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いくひ誌。【1201~1210】

※日々人間の真似をしつづけている。


1201:【つぎの流れ】
2018年3月です。10年くらい前までは文芸の世界では、作者の元々の知名度や経歴が重視されていました。購買引力を初めから備えている作者を出版社は好んで採用してきたのです(作品の商品価値が高いことは前提です)。純粋な作品の魅力とは異なる要素が重宝されてきた風潮は、そのまま現在の評価経済の流れを構築する基盤だったと見做して差し支えないでしょう。では現状、どういった作者が歓迎されるのか。キャラクター、経歴、ネット上での評判、作家として以外での側面像の希少性、奇抜さ。なによりこれからは、その人物に引くことの可能な線(ドラマ)が焦点になってきます。ただ知名度が高かったり、経歴があるだけでは、同等かそれ以上の珍しい人々が溢れた現代では、多くの人の目を惹くことはできません。ではどうするか。ひとつは、そのひと自身に大きな物語が流れているか、です。才能がある、センスが高い、実力があるだけでは不足です。それを得るために辿ってきた背景にどれだけのドラマを描けるか、それを経歴と呼ばないのは、他者からの評価とは無縁のところでのドラマがかなめとなるからです。なぜいまそのひとが話題になっているのか、知名度があるのか。そこに、人脈や経歴以外の「なにか」がないひとは、これからの評価経済混迷期を打破できないでしょう。知名度をあげることは有効です。しかしそれを目的にしては、さほどの実の入りは期待できないでしょう。急がば回れです。まずはあなたのドラマを築いていきましょう。


1202:【傲慢のまん】
いくひしは打算の塊である。総じての言動を鵜呑みにしてはいけない。


1203:【涙もろくなる】
アイネクライネ/米津玄師(Covered by コバソロ & 春茶)


1204:【そう願うところからはじまる】
何もかもが色褪せて感じているひとへ、おもしろさとは何かを思いださせるもの。それが物語のひとつの役割のはずです。あらゆるものごとがつまらない、おもしろく思えない、そんな波を失ったこころへ揺らぎを与え、ふたたびの寄せては返すさざ波を取り戻させる。そのきっかけに成り得るひとつが物語なのではないでしょうか。


1205:【さえずるな】
新作はどうした。なぁ。解ってんのか、いくひし。御託はいいから小説(モノ)で語れ。


1206:【かんそうぶん】
かんそーぶーん、いくひしです。いやー、ひさびさな感じしますね。みなさん、さいきん何か読みました? いくひしはねぇ、なんだろ。なにかしら読んだ気がする。読んだら前はこう、感想文をね、ここにちょいちょーいって載せてたんですけど、さいきんはちょいサボりがち。あんまし読めてないってのも無関係ではないんですけど、どちらかと言うと、ひとさまの物語にあーだこーだ言うとる場合ちゃうやろ、みたいなね。いくひしの感想文を見て、おもしろそーだなー、買ってみようかなーなんて思ってくださることもないでしょうし、どちらかと言えばいくひしがおすすめしたことでかえってご購入のきかいを奪ってしまうこともあるかもしれんぞ、なんて考えるとおちおち感想も載せられない。うそです☆ ただサボってただけです。おもしろいのいっぱいあるよ。だいたいは以前から購読しつづけてたやつの新刊ですね。今月の新刊はまだ買えてなくて、うがー、ってなってる。20冊くらいは溜まってる気がする。さいきんあたらしく読んだのでほうほうってなったのは、「ジャヒー様はくじけない」と「竜の七国とみなしごのファナ」と「猫のお寺の知恩さん」と「ザ・ファブル」です。ジャヒー様とみなしごのファナは、ヒロインが褐色系少女(?)で、いくひしの防弾ガラスなハートがハードに撃ち抜かれて、ノックアウツしちまったやつです。ジャヒー様はすこし前に流行った、おっさん系女子の系譜で、さいきんは「女攻め(イタズラ)系女子」に需要がとって代わられつつあるな、と感じていたので、いいねいいね、こういうのも忘れないでおくれ、となった、足りない成分を補えた。対して、みなしごのファナは言葉が通じなくてですね。ボディーランゲージで交流していく。いくひし、なかなか通じあわない関係性が好きでして。なおかつ、言葉を介さずになんとかコミュニケーションを図ろうとあれやこれやするのがもう、くぅー、って抱きしめちゃいたくなる。それはたとえば泣いてる赤ちゃんをまえにして、「おっぱい?」「うんち?」「ねむいだけ?」「ひょっとしてじぶんの声にびっくりしてる?」「まさか病気じゃないよね」って、あたふたしてしまうひとを眺めてる感じ。手伝ってあげたいきもちと、うまく伝わりあえないもどかしさにちぐはぐさ、それでもちゃんと向きあおうとする姿勢に、やっぱり、くぅー、って抱きしめちゃいたくなります。そのアタフタのさきに、いっしゅんでも心が通じあって、ふたつがひとつになる瞬間は、生きてる意味ってそういうとこだよね、いいなー、いいなー、ってうらやましさとうれしさのハーモニーがうずをまく。ぐるぐる。猫の寺の知恩さんは、知恩さんの、あーいるいるこういう無防備なひと、着飾らないひと、すてきだよねーってなるのとはべつに、カメラワークのよさがあって。立体感のある構図と、なんだか素人の写真集を、それはものすごくプライベートだからこその素朴さがあって、誰もがこころのなかにある田舎のおばぁちゃん家の、あの、時間がのっぺりと伸びた、どこか眠気を誘うやすらかさとさわがしさが、お香のにおいと風のやわらかさといっしょに、こうスーって身体の表面を流れていく。いくひしだってそこに引っ越したいよ、住みたいよってなる。田舎のいい面を誇張なく、しかしわるいところをお茶目に演出しつつ、楽しませてくれる。自然体なひとの、ときおり見せる気まずそうな顔は病みつきになりますよね。全巻集めますコース突入けっていです。で、ファブルはですね。感想書けない。消化しきれなかったので、また機会を改めて叫ばせてください。このヒーロー像は新しいです。流行る前になんとか盗めないかなぁ、とよこしまな心が拭えないので、あたま冷えるまで待ってください。とりいそぎ、ヨウコ姉さん、あんたサイコかよ。あ、まちがった。最高かよ!!! では!


1207:【15時間睡眠】
おはよーございます、いくひしです。きのう午後16時にちょこっと仮眠とって、19時にでかけようと思ってたのに、起きたの今。翌日の午前7時でございます。ふじゃけんなーー!!!! あーやっちまった。先週もけっこう寝たのでね、だいじょうぶかなーって思ってた。油断した。なかったことにしよ。反省? しるか! たぶん摂取する栄養が減少してたことに因を求められると思います。ちゃんと食べよ。で、なんだっけ。あー、そうそう。ドラマ「アンナチュラル」の最終話観ました。所長のおじさんがね、いくひしめっちゃ好きで。所長が主人公のスピンオフドラマ観たいです。所長、結婚されてるんですかね? ゆいいつ私生活が謎だった。で、はい。マンガ「ランウェイで笑って4巻」をきのう買ってきまして、さっそく読みました。ちょうどおとといくらいに、3巻を読みかえしてて、はやく続き読みたいなーって思ってたところなので、タイミンググッドです。はひゃー、おもしろーい。主人公の天才高校生デザイナーは、幽遊白書でいうところの幽助なんですね。で、ヒロインのほうが戸愚呂(弟)なんです。すべてを擲って最強を掴みとるのか、それとも切り捨てるべきものをも利用して、自身の地力にしてしまうのか。ジブリの宮崎駿監督は、アニメーターさんに「本物を見ろ」と言うそうです。既存のアニメの表現を借りるのではなく、世界を観察して、新しく、自分で表現を模索しろ、ということだと思います。何かを切り捨てる、というのは、言い換えれば、既存の完成されたルートを辿る、ということなんだと思います。たしかにそのほうが成長は速いでしょう。成果も比較的短期間ででると思います。でも、それでは、けっきょくのところ「最強止まり」なんですね。その上を、ましてや外に飛びだすことはできないのでしょう。幽遊白書で、じつは幽助はいちども最強になっていないのです。いつも誰かの手を借り、外側のチカラを得て、目のまえの壁を乗り越えていく。ランウェイで笑ってでも同じ比較構造になっているのですが、違うのは、ふたりが互いに尊敬しあい、ときに追いかけあっている点にあります。すべてを切り捨ててきた少女は、天才と関わることで、自分にできることの幅を広げていく。無駄なことを無駄だと断じず、そこから何を得られるかをこれまで以上に考えるようになる。天才である主人公の考え方と、それは同じなのだ。それは魔法だ。弱点を利点に変えることのできる最高の魔法であり、誰よりつよいではなく、誰もが手を伸ばそうとする輝きを宿していく。ヒロインは言う。勝たなければその努力は報われない、と。しかしきっと、報われずとも主人公はその歩みを止めたりはしないのだろう。彼にとって、夢とはけっして、誰かに勝つことではないのだから。着るひとが笑顔になる、しあわせになれる服をつくること。それはきっとどんな夢より果てしない。


1208:【逃げ】
全体的に衰えていると自覚したとき、人は自分の得意なものに逃げようとする。新しいことに挑戦すれば、どうあっても全体の質は下がってしまう。そこでさきを突き進めるか否かが、創作家としての分水嶺だろう。逃げることはけっしてわるいことではない。逃げこめる場所があるのはただそれだけで救いだ。失うものを天秤にかけよう。


1209:【得意なこと】
いちど衰えたとしても、そう時間をかけずに平均よりも上のレベルで再現可能なもの、それが得意の意味であろう。老いてしまったために、到達不能となる領域が生じるかもしれない。しかしけっきょくは、領域に到達できた「もしもの自分」であっても、いずれはいまのあなたのレベルに老いていく。そのとき、その老いた分を補完できる何かがあるのとないのとでは、その後の進み方は大きく変わる。いっときの極致を目指すのも一つだ。それはきっと何者かにしかできない偉業であろう。反面、異形でありつづけたければ、老いたさきを見越して「いま」を取捨選択していかねばならない。ただし、異形であることの利点など、そう多くはない。その点は留意しておいたほうが好ましい。


1210:【えらそうなこと言うだけ】
まんちゃん、えらそうなこと言うだけで、なんもしてないじゃん。生きててもいいけど、せめてもっと慎ましく生きよ? ね? えらそうなこといくら言ったって、べつにまんちゃんがえらくなるわけじゃないんだから。わかって?


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参照:いくひ誌。【821~830】https://kakuyomu.jp/users/stand_ant_complex/news/1177354054884277599

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