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いくひ誌。【1691~1700】

※日々、理想ばかりが増えていく。


1691:【出力を抑える】
いったんあげた出力を元に戻すのはなかなかむつかしい。潜水艦のなかに水が流れこみ、いそいでハッチを閉めようとしても、押し寄せる水を押しのけるのがむつかしいのと似ている。いっそのこと水が枯渇するまで放水してしまったほうが楽かもしれない。ダムだって、水が溜まっていなければ、壁にかかる負荷はすくない。さいきん、身体に負荷をかけすぎている気がする。いちどあげた出力を抑え込めずに、楽しいからと八割以上のチカラをだそうとしてしまっているのかもしれない。六割でいい。そのほうが客観的に見る分にも洗練されている。音を立てないように動くくらいの意識を配りながら全身のチカラを制御できると好ましい。身体に触れている空気を感じ、動くたびに流れる空気のゆらぎすら感じとれるくらいに意識を散漫とさせていたほうが、よりメリハリのある動きになる。それを集中していると言い換えても矛盾はしないが、チカラの赴くままに暴れるほうが集中力を有する。内側と外側、どちらに意識を向けているのかの違いだ。主観と客観、どちらに重きを置くのかの違いとも呼べる。ひるがえっては、外側を意識するためには、より内側が確固とした芯になっていなければならないのかもしれない。より遠くへチカラを伝えるためには、激しい遠心力にも耐え得る軸がないといけないのと同じように。



1692:【本物と偽物はどちらが上?】
いいと思ったものはいいのだ。本物だろうが偽物だろうが、その対象の属性にかかわらず、いいと思ったら、それはあなたにとってはいいものなのだ。何かを間違ったときは正せばよいが、何かをいいと思う気持ちは正す必要がない。たとえ殺人を、いいなぁ、と思っても、それを咎めることも、矯正することもできないし、すべきではない。ただし、殺人は、常識的、倫理的、社会的に間違っている。法律でそう規定されているし、人類の歴史は、多くの事実と理屈を駆使して、殺人はよくない行為だとの答えを導きだしてきた。いまのところどうやらそれは確からしい、と社会秩序を優先する現代では定説としてまかりとおっている。だからといって、その定説を用いて、あなたの、いいなぁ、と思う気持ちを変えることはできないし、変える道理もない。いいと思ったものはいいのだ。それを行動に移すかどうかは別問題である以上、思うだけならいくらでも、いいなぁ、と感じるものを、いいなぁ、と感じればよい。あなたにとっての、いいなぁ、が増えていけば増えていくほど、あなたの人生は豊かなものとなっていくはずだ。わざわざ、その対象の属性や他者の評価で、あなたの、いいなぁ、をやせ衰えさせずともよい。本物という属性が好き、たくさん評価されているものが好き、そういう基準もあってよい。ただし、本物とは何か、を考えていたほうがより本物を好きになれるだろうし、いつの時点での評価なのか、とさきを見通す習慣をつけていれば、より多く評価されるものを見つけだせるようになるだろう。いずれにせよ、何かをいいなと判断することくらいは、自分の感性を頼るようにしたほうが、より豊潤な、いいね、を抱けるようになるのではないだろうか。


1693:【人間のように泣いたのか?】
森博嗣さん著の小説「人間のように泣いたのか?」を読みました。初めて森博嗣さんに嫉妬したかもしれません。こういう寄せ方もできるのか、と職人の手捌きに惚れ惚れしました。ウォーカロンという人造人間が社会に普及した未来の話で、今作がシリーズ最終作でした。シリーズ通してもっともおもしろい巻だったと思います。もちろん、これまでの積み重ねがあってこそだとは思うのですが、単話として読んだとしてもこのおもしろさは無類な気がします。無類でした。主人公とヒロインの人間関係と、ウォーカロン企業の暗躍、諜報機関(人工知能)同士の攻防、トランスファ(ネット生命体?)というバランサーの介入、それぞれがそれぞれになんともミスマッチに繋がっては、コロコロと物語を転がしていきます。主人公、ハギリ博士は最終的に、人工知能でも演算不可能なイレギュラーな存在として描かれていきます。要約すれば、ハギリ博士を排除することで円滑な未来を構築していこうとする勢力と、イレギュラーな要素こそ保護すべしと博士を援護する勢力のこれは物語なのかな、と咀嚼しきれていない現時点ではそのように解釈しています。また、ハギリ博士がなぜイレギュラーな存在かというと、その周囲の人物たちとの関係によって、つど考え方に矛盾をきたし、それをそのまま放っておこうとする(許容する)姿勢が反映されているようにも思えます。その矛盾は最終的には、ヒロインへの恋愛感情(恋煩い)へと昇華されるわけですが、生殖のできないその社会にあって、人間の本能から離れていくばかりに思えた未来において、究極のところは、人間を人間足らしめるものが、生物学的な本能によってもたらされる自己矛盾なのではないか、と思わせるところに、作者のひねくれ加減が感じられるようです。もちろん錯覚にはちがいないのですが、いっそうおもしろく感じました。物語をエンタメに寄せるかぎり、そもそもを言えば、人間の本能、とりわけ三大欲求を排して読者を満足させるのはむつかしく、エンタメを極めんがために、知的欲求のみならず、性的な要素を、つまり恋愛要素を物語の着地点に持ってくることの潔さに、職人魂を見た気がします。御見それいたしました。まいりました。くやしいです。ふぁっきゅー。


1694:【どれくらい同じ?】
卵子への核移植によって生みだされるクローンはどれくらいオリジナルの素体と遺伝子的に同じなのだろう。一卵性双生児並に同じなのだろうか。とはいえ、一卵性双生児であっても、遺伝子情報(ヒトゲノム)には無視できないレベルでの差異がある(そんなことを言いだしたら、ひとつの人体であっても癌細胞など、細胞ごとに、そこに組み込まれている遺伝子には差異があるのだろうけれど)。まったく同じ遺伝子情報を持った、まさしく分身というレベルでのクローンは、核移植によるクローン作製技術では再現できないのではないだろうか。詳しく知りたいので、もうすこし時間をかけて情報を集めていこうと思います。


1695:【かぼちゃ】
ジャガイモの代わりにカボチャをカレーに入れると美味くないですか? こんばんわ、いくひしです。やー、さいきんはとくになんもないです。じゃあその前は何かあったのかとお気になさっているそこのあなた。なんもなかったです。そう、いくひしさん、年がら年中なんにもなっしんぐ。万年孤独ウェルカムマンにして、万年なんにもなっしんぐまんでもあるのでございますよ。なんもなーい。とくべつなことがなんもなーい。なんもないことをネタにできるくらいに、なんもないです。いっそ、なんもないがありすぎて困ってるっていうね。自慢すんなって? ごめん、ごめん。あーでも、ほんとそー。みんなにも分けてあげたい、このなにもなさ。誰からも認められず、承認されず、ちやほらされず、ちらちらもされず、見向きもされず、どこにも去れず、ただ毎日こうしてここで、なにもない日々とにらみ合っている。いっそそのまま見詰め合って、暗がりで、ラブリーにランデブーなタイムを送りたい。もう何度目かになるか分かりませんがね、ええ、これね、この「いくひ誌。」はね、いくひしさんが人類の滅亡したあとで流してるラジオじみて、いつかきっと見つけてくれるあなたに残す生きた証なのでございますよ。孤独でも生きていけるさ、なんじゃらほい。あんなふうにはなりたくないと思ってもらってもけっこうですとも。反面教師になれたらなれたで、いいじゃないの。何者でもないいくひしさんが、いつかあなたの何かになれたらこんなうれしいことはない。でも、ひょっとしたら、すでに誰かに見つかっていて、こっそり観察されているかも分からない。そんなことってある? 人類滅んじゃったよーって、すっかり諦めて、絶望して、それでもなんとか前向きに逆走しているいくひしさんを、大気圏外からこっそり双眼鏡を覗き見ている宇宙人みたいな人がいるなんて、そんなことってある? ない? ある? ないの!? あるって言ってー、っていうね。ときどきそう思ってないとこんなネットの海の底の片隅で、まいにち駄文をたぶんに並べてなんていられませんからね。やーでも、ホント、このままなにもないままに人生が終わっていくのか、閉じていくのか、いったいいくひしを描いてる作者はなにやってんだか、こんな駄作なんて読みたかないよ、と思いながら、作者の思惑通りに進むのはもっとヤだけどな、と天に向かって唾を吐くいくひしさんは、きょうもきょうとて、なにもない日々を送っていく。なんて贅沢な人生だらう。なにもないっていいじゃんね。何を描いてもいいみたいな白紙みたいな鷹揚さがあるじゃんか。このままなにもない日々がずっとつづけばいいのにな、と思いながら、ある日突然何かがあって、いくひしさんの日々が崩れてしまうのだろうなぁ、と想像してはビビりまくりのヒヨドリちゃん、おふとんにくるまって、身体のどこもはみ出ないようにしながら、おばけなんてないさを歌いつつ、きょうも安らかに寝ようと思ういくひしです。このままずっと寝てたいなぁ。起きてるあいだは、寝たくないなぁ、と思ってるのに薄情なやつだ。現実では益体なしでも、夢のなかでは自由自在。王さま気取りの厚顔無恥な傲慢無地、白紙のごとくいくひしまんの、つれづれなるままに、でした。タイトルでカボチャって並べちゃったけど、本文まったく関係なかった、ついでに言うと、ホットケーキにカボチャ入れたやつも美味しいです。


1696:【欲しけりゃくれてやる】
いくひしはこっそりYOUTUBEに動画を投稿しています。全部でえっといくつだっけ。見てきますね。見てきました。全部で35コの動画をあげています。文芸よりも宣伝していませんし、動画にタグもつけていません。それでも観てくれる方はいるものですね。動画再生数は多い動画で5000ちょい、高評価の数は150とかそんなで、売れないユーチューバーよりも数字は低いのですが、それなりにコツコツ投稿しています。で、さいきんここ二か月ですかね。きゅうにチャンネル登録者数が伸びまして。いま10月で、5月から新しい動画はあげていなかったのですが、それでも10人ぐらい増えました。現時点で50人のチャンネル登録者さんがいらっしゃいます。ありがたいことです。で、なんでかなーと思いまして。だって宣伝してないですし、新しい動画もあげていない。となると、考えられるのは、YOUTUBEのほうで、ユーザーへの導線が新しく整備されたのかな、というのが一つありそうです。ユーザーの視聴した動画を分析して、この人ならこの動画好きやろー、というのが以前にも増して精度が高くなったのかな、ということで。ないですか? いくひしは文芸の世界でも、この検索力の向上を期待しています。この人ならこの物語好きやろー、というのを、WEBサービスでもやってくれないかなぁ、と高みの見物気分で思っています。完全なる他力本願ではありますが、すこしだけ期待しています。これは数年前から考えていたことではありますが。そうなったらいいなぁ、という願望でしかないので、できることはじぶんでしていかなければな、と思っております。宣伝とかセルフブランディングとか、あーだこーだ、めんどっち。げふん、げふん。気づけば「note(https://note.mu/ikubisiman)」のほうでも読んでくださっている方がちょこっとだけ増えてきたかな、という印象があります。以前からお読みくださっていた方も、新しく読みはじめてくださっている方も、本当にありがとうございます。貴重なお時間をちょうだいしてしまい、心苦しい反面、うれしく思っております。やったー。うれしー。たまには謙虚な姿勢も見せておかないと、傲慢さが際立たないので、つつましいいくひしさんにも登場してもらいましたが、もうどっかいきました。いくひしまんのまんは傲慢のまんでござるよ。幸運の女神には前髪しかないとか、チャンスは二度戸を叩かないとか、そんな箴言のたゆたうインターネット上ではありますが、いくひしは思うのであります。俺こそがチャンスだ、と。掴むのはいくひしの役目ではありません。なーんて傲慢さに磨きをかけて、きょうは尻つぼみに、おやすみなさい。


1697:【していません】
お仕事は募集していません。働きたくないです。


1698:【坂道と太もも】
いくひしはじぶんの体調の変化を正確に把握できないので、ときどき赤信号に気づかずにそのままぐったりモードに入ってしまうことがあります。よくない、よくない。なので、目安として、坂道をのぼるときの疲れ具合でその日の体調をはかります。自転車を押して上り坂をのぼるわけですが、じんわり汗を掻いたり、はぁはぁ、息があがったり、立ち止まりたくなったら、その日はお疲れ気味と判断します。あとは太ももの感じが、細くなっている気がするときは、たいがい、体力が落ちているときです。張っている感じがあるくらいのほうが疲れないようです。油分の多い食べ物を食べると回復するので、そういうときは意識して摂るようにしています。あとはなんじゃろ。基本、目覚めがわるいので、眠い、眠くないは、あまり基準としては活かせないです。なんだったら、ちょっと退屈したり、興味ないことを我慢するだけでも眠くなるので、これは体調とは関係ないな、と切り捨てています。あと、読書! 目が滑るときはもうこれ、完全に思考力がダメになっているときです。でもダメになっているときのほうがおもしろい文章を並べたりしているので、いちがいにダメだなぁ、とはならないです。本が読めないくらい脳みそが疲れているときのほうが、ぶっとんだ物語を編んでいたりするので、個人的には、朦朧としながら、何を並べているのかも定かではない状態で、なんとなーく、つくっているときのほうが、絶好調と言えそうです。と、いうよりも、何をつくるのかが明確なときほど、それって物語にする必要ある?となってしまいます。何をつくりたいのか、が明確なら、そもそも物語にする必要はなく、文章にして、言いたいことを言ってしまったほうがよくないですか? 同じ理由で、プロットに落としこめるような物語はつくりたくなくなってしまいます。いくひしがプロの小説家になれない要因の一つだと思います。プロはきっと、最初から建築みたいに設計図に落としこんでからつくっているのだろうな、と想像します。プロですから、発注元からの要望も、ボツの指示ですら従っていることでしょう。プロですから。いくひしはそういうつくり方ができません。プロはたいへんです。見習えるものなら見習いたいのですが、そう簡単に見習えたら苦労はないのです。いくひしは一生アマチュアがいいなぁ。自転車を押して坂道をのぼるとき、じぶんの住まう街並みをうえから眺めながら、そんなことを考える、いくひしまんでした。


1699:【雨とセーター】
きょうは帰りに雨が降っていました。いくひしさんは自転車に乗っておりますから、傘を差せません。いちおう、夜に雨が降るよーって予報を見ていたので、合羽をリュックにぎゅっぎゅっと詰め込んでおりましたが、えーい、このくらいの小雨に怖気づくとはなにごとぞ、とばかりにそのまま突っ切っていくことにしました。で、いくひしさん、きょうはセーターを着ておりまして。こりゃ家に着くころにはびしゃびしゃかなぁ、と覚悟を決めておったのですが、三毛猫の逆上がり、なんとセーターは水を弾くではありませんか。やー、まさに机から青狸。思えば、そもそもセーターの元はヤギやらなんやらの体毛でござって、そりゃ雨風につよくなくてはやっていけんでしょう。なんてちっこい発見にわーい、と思いながら家に着いてセーターを干して、洗濯機をまわし、オムソバをつくってたいらげて、洗濯物を干し、未完成のショートショートとにらめっこし、そういえばきょうは絶不調だったなぁ、と数時間前のじぶんを省みて、こういう日もあるさと慰めて、どんどんそんな日が多くなっていくんだろうなって悲観して、人生の成功とは?と哲学して、あっという間に日付けが変わって、きょうの「いくひ誌。」を更新してなかったと思いだし、なんでこんなものをまいにち並べてるのか分からなくなり、来年からすこしやめようと思いつつ、楽しいことだけしていたいなと漠然と考えては、楽しいことはまいにちちょっとずつ変わっていくのだなぁ、とちっこい発見に、そうな、そうな、とうなづいて、きょうのいくひしは、あしたがんばればいいや、と思って、現実逃避にいそしむのであった。


1700:【あっぷあっぷ】
毎日連載ショートショートがついに93話目に入りました。さいきんでは一話さいていでも3000文字というのがふつうになってきてしまい、いくひしの日の上限を超えることが多くなってきて、あっぷあっぷしています。きょうは1時半に起きてまず8400文字を並べました(それからまた寝ましたが)。つくりかけのものが5つあるので、きょうはきのうとおとといの分を閉じてしまおうと思います。あと6000文字を並べれば、終わるかな、と見積もっています。だいたい1時間半あれば終わる予定ですが、合間、合間に休憩を入れると思いますので、トータルでは4時間はかかるかな、と思います。まずは100話までとはじめた毎日更新ショートショートですが、あと残り7日、今週で終わりそうです。いったん飽きたのですが、いまはまたちょっと楽しくなってきたので、ざんねんですが、そろそろつくりかけの中編を閉じてしまいたい時期なので、100話をひとつの区切りにしたいと思います。現在、93話目にして34万字の分量が溜まっています。すでに63話までは電子書籍化してあります。じつはまだきちんと推敲をしていないので、誤字脱字が溢れているはずです。将来的には、こうした不完全な原稿のほうが価値がでると考えていますから、電子書籍版のほうは随時推敲した時点で更新していきますが、noteのほうではそのままにしておこうと思います。きのうはついついこの「いくひ誌。」を更新するのを忘れてしまったので、きょうの分はまた夜に更新しようと思います。ノルマを破ってしまっているので、なんとか持ち直したいとあっぷあっぷしております。日に3万字くらいならなんとかつむげますが、その反動がどこかにきますから、なるべくその10分の1、3000文字を目安に物語をつむいでいきたいと思います。それでも年間、109万文字以上をつむげる計算になります。10万字の長編なら10作つくれる分量です。きっとプロはこの倍はつくっているはずです。ということは、世の商業作家は、つくった小説のほとんどがボツになっていることになります。せちがらい世の中ですね。もったいないことです。これは皮肉ではなく、本当にそう思っています。いくひしがプロになりたくない理由の1つです。さいきんのいくひしさんは、プロになりたくない、なりたくない、言いすぎかと思いますが、こうでも言っておかないと業界の方々に無駄な時間をとらせてしまうことがあるかも分かりません。ときどきは、強調しておいてお互いに損はないように思います。いくひしはプロにはなりたくありません。(なれないだけだろ、とのご意見、まことに正鵠を射っていると思います。とくに反論はございません)


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参照:いくひ誌。【1211~1220】https://kakuyomu.jp/users/stand_ant_complex/news/1177354054885430688

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