もでてくるだろう。しかしその効果がいかほどに現れているのか、といまいちど考えなおしてみるとよい。あなたにしかできない貢献があるのかもしれない。しかし、誰にでもできる貢献だってあるはずだ。それをまずはあなたが実践し、世に示し、それをして本当の意味でのフォロワーを増やしていくことが本を生業としたコミュニティの活性化につながるのではないか。そうした行動こそが、回り回って、本の価値そのものをあげるのではないか。いまそれを実践しているのは、一部の熱心な(単なる)読書好きであり、ユーチューバーだろう。プロが果たして何をしているというのか。まるで見えてこないのですが、それはいつものように、見ようとしていないいくひしさんの問題なのだろうか。もちろん、それもあるだろう。否定はしない。しかし、それだけとも思えないのだが、あなた方はこれからどうするつもりでおられるか? ぜひとも商業作家、プロを標榜している方々に伺ってみたいものである。


2069:【ぶーめらん】
はぁ? いくひしさん、あんたがそれ言います? 何もしてないあなたがそれ言っちゃいます? 言える立場ですか? はぁ? 他人の足を引っ張ることに躍起になってるいまのあなたに、業界どうのこうのと言う資格はないですよ、いっぺんプロの爪の垢でも煎じてバケツ百杯くらい飲ませてもらったらどうですか。クズもほどほどにしとくことですね。


2070:【じぶんのことでいっぱいいっぱい】
みんな仲良く過ごしてほしいなぁ。仲良しこよしでなくてよいから、険悪にはならないでほしい。それぞれに守りたいものがあって、優先している条件があって、それはほかの個人やコミュニティとは相容れない場合もあるかもしれないけれども、そこはなんとか折り合いをつけてほしいなぁ。強いほうが、弱いほうに譲ってあげる。強さとは、その余裕のことだと思うのだけれども、世のなか、なかなか強いひとには出会えないのだなぁ。孤独ないくひしさんには関係のないことではあるけれど、なかなかどうして殺伐としているのだなぁ。


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参照:いくひ誌。【1361~1370】https://kakuyomu.jp/users/stand_ant_complex/news/1177354054886112922

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