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いくひ誌。【1431~1440】

※日々生かされている。


1431:【たいしたことない】
本なんて読んでもムダだ。役に立たない。人に好かれるためにすべきこと、みたいなのをたくさん読んだのに、だって、いくひしはいくひしのままだから。本なんて読んでもムダだ。ほんとムダ。ムカつく。


1432:【同じではない】
じぶんの欠点を長所に変えることと、欠点をアイデンティティにしてしまうことは同じではない。肉の切れない刃物は、ただそれだけでは無用の長物だ。切れないことを誇っても、他者から必要とされることはない。だが、肉を切れない性質を活かし、子ども用のハサミに変身すれば、客がつくだけでなく、ほかの大多数の刃物からも一目置かれる存在になるだろう。もっとも、他人から必要とされたくないのならば、わざわざ苦労して変わる必然性はない。その場合、欠点を誇る必要もなくなるはずだ。じぶん一人しかいないのならば欠点はないも同然だ。使う者がいなければ刃物は刃物でないのと同じ理屈である。欠点も用途もない。名前もいらなくなるだろう。じぶんがじぶんである必要もなくなるはずだ。


1433:【ちょーため息】
まーた意味深なこと言ってる。よく飽きないね。感心する。すごいねー。


1434:【もっと】
「いっぱい責められたい。おまえのせいだって言われたい。誰かに影響を与えた証が欲しい。反応が、感情が、怒りが、憎悪が、炎じみた熱とゆらぎでこの身をすみまで焼き尽くしたい。炭になるまで。ススになるまで。それでもぼくはなくならない。死んだものが死なぬように。壊れたものが壊れぬように。ないものはなくならない。責められたい。責められたい。激しい認知の証をぼくにください。拒絶を、否定を、殺意を、もっといっぱいぼくにそそいで」


1435:【もっと?】
やー、ないものになに掛けてもゼロのままよ? あ、そういうことじゃない? なに? わるぶってみたかった? ふーん。ざっこ。


1436:【絶対評価】
つよくなりたいのであって、つよいと思われたいわけではないのだ。他人からどう思われるか、これほど流動的であやふやな指標はない。


1437:【いっそ】
「がんばったらいまよりマシになるよ、ひょっとしたら活躍できるかもしれない、がんばっていこう」みたいに言われるよりも、「世界はあなたのことなど必要としていない。好きに生きなさい」と言われるほうが気が楽だ。必要とされたくないし、期待されたくない。あなたたち(社会)のためにがんばりたくはないのだ。生きていこう。


1438:【ツイッターの弊害】
いくひしまんです。ツイッターをはじめてからそろそろ二か月が経ちます。時間の使い方がへたくそになってきたな、との実感があります。いちど一週間ほどやめてみて、生産性にどのような変化があるのかを比較してみたいです。週明けから七日間ほど距離を置いてみようと思います。いっぽうでまた、みょうに疲れが溜まりやすくなった気もします。すばらしい絵を眺めている分にはたいへん有意義な時間なのですが、雑多な情報も目に飛びこんでくる分、思っていたよりも処理能力を使っているのかもしれません。可能ならば、いくひしの代わりに誰かすばらしい絵だけをリツイートするアカウントをつくってほしいです。すでにあるのなら教えていただきたい。あとはなんでしょう。なにかあった気もするのですが忘れてしまいました。ツイッターをはじめてから自作小説のPVが上昇傾向にあることは以前述べました。やはりツイッターには宣伝効果があるようです。フォロワーが一桁のいくひしでも、そこそこの効果があります。フォロワーが多ければそれだけ「縁」を繋ぐことができるのでしょう。ただし、あくまできっかけでしかありません。そこから読者になってくださる方がどれだけ増えるかは、導火線のさきにある火薬の質と量に依存するでしょう。導火線を引くことばかりに熱中していても仕方ありません。ツイッターをやれる時間のあるうちに、つくれるものはつくっておいたほうが身のためになると思います。同じ理由から、この「いくひ誌。」もまた、その分を小説づくりについやせば、単純計算で七作の長編をつむげたはずです。贅沢な時間の使い方をしているように思います。ぜひ、いまいちど日々の過ごし方を見詰め直し、変更したほうがよいところは変更していっていただきたいな、と思います。以上、きのうまでのいくひしまんさんへ。ほんじつのいくひしまんでした。


1439:【電車】
特急で相席になったおばさまに、「ことしの夏は暑いらしいですね」と話しかけられた。上品な物言いに、ついつい、「そうですね、熱中症には気をつけたいですね」と知ったふうな口を叩いてしまう。「猛暑と言われてもピンときません。この辺りはほら、涼しいでしょ」「じゅうぶん暑いと思いますけど」「そう?」どこかとぼけた感じが可愛らしかった。「ことしのはとくにひどいってニュースの方はおっしゃいますでしょ、でもどれくらいひどいのかピンときません」同じセリフを繰りかえすので、思わず幼い子どもを相手にしているときのようなやわらかな心地が胸の奥にひろがった。「コンビニは行かれますか」まずはそう訊いた。「ええ、便利ですよね。でもちょっと、まいにち通うにはお値段が、ちょっと」「高いですよね。スーパーとかのと比べちゃうと」「ええ」「コーラなんか倍の値段ですからね」「そんなに」さすがに1.5リットルのペットボトル飲料は購入した過去はないらしい。たしかにご年配の方には荷が重い。「でも、ふだんは買わないそんなお高い商品も、ついつい買ってしまうときがあるんです」「あら、どんな?」「たとえばそう、スーパーに立ち寄る元気もでないほど暑い日なんかですかね」「猛暑?」「ことしのはとくに、倍の値段のコーラなんかも買ってしまいます」「あらそんなに」話しているうちに、電車は終着駅に滑りこんだ。「お荷物、お持ちしましょうか」「ありがとう。でも、だいじょうぶ。息子が迎えにきてくれていますから」「なら、そこまで。どうせ出るまではいっしょですから」「そう? ならお願いしようかしら」荷物を持ち、階段をあがる。改札口をでると、陽がカンカンと照っており、移動した距離の長さを思わずにはいられない。「具合がわるくなっちゃいますね」「うんと助かりました。ありがとう。すくないけど、どうぞ」おばさまは、こちらの手にジャラジャラと小銭を握らせた。「いえ、そんな」「いいの、いいの。ほんとうにうれしかった。ありがとう」おばさまは日差しを避けるように、タクシー乗り場のほうへと歩いていく。迎えにくる息子はどこにいるのだろう。おばさまの足取りを見届けるのも野暮に思い、猛暑と名高い夏の都会のアスファルトを、気持ちつよめに踏みつける。身体が喉の渇きを訴える。コンビニを目指し、じぶんの影を追いかけていく。


1440:【内なる声が言っている】
コンビニの1.5コーラ即決で買えないとか貧乏すぎやろ~。


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参照:いくひ誌。【1041~1050】https://kakuyomu.jp/users/stand_ant_complex/news/1177354054884844179

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