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いくひ誌。【1091~1100】

※日々みすぼらしく生きていく、輝くことなく息をしていく。


1091:【雨季】
さっさと出なさいよ、何回繋ぎ直させたら気が済むわけ、あり得ないんだけど。つーかさ、あんたに言われたとおりやったらターゲット死んだんだけど。情報吐かせるヒマなんかあったもんじゃないし、どうしてくれんの、言っとくけど、あたしのせいじゃないからね、言われたとおりにしただけなんだから。なに? 説明って、だーかーらー、(つづきはこちら→https://kakuyomu.jp/works/1177354054881060371/episodes/1177354054885047623)。


1092:【向き】
せんせー、せんせー。やーもう、やっと繋がりましたね。何されてたんですか、またぞろ僕のフェアリーキャンディでも、もちゅもちゅねぶってたんじゃないですか。いいえ、ちがわないです。音漏れてますからね、もちゅもちゅうるさいくらいですよ、さてはごまかす気がないな。用がないならこれでって、そんな言いぐさはないですよ、僕、せんせーのお申し付けどおりにこうして遠路はるばる密林にまで来てるんですから。なんでって、えー、(つづきはこちら→https://kakuyomu.jp/works/1177354054881060371/episodes/1177354054885052393)。


1093:【無期】
待ったかね。すまんな、わざわざドールを寄越させてまで。しかしいつも思うのだが、なぜこうも目に毒な型を使うのだね、きみはもっと控えめな体躯であろう。いや、失言だった。きみも忙しい身のうえだろう、単刀直入に訊く。西部のシンシュンシャン山村を知っておるかね。知らんか。では、南部のウリウリノウ里はどうだ。聞いたことはあるか。そうだろう、あすこは広く魔道石が採れる(つづきはこちら→https://kakuyomu.jp/works/1177354054881060371/episodes/1177354054885060763)。


1094:【無機】
なんだい、おめかししてどうしたね。依頼? どれ、素体来歴はお持ちかい。ほー。ひゃっひゃ、おめさんにしちゃずいぶんとお高くとまった素体だね。ほれ、まずは座れ。そっちのメンテも目当てじゃろうて。ほー、またずいぶんといじくりまわしおってからに。ひゃっひゃ、なんだいこりゃ、【魔道金剛石】じゃないか。こんな貧相な素体になんてもん仕込むんだい(つづきはこちら→https://kakuyomu.jp/works/1177354054881060371/episodes/1177354054885069742)。


1095:【仮想通貨と株のちがい】
価値の低いうちに買っておき、価値が高くなってから売る。その差額を利益とする手法を投機という。投機の対象とされやすいものに株がある。株は、企業の社会的存在価値によってその値段が上下する。単純な話として、企業がたくさん株を発行し、その株を買い求める者が多ければ、株の値段は上昇する。純粋に企業を応援する意味で株を保有する者もいるだろうが、多くは投機目的に株をする。ここ数年、株だけでなく仮想通貨を投機目的に保有する者が増えてきた。しかし、株と仮想通貨ではその構造上、大きな差異がある。株の原理を仮想通貨に用いると、世界経済は大きな混乱に巻き込まれることになる。どういうことかというと、株には企業の成長という付加価値があるのに対し、仮想通貨はただその価値を乱高下させる。貨幣というものは基本的に、流通する過程で、対価に見合う社会的資産を増やしている。単純な例であれば、ビルを建てるのに十億円を費やしたとして、十億円が支払われた後、十億円の価値のあるビルが誕生している。むろん十億円は消えたわけではない。使われる過程で、社会的に価値を増やしている。株も同様である。株の価値があがったとき、ただ価値が増えただけでなく、それに伴う企業の成長が、社会を豊かにする方向に働いている。しかし、仮想通貨はそうではない。ただ、右から左へと金が流れるだけで、価値が膨らんでいる。そこに副産物はない。取引所などの企業が新たに誕生し、新しいビジネスが生まれてはいるが、それが膨らんだ価値に見合う豊かさを社会へ還元しているかははなはだ疑問である。また、純粋に投機に着目するにしても、株によって生じる損益と、仮想通貨で生じる損益とでは、社会全体で損なわれる価値が桁違いである。株の場合は、おおむね、損をした者がいるとき、同時に得をした者がいる。全体として見たときの損益と収益との差が、そこまで極端なことにはならない。そこの差異が極端になるのがバブルである。本質的な企業の価値が反映されていれば、株が暴落することはない(証券も同じだ)。本来、価値が低いにも拘わらず、大量に保有された株があり、その影響で価値が膨らんだ甘い蜜を求める有象無象が、バブルを膨らませていく。全体の数パーセントが利益を得るために、九十パーセント以上の餌が集まっていく。得をする者が、株を売り払って得る利益よりも、残りの大半が損をする価値のほうが大きく上回る(なぜなら一億円を保有している人間にとっての百万円と、百万しか持っていない人間の百万とでは、同じ貨幣でも相対的価値が異なるからだ。同じ額面でも、立場によっては命の値段になり得る)。そうしたとき、バブルは弾け、世界経済に大きな影を落とすことになる。ここで重要になってくるのが、仮想通貨の場合、現状がおおむねこのバブルによって価値が形成されていることにある。価値が暴落したとき、得をする者よりも、損をする者のほうが多く、さらにその損失価値も桁違いである。また、株とは異なり、社会的な価値を生みだしていないため、ただただ世界経済に大きなうねりを引き起こす。仮想通貨の場合、データのなかだけでなく、ごっそりと物理世界の貨幣が消え失せるのである。じっさいには貨幣が燃やされたりするわけではないので、お金の絶対数は変わらない。ただし、これまでに貨幣が流通するなかで蓄えられてきた社会の価値が、すり減るのである。家や、道路や、食料から、家電、雑貨まで、あらゆる社会的価値のあるものが、いっせいに価値を減らしてしまう。仮想通貨のバブルは、株のバブルとは比べものにならないほど、社会的な損失が大きい。国際的に何かしらの規定が発足されないかぎり、世界経済に大きなうねりを巻き起こすことは必須である。投機目的の仮想通貨の保有はこれからも活発に行われていくだろう。また、株に替わる資金繰り策として、多くの企業が仮想通貨の利用をはじめるはずだ。以前にも述べたように、仮想通貨は単一通貨として統一したほうが、混乱はすくなくて済む。自然淘汰による仮想通貨の統一はむつかしいだろう。仮想通貨の制限を巡って、国と国とのあいだの摩擦はさらに過熱するはずだ。しかし、未来に訪れる大きな奇禍を想定し、それを回避すべく、各国が話し合いをはじめる、いまは、時期である。歴史上の失敗から学び、段階的に、まずは国内での仮想通貨の統一、および制限を設けていくのが望ましい。


1096:【無二】
うぃーっす、姐御ぉ、今いいっすかぁ? 例の場所まで来てみたんすけど何もねーんすけど。うぇー? 来ちゃマズかったっすか? やーでももう来ちゃったんで、とりま、探してみますわ。墓っすよね?(つづきはこちら→https://kakuyomu.jp/works/1177354054881060371/episodes/1177354054885080802


1097:【愚痴】
あら、いらっしゃい。珍しいじゃない。どうしちゃったの浮かない顔して。そんな隅っこになんて座らずこっちいらっしゃいよ。どうせ誰も座らないもの。オレンジジュースでいいでしょ。え? きょうは酒って、あら、珍しい。べつに責めちゃないわ。でもそれ、ドールでしょ。酔えないから酒なんて無駄だってさんざん昔は言ってたじゃないの。(つづきはこちら→https://kakuyomu.jp/works/1177354054881060371/episodes/1177354054885088746


1098:【やべー】
HEROさんの最新短編漫画がやべぇ。ネタバレになっちゃうから内容には言及できないんだけれども(でもしちゃうけど)、「○○」×「◆◆」×「百合」になってて、短編のくせにふんだんに旬のくだものを詰めこんでて、思春期特有の家庭と社会とのあいだの板挟みの孤独感というか、不透明さがこれでもかとうつくしく描かれててやばい。ここの短編の「致死量のブルー」です→http://dka-hero.com/top.html。ほかの短編も文句なしに絶品で、代表作「堀宮」含めて、いくひしの基盤になっている作品群です。いくひしは、作品と作家は別物だと考えているけれども、作家さんとしてだいすきな数少ない作家さんです。(途中で母親がぶち切れる場面があるんですけど、読後に見かえすと意味が逆転してたりして、すごいなーってなる。男の子がゴミ持ってくれるところとか、おまえーこのー、ってなる。いけめんやなーって)


1099:【無為】
やあ。そろそろくるころかと思っていたよ。きみと最後に会ってからどれだけの時間が経ったのかはそう、きみの言うように、分かりっこないし、分かりようもないが、それでも「もう二度と会うことはない」と去ったきみがこうしてふたたびぼくのまえに現れるだろうことは知っていたよ。なぜ? それはきみのほうがよく理解しているはずだ。きみはなぜここに足を運んだ? ぼくに会って何を得るつもりだい。だんまりか、きみらしくない。きみはぼくから情報を引きだしにきたのだろう、きみはぼくに訊きにきたのだ、そうだろ? この世にある総じての「知」をむさぼり尽くしているきみが、あろうことか、ぼくなんかの助言を必要としている。皮肉なものだ。きみにとっての自由とは、その莫大な「知」であり、同時にそれら「知」をその身に蓄えることができるのは、きみが物理的な自由をはく奪されているからだ。では、同様にして、物理的な自由を封じされているぼくにはどんな自由が等価交換されているのだろう。(つづきはこちらから→https://kakuyomu.jp/works/1177354054881060371/episodes/1177354054885096117


1100:【武器】
お待たせいたしましたワタクシ、魔具総合相互ギルドのガングと申します。僭越ながらギルドの代表取締役を仰せつかっております。お話に伺ったところ、どうやら大口の契約を申しでていただいたようで、ありがとうございます。ええ、ええ。はい、精霊軍および魔道守衛隊への魔具の供給はワタクシどもが務めさせていただいております。どれくらいの量か、とそういう内部情報はいくらお客さまでもお話できない決まりごとになっております、ご寛恕願えるとさいわいです。(つづきはこちらから→https://kakuyomu.jp/works/1177354054881060371/episodes/1177354054885103682


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参照:いくひ誌。【671~680】https://kakuyomu.jp/users/stand_ant_complex/news/1177354054883882985

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