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いくひ誌。【1191~1200】

※日々理想ばかりが成長していく。


1191:【裏返し】
本気で自分に、生きている価値がないと思っているのならば、むしろ誰より清々しく生きていけるはずだ。本当は価値があるのに、それが認められない、蔑にされている、そう感じるから、生きている意味を見失う。いまあるすべての価値観が人間社会という歴史のなかで培われてきた刷りこみ、虚像だと気づければ、みな誰もが裸の王様なのだとやさしく受け止められよう。価値とはあまたある虚像の一つにすぎない。価値(虚像)がなくとも、生きてしまうのが生命だ。ひるがえっては、価値がなければ存在できないものが道具だと呼べる。価値はないほうがいい。すくなくとも、あなたが命でありたければ。


1192:【じゃあ寄越せ】
おまえの全財産、俺に寄越せ。価値はないほうがいいんだろ、ゼロにしてやるよ。できねぇだろ? そりゃそうだ。価値がないことと、価値を付けられねぇことはまったく別モンだからな。勘違いすんじゃねぇぞいくひし。


1193:【しゃっふる】
しゃっふるー、いくひしです。みなさん、音楽、何で聴いてます? たいがいのひとはスマホかなーって思います。スマホでイヤホンか、電波飛ばしてスピーカーに繋ぐの。それともスピーカーそのものが音楽奏でたりしちゃいます? いまそういうの流行ってますよね。でもいくひし、未だにスマホでない。スピーカーも使わない。イヤホンなんですけど、じゃあ音源仕舞っとく箱はなにっていうと、アイポッドシャッフル。去年だかおととしだかに生産終了したってニュースみてどえらいショック受けた。いや、いいんですよ。どうせもっと小型で性能いいやつ安く売られるんだろうなって分かってるので。ただ、充電がね。アイポッドシャッフルのやつ、充電するためのちっちゃいケーブルがね、断線寸前っていうか、配線が見えてて、もう瀕死。PCのアイチューンと同期させようとしても接触わるくてなかなかできない。もうね、買い換えろと。いい加減いくひしさん、買い換えろと。いまの時代の流れからしてMP3なんて使ってる高校生いる? いなくない? もはや音源ダウンロードするなんてそんなの時代遅れなんですかね。時代はストリーミングですよ、シェアですよ。いくひし、どんどん時代に取り残されてく。いやほんと冗談でなく、PC上からアクセスできないサイトが増えてきてて。マックのクーポンなんて基本アプリでしょ? いくひしどんだけ損してるんだって話ですよね。スマホなけりゃサービスもまともに受けられない。換えろよって話ですよね。スマホに乗り換えろよと。でもね、いくひし、なんてーのかなー、こう、依存体質なんですよ。四六時中ネットに繋がれる機器なんて持ったら、いくひし廃人まっしぐら。いくひしには判る。じぶんのことですからね。たばこに、お酒に、クスリに、恋愛、ギャンブル、車にソシャゲに、宝くじ、ハマリそうなものからは距離おいてる。スマホなんて持ってごらんよ。いくひし、あっという間に干し肉よ? 干からびるまでタップしてる。適度に依存先をシャッフルしながら、不便さを噛みしめがてら、時代と距離をおくしかないのかなー、めんどいなーなんてぼやく日々でございます。まあね。時代に流されるくらいなら乗り遅れるくらいがちょうどいいというか、いつでも食いつけますよーってくらいの心構えのほうが時代の加速した現代ではよい塩梅なのかもしれません。みんなが足並みそろえらていられる速度のさきにある新しさなんてぬるいですよ、たいして最新ではない。最後尾のほうに立って、うしろを振りかえって、置いてかれているひとはいないかなーってチェックする。そういう役割のコが一人くらいいてもいい。いくひしはそういう時代と時代の節目に立って、あいだを取り持つ接ぎ木になれたらなーってね。いざとなればまえにいるひとごぼう抜きすればいいだけの話ですから、すでにできた道をいくのなんてかんたんさ、なんて大口叩いてみたいけれども、かんたんじゃないから困っちゃう。時代に置いてかれていくいっぽうの、迷子の迷子のいくひしちゃん。せめて、アイツがいるからビリじゃないって、思ってもらえると、置いてきぼりにされてる甲斐がありますよ。だいじょうぶ、いくひしがいるからあなたぜんぜん、ビリじゃない。一周回って、周回遅れのいくひしさんを追い越してるトップランナーかもしれないし、そしたら余裕じゃん、すこしばかしいっしょにトコトコ歩きましょ。飽きたらまたハッスルして、置き去りにしてくれてよし、それまで言葉をシャッフル、かき混ぜましょう。いくひしとの縁と縁を交わしましょう。アイポッドシャッフル、壊れる前にスマホにいくひし買い換えよっかな。


1194:【わさび】
わさびー、いくひしです。きょうなんか、息を吸うたびに鼻の奥がツーンとして、痛い時間があった。わさび食べたときのあれ。息を吸うたびあたま痛いんだけど、なんか覚醒してる感じがして、そんなにわるくない。ちなみにいくひし、柿の種のわさび味がすきです。さいきん食べてないけど。で、この国にはほら、わびさびってあるじゃないですか。じつはあれの語源って、わさびとは関係ないんだって。まったく。びっくりじゃない? ぜったい関係あると思ってた。だって和の国って言ったら、わびさびでしょ? で、寿司でしょ? したらわさびってくるじゃん。ぜったい関係あるじゃん、そう思うじゃん。ないんだって。そういや寿司、たべてねぇなぁ。わびしいというか、さびしいというか、まずしいよね。うんにゃ、べつに寿司たべれることが豊かってわけじゃないけどね。ただ、さいきん食べてねぇなぁって。思えばいくひし、回転寿司、たべたことないな。いや、あったかなぁ? あんま憶えてない。あ、あったあった。一回、いや二回は行ったことある。けっきょくデザートのケーキしか食べなかったけど。なんかね、いくひし基本味覚障害っていうか、あんまし味わかんなくて、おこちゃま舌ですからね、しょっぱいか、甘ければそれでいい。ただ、臭みとか鉄分とか、そういうの、そういうのにちょこっと敏感で、海鮮物が苦手なのだ。あ、知ってた? 人間の脳味噌が大きくなった背景には、海鮮物、主として貝をたべるようになったからだって仮説があるんだって。むかし聞いたことある。へぇーってなるよね。ほんとかわからんけど。なんの話だっけ? さいきんホント記憶がもたない。あれ、なに考えてたっけってなる。というか、あれ、何してたんだっけってなる。いまにはじまったことではないので、それこそちいちゃいころからなので、何かの予兆ってわけではないんですけど、要はいくひし、ポンコツなんだなって。もういっそ、ぽんぽこりんなんだなって。たぬきなんだなっていうか、どちらかといえば、たぬきよりも、ふぬけでござい。美味しいお寿司の握り方、まずは新鮮なおさなかの腑抜きをね、きちんとするのがよろしいのではないのかなぁ、とオチを探して結びつけてみたものの、我ながらなかなかの強引さ、どうしよ、わびとさびで、なんかある? 腕がさびついて、あやまりましょう、で、わびとさび、みたいなそんなんしか思い浮かばないんですけど、だいじょうぶ? だめ? だめなの? なんかさいきんきびしくない? 愛ないよ。かわいいこには旅をさせよって、だからちょっと厳しめにしたって? そんなん言ってもスマホ持ってないいくひしさんだよ、旅ナビないなら迷子だよ。マジ性質わりぃよ、WiFiどこだよ、目的地は海外だよ、毎回オチがムリやり踏んだ韻でバイバイかよって、ここまで並べちゃ、せっかくのわびとさびも鳴りを潜める、韻を踏んでると気づかれないくらいがちょうどいい、本差よりも脇差だ、わびさびも、わさびも、何かを引きたてるための媒体で、主役になっては元も子もない、うざいいくひしのファンクラブはみんなでいますぐ退会だ。って、ちょっとえー、ファンクラブなんてあったんですか!? いくひしびっくりしすぎて気を失う。寝て起きたらなーんだ、ぜんぶ夢だった、時計を見たらまさかの正午で大遅刻、あたまをさげて詫びますよ、サービス残業なんて朝飯前、これぞ現代のわびさびか、なんてうまいこと言ったつもりで、きょうのオチとしましょうか。約束守るのはだいじだけど、まずは遅刻をせざるを得ないくらいに疲れた身体を労わりましょう。あなたの身体だけでなく、周りのひとの身体もね。おやすみー。


1195:【陳腐がだいじ】
言葉にしてしまうと途端に陳腐化してしまうモノほど、物語にする意味合いがつよまる。時代によってそのモノは変容していく。それはたとえば「愛」であり「悪」であり、「平等」であり「管理」だ。


1196:【気分じゃない】
きぶんじゃなーい、いくひしです。きょうはなんか日記つけるきぶんじゃない。言ったらいくひしのこれ、めさんこキャラですから。設定ですから。味付けですから。こってりコトコト味噌らーめん! さすがにね、まいにちこのキャラは疲れます。きぶんによくないし、身体によくない、なんだったら情操教育によくないし、あなたの精神衛生上にだってよろしくない。悪魔か! いくひし、汚染物質なみによくないもので構成されている。ダメじゃない? そんなんまいにち並べてたらだめだよ、腐ってやがる、はやすぎたんだ、どころじゃない。お皿に並べてだしちゃダメ、法律で禁止したほうがいいかもしんない。あすの国会で議論されるかも、いくひし規制法案なんつって。いくひしの軍事利用は禁止する。いくひしの保持または使用は懲役一万年以上の極刑に処する。なんつって。悪魔か! こういうときはあれっすね、愚痴とかわるくち言うのがいい気してきた。なんだろ。なんかある? 愚痴かぁ、そうだなぁ。きょうさ、トイレ入ったらトイレットペーパーなくて。なんでないんだよってなったよって話。だめ? おもんくない? じゃあ、耳かきの話とかどう? したんだよね、さっき。綿棒で、そこそこ大きめの耳カスがとれて、汚い話でごめんだけど、げっへっへ、ってなったら、じぶんの鼻息で耳カスぽろって落ちて、床にまぎれた。鼻息ぃぃい!!!ってなったよって話。これはどう? だめ? ちたないうえにつまんない? んだよ、ぜいたくなやっちゃのう。じゃあどうすりゃええのさ。おしえてくれよ。いっつもきみはさ、いくひしにしゃべらせるだけしゃべらせて、ダメだしばっか。じゃああなたの話も聞かせてよ。なんかあんでしょ、おもしろい話。ない? ないの!? んだよ、いっしょじゃん、仲間じゃん。いっしょにすんな? はぁー? おまえの耳の穴かっぽじって、とれた耳カス鼻息で飛ばしたろかこのー。悪魔か! え? どこがって、え? 悪魔ではない? そっか。ごめん。でもさでもさ、そんなこと言われたらもういくひし、なにも言えない、きぶんじゃない。愚痴とかわるくちとか、言わなきゃよかった、もっとおもしろい話、いっぱいしたいよ。いいよいいよ、マンガ読むから。こうなったらいくひしさん、マンガ読んで不貞寝するから。あなたもさっさと寝るといいよ。夢の話くらいならできるでしょ。起きたら教えてくんなまし。どんな夢を見たのかって、いつかあなたの話も聞かせておくれ。え? きぶんじゃない? 悪魔か! おやすみー。


1197:【ぶらんど】
ブランドとは、特徴の言い換えではない。一言でそれそのものを言い表せることよりも、あああれね、と概念を共有できるほうが優位にたつ。印象値、とそれを言い換えてもよい。シンボルになるように方針や枠組みを調整していくその過程が、ブランドを形成していく。最終的には、一言で言い表せなかったものを示すためのシンボルになっていく。物語も同じだ。


1198:【文章としての破たん】
いくひしの小説の文体には、数多くの文章破たんが存在する。一文を抜きだしたとき、文章としての体を成していなかったり、矛盾していたり、誤解を招く書き方になっていることがすくなくない。流れで読むことを前提としているからだ。小説は、小論や記事とは異なり、動画にちかい。コマのひとつひとつが、絵画として優れている必要はない。どちらかといえば、欠落を内包していたほうが、読む者への負担を減らせる傾向にある。極端な話、段落の最初に「私は」と書かれていれば、つぎの段落に移行するまではその文章の主語は「私」なのだ。あべこべに、途中で主語が入れ替わるとき、たとえばつぎの段落の冒頭を、「~しながら腕を回すと彼女は」とする。一見すると腕を回したのは「彼女」だが、文章の流れからすると、「私が腕を回すと彼女は」という意味合いになる。一文に主語が一つ以上あると読み味がわるくなるので、敢えて文章を破たんされることもある。こうしたテクニックは、すくなくない。新しい技(破たん)を編みだせれば、新しい文体として評価されやすくなるだろう。もっとも、正しい文章の構成を意識し、破たんに対して自覚的であることは欠かせない。「破たん」を「技」として使いこなしたければ、の話ではあるが(正しい文法だけの小説も、それはそれでおもしろくできるだろう)。


1199:【言いわけじゃん】
破たんしてることが技? わざとやってるから見逃せって? これは穴ではなく水玉模様ですって言い張る傘屋かよ、雨で濡れた服も水玉になりますってか? 高性能だなぁ、おい。


1200:【宇宙の加速膨張(についての妄想)】
宇宙が加速膨張しているのならば、宇宙の密度はどんどん減少しているはずだ。なんらかのエネルギィが宇宙を膨張させているとしても、それは単純な物質ではないのだから、密度そのものは減少していると考えて大過ない。時空が希薄になっていくと考えればそれらしい。そこにはむろん、重力も含まれる。ならば、宇宙が膨張していくにつれて、相対時間は速まっていく。そしてそれはミクロであればあるほど顕著な影響を及ぼされる。なぜなら質量が低いほど、より重力の影響を受けにくくなるからだ。重力の低い場所では時間の流れは速くなる。宇宙のはじまりは原子一個よりもちいさな点だった。それが10のマイナス36乗秒という刹那の刹那という時間で、太陽系ほどの大きさまで膨張した。一瞬のできごとのように感じるが、この10のマイナス36乗秒というのは、現在の宇宙を138億年とした場合の割合である。じっさいには、極限まで収斂していた宇宙は、宇宙開闢史上最強最高の重力を備えていたことは想像に難くない。すなわち、そこに観測される相対時間は、我々が思い描く時間の流れよりも遥かに遅かったと考えられる。膨張するに従い、宇宙には段階的にかつ階層的に、いくつもの時空間が展開されていく。宇宙が一メモリ膨張するごとに、ミクロ(小域)の世界は指数関数的に世界を拡げ、同時に希薄になり、そこに生じる時間の流れは速まっていく。時間の流れが速まるというのは、時空間を構成する「場の振幅」が増加することを意味する。もうすこしマクロ(広域)に表現すれば、物質の変遷速度を増加させる。宇宙を加速膨張させている媒体は現在、ダークエネルギィと推測されている。正体は不明だが、そういったエネルギィが宇宙には溢れているらしい、と考えられている。私見にすぎないが、ダークエネルギィとはまさにこの、宇宙膨張に比例して増加していくミクロの物質変遷速度の増加にあると妄想するしだいである。それを、情報の増加、と言い換えてもよい。(宇宙が膨張すれば、「宇宙全体の時間の流れ」もまた速くなっていく。ただし、アキレスのカメのように、そのなかに内包される時空間は、段階的かつ階層的に展開され、無限に増殖していくので、宇宙が膨張すればするほど、内部に拡がる情報の総量は爆発的に増えていく。細胞分裂する受精卵を思い起こすとよい。ただし宇宙の加速膨張の場合は、細胞一つ一つが、もう一つの宇宙を構成できるだけの情報量を秘めている)


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参照:いくひ誌。【941~950】https://kakuyomu.jp/users/stand_ant_complex/news/1177354054884536906

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