※日々いっぽうてきにすきになる、知られることなく消えていくのに。
1501:【短編のつくり方4】
きょうも書くことがないので、ショートショートをつくる過程を追っていきたいと思います。きょうのテーマはファンタジィです。いちばん何でもありのジャンルですね。小説は基本的にだいたいファンタジィ要素が含まれています。あり得ないことはぜんぶファンタジィです。合理的な理屈がつけば、ミステリィやSFとなり、そうでなければほかのジャンルへと変化していきます。では純粋なファンタジィとは何かといえば、ふしぎなことをふしぎなままで受け入れていく過程を描いているか否か、だといくひしは考えています。ふしぎなことを受け入れるのが読者なのか、それとも物語のなかのキャラクターなのかによって、ローファンタジィやハイファンタジィのような区分けがでてくるのでしょう。おもしろい小説であれば、どちらでもよいことです。いくひしは、おもしろい小説が好きなのであって、小説そのものはむしろ好きではないのです(以前から書いていることですが)。さて、まずはファンタジィの基盤となる舞台設定を考えましょう。きょうはショートショートなので、そこまで複雑な舞台設定は使いません。日常になんかきゅうにドラゴンがあらわれた、みたいなそんな突拍子のない世界観にしたいと思います。何がいいでしょうか? ちなみに、この突然介入してくる異物を変えるだけで、SFにもミステリィにもホラーにもなります。異物が恋愛対象ならそのままラブストーリィになりますし、じぶんからその異物へと突っこんでいくのならば、スポコンやアドベンチャーになります。きょうは、王道を意識して、妖精にしましょうか。舞台は現代社会で、そこに異物である妖精が現れる。主人公は誰でもいいです。きょうはでは、オジさんにしましょう。オジさんが妖精と出会い、なんかして、どうかして、オチへ、といった構成にします。ショートショートなので展開は、多くても三回にしましょう。では、本編をつくりたいと思います。以下本編。『薄汚い人形を拾った。下の階のガキンチョのオモチャだろう。洗って帰してやれば、美人の母親からすこしは感謝されるかもしれない。中年の独身だからといって、会うたびに警戒されていてはいい迷惑だ。風呂に入りながら、オモチャを洗った。さいきんの人形はよくできている。感触といい、精巧さといい、リアルすぎて、気色わるいくらいだ。安くはない代物だろう。盗んだと思われるのは癪だので、きょうのうちに返してしまおう。つよくゆびでこするようにすると、「い、いたい」人形がしゃべった。否、そういう機能がついているのだ。なかなかよくできている。股間はどうなのか、とゲスな興味が湧いた。服を脱がせようと、爪を立てると、「や、めて」また人形が声を発した。(つづきはこちら→
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881060371/episodes/1177354054886642318)』はい。つくってみましたが、いかがでしょう(推敲はあとでします)。なんか、俺たちの旅はこれからだ、みたいになってしまいました。失敗ですかね。オジさんが妖精と出会って、までが決定事項でした。つぎに、妖精とオジさんの関係性をどうするのか、で物語の方向性を決めていくのですが、今回は、妖精がオジさんを気に入って、別れられないようにする、という方向に持っていくことにしたので、それじゃあ、オジさんにも妖精になってもらおうか、となり、こういったオチになりました。妖精になるにはどうするの? といった過程が悩みどころですけども、ショートショートなので、あまり凝った設定はつくれないので、さらっと、そういう生態です、と流す方向に寄せました。伏線というほどでもないのですが、前半で交わした会話を、後半でも使い、流れを整えて、今回はさらっと物語を閉じてみたのですが、ストーリィそのものは、「オジさんが妖精を拾い、一晩経ったら妖精にされていた話」となるので、大部分が無駄な描写ということになるでしょう。短くしようとすれば、いくらでも短くできます。妖精がオジさんを気に入っていなければこれはホラーにもなったでしょう。今回は、キャラものにしたかったので、掛け合いを多くしました。じつは、これを並べる前に、「おばぁさんとドラゴン」の話(
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881060371/episodes/1177354054886642186)を並べてみたのですが、単品で5000字を超えてしまったので、新しくこちらをつくりました。短く収めるのが苦手なので、練習していこうと思います。ちなみに、先週からはじめたツイター投稿用のショートショートは、まいにち2~3個ずつ、つくっているので、いまは17作(22000字)まで溜まっています。手分けをしてつくっているので、いくひし自体は楽をしています。指示するだけなので、そろそろみなさんの堪忍袋の緒が切れる頃合いではないかと危惧しています。という設定です。じつは異世界のじぶんたちと交信できている、とすればSFですし、分裂している、とすれば若干ホラーです、記憶喪失の人物を洗脳して「いくひし」と名乗らせているのならばミステリィですし、手足の不自由な恋人のために代筆しているひとの話ならラブストーリィになります。ショートショートのネタはいくらでも思いつきます。やはり、おもしろい長編をつくれるか否かが、作家としての力量をいちばん解りやすく示す試金石になるのではないでしょうか。機会があれば、長編のつくり方も並べていこうと思います。
1502:【天才】
小説の天才って、たぶん、いまこの瞬間にもどこかにいると思うんです。まいにち十万字をつむげるくらいの言葉に溢れていて、日によってはショートショートを百個以上つむいでしまう、しかもそのどれもが斬新で、どこかなつかしく、おもしろい、そういった異端がこの瞬間に、誰にもその存在を知られることなく、物語を編みつづけているような気がしています。これは予感というよりも、いるぞ、といった確信にちかいです。このさきどれだけがんばっても、いくひしには、その天才を越えることも、近づくこともできません。延々と距離を離されていくばかりです。それに比べたら、ほかの小説家との差なんて、あってなきがごとくです。そうやっていくひしは、居もしない天才をあたまのなかにでっちあげて、ぱっとしないじぶんを慰めているのか、と問われるとすこし困ってしまいます。否定するのがむつかしい割に、ではそうなのか、と言われると、頷くのも違う気がするのです。でっちあげているわけではなく、本当に、どこかにいると思っています。いるんです。小説の天才が、いま、この瞬間に。でも、それはけっしていくひしではないですし、いくひしの知る小説家でもありません。ざんねんながら、まだ、誰の目にも触れていない、発掘されていない、天才のつむぐ物語があるのです。それがただただざんねんでなりません。その天才だけは、小説創作AIが誕生しても淘汰されず、あべこべに、小説AIの性能を高めるために利用されるくらいに、類のみない、人類の価値感を、既成概念を、世界観をいっぺんさせるほどの物語をつむぐのです。ぜひ、発掘して、いくひしの目に触れる場所に、手の届くカタチで、天才の物語を送り届けてほしいです。それは誰にでもできることです。じぶんの感性を恥じる必要はありません。いいものはいい。たとえほかの誰がなんと言おうと、あなたの感性はあなたのものです。じぶんの、すき、をだいじにしてください。もちろん、だいじだからこそ、おいそれと外部に漏らさない、という気持ちも理解できます。いくひしも、どちらかといえば、そういうふうに考えることが多いです。本当にたいせつな気持ちだからこそ、じぶんだけのものにしておきたい、誰にも聞かせたくない、そとにだしたくない、言葉にすらしたくない。尊い考えだと思います。ですが、敢えて言いましょう。いくひしは読みたいのです。天才のつむぐ物語を。いまこの瞬間に見逃されつづけている無類な世界を。みなで探しましょう。この世のどこかにひそんでいる、本当の天才を。たのしさを独占せず、分かち合うのです。
1503:【鼻つまめ】
見て見てー! マンちゃんがなんか臭いことゆってるー!
1504:【noteノート】
新しく、「noteノート(
https://note.mu/ikubisiman)」というサービスを利用しはじめました。SNSのような、ブログのような、そういうサービスです。ツイッター(
https://twitter.com/Man_is_IBUKI)に投稿したSSをテキストで載せていきたいと思います。ほかの小説置き場には載せていません。最新作はツイッターになります。一週間遅れで「noteノート」のほうに更新するといった方針です。ひとまず現在は、「カクヨム」「pixivFAN」「ツイッター1」「ツイッター2」「インスタグラム」と5つのアカウントをまいにち、何かしら管理しています。そこに電子書籍のKDPが加わるので、すこしばかり、ごちゃごちゃしてきたなーといった感想を覚えます。いずれどれか一つにまとめたいのですが、5年後10年後と、いったいどのサービスが生き残るでしょう。いくひしの想像では、どれも廃れて、新しいサービスが流行りはじめているだろうな、と見込んでいます。サービスとは基本的にそういうものですから、そう構えていたほうが、時代の流れを見逃さずに済むでしょう。時代の流れに乗ることにどれほどの価値があるかは定かではありませんが。この「いくひ誌。」は、「カクヨム」と「pixivFAN」にて、引きつづき掲載していきます。繰りかえしになりますが、「noteノート」ではSSのみの投稿となります。反響の度合いによって、利用するサービスの使用率や投稿内容を変更していこうと思います。かといって、じぶんルールを逸脱することはないでしょう。必要以上にPRに走るようになったら、いくひしが物書きをやめようとしている証拠ですから、そのときは、ああくるときがきたのだな、と節目の物書きの行動として観察しておくと、すこしばかし面白いのではないかな、と思うのですが、いかがでしょう。ひとまず、可能なかぎり知名度をあげずに、読者のもとに物語を届けるにはどうすればいいのか、をあと半年は実験的にやっていこうと思います。小説をつくるだけでなく、物語を編む者としてできることをやっていきます。やらずに済むならやりたくないけれど。
1505:【まとめ役】
いろんな個人向け情報発信サービスがあるなかで、毎日なにかしらの成果物を更新している人間は日に日に増加傾向にある。毎日なにかを律儀に発信していても、他人との差別化には繋がらない世のなかになってきている。一つの策として、じぶんがそれら無数のコンテンツのなかから、魅力的なアカウントをピックアップし、更新履歴を日々一覧にしてまとめあげる作業は需要があるように感じる。ツイッターにリンクつきでそれらをツイートするだけでもかなりの需要があるのではないか。ひとむかし前に流行ったまとめサイトのようなものだ。ツイッターなら、おもしろいWEB漫画の「更新しましたよー」のつぶやきをリツイートしてまとめあげるだけでも充分に思える。また、「note」や「カクヨム」「小説家になろう」などのほかのサービスでも同様だ。埋没しているがおもしろい作品や、更新頻度の多い注目作品などを一覧にして見られるアカウントがあると便利に思うが、すでにそういったアカウントがあるのだろうか? バズったツイートを拾いあげているアカウントは比較的よく見かけるが、付加価値の高い情報をまとめているアカウントはなかなか見受けられない。この場合の付加価値とは、多くの人間の目に留まっていない有意義な情報、という意味である。もちろん、人によって何を有意義に感じるかはそれぞれだ。ゆえに、ある種の一貫性を以って、情報を集める必要性がある。文字を並べていて思ったが、なかなかいい案ではなかろうか(単純な、誰でも思いつきそうな案なのに、実行している人間がすくないのがまたよい)。いくひしのツイッターアカウント(
https://twitter.com/ant_stand)でも導入してみようと思う。
1506:【本音を隠す理由は?】
前項のような考えを並べると、いくひしの人間性が疑われる確率があがる。アイツはあんな打算的な考えで行動しているのか、と捉えられるわけだが、いくひしからすれば、みな、同じような損得勘定で動いているのではありませんか、と反論の一つも言いたくなる。まるで自分たちはそんな打算など働かせていないかのように振る舞い、本音を隠すでもなく、自身の自家撞着を見て見ぬ振りをする人間が多すぎるのではないですか、といくひしは言いたいが、言わないところがじつに謙虚で、いくひしの愛すべき器のでかさが窺える。世のなかには、自分の行動原理すら分析しようとしない人間がすくなくない。否、他人の行動原理を知った口で叩きながら、自身の行動原理からは目を逸らしている人間が思いのほか多いのだ。いくひしの周りにいる人間のほとんど九割はそういう人間である。人間とはそういうものだ、と言ってしまってもいいのかもしれない。つまるところ、いくひしもまた、自身の行動原理の本質的な部分からは目を逸らしているのだろう。あいにくと否定するだけの素材を持ち合わせていない。とはいえ、可能なかぎりは、いくひしは自身の行動原理を分析し、それを文章にして見えるカタチで発信している。他人の時間を奪う小説家として、読者にはフェアでありたいからだ。純度百パーセントの善意など存在しない。善意とは、とどのつまり、その中心に、自己愛がなくてはならない、と言い換えてもいい。じぶんのためにならない善意など、狂気だと言っていい。ゆえに、愛とは狂気だと言ってしまってもこの場合はそうそう的を外してはいないだろう。もっとも、狂気がおしなべて愛であるわけではないが。ややこしい言い方になっていますか? いずれにせよ、いくひしはじぶんの利益にならないことはいっさいしない。実験的に、損を見越して実行することはあるが、得をしないと判れば、すぐにそこからは撤退する。ただし、得をすると判れば、それがたとえほかの人間からは損をしているふうにしか見えずとも、いくひしは可能なかぎりそれをつづけるだろう。それがじぶんのためになるからである。他人からは、じぶんを犠牲にしているように見えるのかもしれないが、他人からどう見えるかなど知ったことではない。他人の目を気にせずに過ごしても損をしないような生き方を目指している。とはいえ、いくひしですら、それは充分ではない。日々の一割も達成できていないと言ってもいい。一日でもはやく、他人から承認されずとも生きていけるようになりたい。寿命の尽きる前に。余生を自在に過ごせるように。今、やるべきことをしなければならないのだろうか? 或いは、ならざるべきか。
1507:【だいじょうぶ?】
まんちゃんだいじょうぶ? なんか見るからに性格ゆがんできてるけどヤバくない? え? 元から? そっかー、そうだわー。
1508:【パクリの是非】
以前にも述べたかもしれないが、いくひしは基本的にはパクリが悪だとは思っていない。経済的に損をしたくない人々が多いがために、創作物に対する権利を保障する意味合いで、パクリは悪だとする常識が社会通説としてまかりとおっているのである。本質的には、パクリを禁じた時点で、その分野の発展は途絶えると思っている。利益を独占しようとする気持ちや、創作物から即物的な利を得ようとする者が多くなればなるほど、パクリを禁じなければならない風潮がつよまる傾向にある。いくひしは、じぶんの小説を他人にパクられてもとくに何も思わない。せめていくひしよりも上手に、おもしろく、より斬新な物語にしてほしいな、との思いはあるが、それ以上の思いはとくに湧かない。誤解を生みそうだが、言ってしまうと、他人に真似できるような表現にはたいした価値を認めていない。しょせん、パクルことのできるていどの技術だったのだ。むろん、言を俟つことなく、真似できない技術だからといって人より優れているということにはならない。ただし、オリジナルには必ず他人にはおいそれと真似できない何かがある、それは確かである。表層の装飾だけを真似ても、それは技術を盗んだことにはならない。パクリに対していくひしが寛容な姿勢を持っているのは、パクられることが、技術を盗まれることではない、と考えているからだろう。真似できるものなら、してみてほしい、と望んでいるくらいである。どうせできないだろうけれどね、と傲慢ないくひしまんさんは、きょうも一人で、チマチマと虚構をこねては、物語を組みあげるのである。
1509:【言うねぇ~】
きょうのマンさんはいちだんと偉そうですね。すばらしいセンスだと思います。すーぱーザコのくせに。
1510:【誤解】
誤解しておりました。反物質についてです。いくひしはこれまで、物質と反物質が初期の宇宙に同数量存在し、対消滅時になんらかの差異があり、結果として現在こうして我々を形成するような物質のほうが多く残ったのだと思っていました。CP対称性の破れとは、対消滅時になんらかの偏りがあることだと思っていたのです。でもそうではなく、そもそもが初期の宇宙には、物質のほうがわずかに、ほんのすこしだけ多く存在し、だから対消滅しても物質のほうが必然的に多く残ったのだ、と考えるほうがより合理的なのだそうです。もうすこし突っこんで言えば、そもそもが、たとえ物質と反物質が同じ数だけ存在していても、初期の宇宙はインフレーションによって爆発的に膨張したわけですから、物質と反物質は宇宙の密度が低くなるにつれて互いに出会う確率が低くなり、対消滅しない物質や反物質もある程度の割合ででてくることになります。ただしそれだけだと、宇宙の総エネルギィを計算したときに、現在の物質の量より遥かにすくない数値になってしまうので、おそらくは、そもそもが物質のほうが多く存在したのではないか、と考えられているそうです。いくひしさん、完全に誤解しておりました。ただ、直感としましてはやはり、対消滅時になんらかの偏りが生じたと考えるほうが、しぜんに思えます。ふしぎですね。もうすこし、いろいろ本を読んでみたいと思います。
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参照:いくひ誌。【201~210】
https://kakuyomu.jp/users/stand_ant_complex/news/1177354054881966749