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いくひ誌。【1111~1120】

※日々自我を置き去りにしていく。


1111:【Light Balance】
https://www.youtube.com/watch?v=R3NxgFlRdgk
https://www.youtube.com/watch?v=E8Ecz_sntDo


1112:【無理】
あ、おはよー。起きたぁ? 今ね、パンケーキ焼いてて、中にプトォを入れてみたんだけど、美味しそうでしょう? あれ、ご機嫌わるいねー。わるい夢でも見たのー? マズイ? マズイってなにさ、まだ食べてないのにガブちゃんのパンケーキをわるく言うなんてふんだ! むつけちゃうからね、いいの? 嫌いになっちゃうんだからね、ごめんなさいして! クソってなにさ、ひどいひどい、ばかー! わ、わ、なに! やだやだ、こわい顔で身体掴まないで、ジタバタするなって、するもん、こわいもん、なにそれなにそれ、痛いのやだ、痛いのやー! きゃーーー!! ごほっごほっ。あ”-、ったまイッタイわぁ。やだなにこれ、なんでこんなデカイのよ部屋が。んー? あーアンタぁ! ヨルムンガンドなんて召喚して、下界がどうなってもいいっての! ちょっと、聞きなさいよ、てかなんでそんなデカくなってんの、巨人の研究でもはじめたわけ!? や、や、なんで掴むの、痛い、痛いってば! 離しなさいよ! (続きはこちら→https://kakuyomu.jp/works/1177354054881060371/episodes/1177354054885164123


1113:【条件】
圧縮可能な物語にも条件がある。類似作品があるか否かだ。過去に名作として語り継がれている先行例がある物語にかぎり、圧縮が可能だ。まったく新しい物語におかれては、圧縮する余地がない。仮に圧縮できたとしても、未来における名作の誕生を予見しておかねばならない。未来に共有され得る要素を前借りし、それを織りこむことによってのみ、新しい物語の圧縮は欠落とならずに済む。ひるがえっては、その未来が訪れるまでは、圧縮は単なる欠落と見做されやすい。


1114:【スタートに戻る】
圧縮に圧縮を重ねると、デコボコが均一に削られ、すべてが一段低くなり、却って冗長に感じられてしまう。圧縮することの旨味とは、デコボコにこそある。情報量の濃淡であり、濃淡による律動だ。圧縮すればいいというものではない。それを知るための物語を編んでいる。圧縮することの弊害を抽出中だ。タイトルは「文学キラー」である。二月中に終わらせ、はやく中断中の長編「雷獣、そらに昇る」に移行したい。


1115:【メモ】
複雑系。カオスの縁。創発。繰り込み。共創。還元された要素の総体が、その群れでひとつの場を築きあげる。場は系として開かれ、世界が世界を内包し、或いはまた世界が世界を展開する。


1116:【累(るい)】
急げ、なんとしてでも死なせるな。ありったけの魔道石を持ってこい。ぜんぜん足りんぞ。ないならあるところを探せ、魔道総合相互ギルドには行ったか? 原石ごとかっぱらってこい。支払いなんぞあとで構わん、渋ったら脅してでも盗ってこい。何ボサっとしてんだ、おまえらも散れ。このままじゃ街、否、大陸ごとタダじゃ済まされんぞ。ジョーカー、うるさいぞ。おまえも手伝え。義理がないだぁ? 我の山を消し飛ばしたこと、まだ許してはおらんからな。なに? (つづきはこちら→https://kakuyomu.jp/works/1177354054881060371/episodes/1177354054885174932


1117:【有為(うい)】
おー、なんじゃキマイラか。よぅこの霊波数が判ったの。んー? 未来?なんじゃおぬし、イマ未来におるのか。だっは、なんのたわごとじゃ、昨日わっちを殺そうとしたのをもう忘れたか、なんじゃ、頭は傷つけんようにしたつもりなんじゃがの、気でもやったか? 術式解析してみろと? 面倒なことを。まあよい、どうせ今はヒマじゃった。どれどれ。ふむふむ。ほぉ。古代魔術か。それも禁術ときたか。おー、なるほどなるほど。合点したぞ。わっちも知らぬ術式じゃな。この霊波はたしかにキマイラ、おぬしのようじゃがの、何やら得体の知れぬ霊波も紛れておるようじゃが、こやつはなんじゃ? よいよい、真偽がどうあれ、こうしてわっちの知らぬ術式を見せられた以上、話は聞こう。どうやらわっちの知るおぬしではないようじゃ。(つづきはこちら→https://kakuyomu.jp/works/1177354054881060371/episodes/1177354054885181788


1118:【世話を焼くのがダメならあたためよう】
背中で語る生き方というのは一見すると孤高で、潔く、上品なかっこよさに映るが、じっさいのところは、おまえたちと向きあう気はないが、俺のかっこよさだけは感じとれ一方的にな、というひどく傲慢な生き方である。


1119:【無事】
ママー! ママー! 起きでぇええええ! 朝だよぉぉおおおお!!! きゃはは、ママおはよう、朝だよぉ。きょうは? なにしてあそぶ? だめぇー、おねぼうさんはきんし。いっしょにネないよぉ、ネンネおしまい。おはなしぃ? またそれぇ? だってママ魔法つかえないもん、パパつかえるのに。きゃはは、きゃはは、くすぐったい、くす、きゃはは、ごめんなさーい! はぁはぁ。むかしはつかえたー? ふーん。うそだとおもって? うん。おもってる。きゃはは、もうやだ、くすぐるのだめ、きんし! おにんぎょうさまぁ? しってるよぉ、まえにパパと見たもん。ふうん。吸いとられちゃったの、ママの魔法? おにんぎょうさんに? パパ、魔法つかえるのもおにんぎょうさんのおかげなの? じゃあママえらいえらい。はい、あたま。いいこいいこ。んー、ママ、おなかすいたぁ。ケーキたべていい? だめじゃないよ、パパたべてた。きゃはは、パパー、にげてー、ママそっちいったよー。***※※※***ママ、ただいま。うん、ありがと。卒業って言っても、やることそんなに変わんないし。ママドールのほうもひとまず取り戻したから。いいでしょもう、パパにこってりしぼられました。ママまで叱らないでよ。だってしょうがないじゃん、あれなきゃ生活できないんだよわたしたちみーんな。あー、そっち? ママドールってだって言いやすいし、べつに間違ってはないじゃん。はいはい、永久魔力源泉結晶って言えばいいんでしょ、長ったらしいよホント。パパ? パパはジョーカーさんに呼びだされてどっか行ったよ。(つづきはこちら→https://kakuyomu.jp/works/1177354054881060371/episodes/1177354054885182932


1120:【あとがき】
連載ってあんまりすきじゃないんです。なるべく完成したものをおだししたい。未完成な状態ではだしたくない。でも、たまには連載に挑戦してみるのもいいかもなって思ってやってみました。いくつか実践してみたいことがあって。たとえば、説明セリフはないほうがいい、と聞きますよね。でも説明セリフだけでもおもしろくできたらすごくない?ということで、つくってみました。また、主人公を直接描かずに、キャラ立ちの濃ゆい主人公をどうやったら表現できるだろうか、という点でも工夫してみました。あとは、ふつうにつむいだら二十万字くらいのネタを、なるべく簡素につくったらどうなるかなって思って、構成してみたんですけど、どうだったでしょう。けっきょく四万字を超えてしまいました。登場人物も一期一会で、すべて違うキャラをだしてみました。ふつうにやると読者に負担がかかるので、なるべく解りやすいキャラで味付けしてみました。まったく違いすぎるとやっぱり負担になるので、言語構成に極端な差異がでないようにしつつ、それでもキャラごとに印象づけを施してみたのですが、うまくいきましたでしょうか? 今回はライブ感をだしたかったので、まったく構想を練らずにつむいでみました。キャラが増えるごとに物語が浮きあがっていく感覚が、作者としては快感です。読者さまにもその快感が再現されることを祈ります。ひとまず、連載連作短編「偉大な魔女は夢を見る」はこれにておしまいです。読んでくださってありがとうございます。(連載期間は1月23日開始~2月13日終了です。こちらからお読みいただけます→https://kakuyomu.jp/works/1177354054881060371


参照:いくひ誌。【31~40】https://kakuyomu.jp/users/stand_ant_complex/news/1177354054881262191

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