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いくひ誌。【961~970】

※日々組み込まれたコードをこそぎ落としていく。


961:【957~960の補完】
957:【やる気】
ディビさんの描き込み方が異常。アシスタントっているんですかね。あのレベルですでに単行本二冊分の原稿溜まってるって鬼か何かなんですかね? いくひしがチマチマやってるうちに、だいすきな作家さんがものすごい勢いで成果物をあげている。何より作風の幅が広い。やる気でる。とぅき。

958:【かっこいい】
椎名林檎さん、かっこいい。ディビさんと椎名林檎さんは、いくひしのなかで同じカテゴリです。すきとあこがれと同志、みたいなのがごっちゃになってる。そばにいなくていい、ただそこにいてくれたらいい、自分の世界を絶えず変形しつづけ、その中心にいつまでもいてほしい、あなたがいるところが世界の中心、みたいなのがかっこいい。すき。

959:【シンメトリィ】
利き手でできることを、逆の手でもできるようにする。ただそれだけのことがむつかしい。

960:【イメージ取り】
脳内に展開したイメージをクリアにするには、いちど現実に出力し、デキソコナイの部分を見定め、修正することでしか、適わない。考えたら、まず、やってみる。かんたんなようで、むつかしい。

961:【体感】
体感時間を意識することが重要だ。身体に流れているじっさいの時間との差異を失くすように意識する。速すぎてもダメだし、遅すぎても余計なチカラを費やしてしまう。リズムを意識するだけでは足りない。リズムを時間の流れに乗せてあげる。ただそれだけのことがうまくいかない。


962:【マンガ以外の読書】
マンガばっかり読んでるように思うでしょ? 真実そうなんですけど、いちおう小説や新書も読んでたりしてて、小説の場合はおもしろいのしか基本買わないので、感想書いてなくても、購入した時点でそれはもうおもしろいって決まってる。悔しいので感想書かないだけです。ちくしょー。で、新書のほうは二十冊くらいをチマチマと読み進めてて、ひとり回し読みじゃないけど、まいにち違う本をチマチマついばんでいるいくひしさん、なんだか小鳥みたいでかわいくない? かわいいかわいい。誰も言ってくれないからじぶんで言っていくスタイル、なんて傲慢なこと言ってて聞いてくれるリスナーいる? この世のどこかにゃいる気がする。ハロー、ハロー。今は夜でレトルトカレー食べながらこれ打ってます、そっちはどう? カレーの匂いする? そんなに近くにはいない? 思うんだけど、あなたはいくひしのことを何もしらないと思うのね。顔とか、性別とか、年齢とか、どこに住んでいて、どういう生き方をしてきたのか、とか、何もしらないと思うのね。いくひしも同じで、あなたのことは何もしらないし、しりようもない。だからこそ、こうやってただいっぽうてきかもしれないけど、言葉を介して繋がれることがあるのって、なんだろ、すっごいステキなことだと思わない? いくひしは宣伝とかそういうのをしないでしょ。やり方をしらないだけなんだけど、でも、宣伝をしないで、ほんとうにただ偶然に身を任せて、その任せた偶然が運んできてくれるあなたみたいなひととこそ、いくひしは文字や物語をとおして繋がりたい。ハロー、ハロー。あなたはどこで、なにをしていますか。これからなにをして、どこにいきますか。きょうはマンガはお休みです。物語のつづきに旅立ちたいから、あなたといっしょに旅にでたい。今この瞬間を、未来のあなたと共有できる、そんなすてきな旅路があるのだから、タイムスリップなんてかんたんさ。文字を並べて、ネットの海に放流すると、どこかでいつかのあなたが手に取るの。あなたのなかに芽生えた世界が、今この瞬間の〈ぼく〉と繋がる。ハロー、ハロー。きょうはどんな夢にでかけますか。


963:【銀河の中心には】
理屈のうえでは、銀河の中心にはブラックホールがあると考えられている。ブラックホールにガスや星屑などが落ちることで降着円盤とジェットが光を発する。それらを総括して、活動銀河中心核と呼ぶ。しかしガスや星屑がブラックホールに落ちるためには、外的な因子(相互作用)が必要である。地球が太陽の周りをぐるぐるしつづけるように、ブラックホールもただそこにあるだけならば、物体が絶えず落下しつづけることはない(ほかにも輻射圧が要因にある。エネルギィを放出するため、周囲にあるガスなどの物質を吹き飛ばしてしまうのだ。重力が輻射圧よりつよくないと、「餌」となる物質がブラックホールの周囲に存在できない)。だから基本的に、活動銀河中心核、なかでも降着円盤が生じるためには、外部のちからが必要になってくる。ではそれはなにか、というと、ほかの銀河との相互作用である。銀河の近くを銀河が通過すると、銀河同士が引き付けあい、ときに衝突する。しかし銀河は、その全体像からするとそれを構成する星々は限りなくちいさいため、物理的に衝突することがなく、部分的に融合したり、そのまま通過したりする。さながら渋谷スクランブル交差点である。そうしたとき、ブラックホールの周囲をぐるぐる規則正しく回っていたガスや星屑が軌道を乱され、ブラックホールに引きずりこまれていく。基本的に、クエーサーのようなものすごく明るい天体の中心には、巨大ブラックホール(二つ以上のブラックホールが融合したもの)があると考えられている。この理屈が正しいとすると、単体の質量のちいさなブラックホールでは活動銀河中心核が生じないため、ブラックホールがエネルギィを解放することもなく、観測のしようがない(ブラックホールを周回する天体の軌道を観測することで、ブラックホールの存在を間接的に確認することは可能だ。また、重力波を観測できれば存在の証明になり得る)。ちなみにブラックホールに物質が落下し生じるエネルギィは、宇宙のなかでもっともエネルギィ解放効率が高い。すくなくとも物質の10%がエネルギィとして解放される。最大では40%をエネルギィに変換可能だ(この差は、ブラックホールに回転しているものとしてないものがあるためだとか)。エネルギィ解放効率10~40%がどれくらいすごいかというと、ガスや化石燃料を燃やしたりして取りだせるエネルギィは物質の静止質量比でおよそ100億分の1である。概算で、燃焼反応の最低でも1000億倍のエネルギィをブラックホールは同じ物質から取りだせることになる。また、太陽の核融合反応の場合、エネルギィ解放効率は140分の1だ。現在、原子力発電に代わる技術として核融合炉が実験段階にある。原子力発電の場合は1000分の1なので、大幅なエネルギィ効率向上に繋がる。安全性も、原子力発電より核融合炉のほうが高いと評判だが、個人的には懐疑的だ。原爆と水爆の違いのように、核分裂と核融合では、そこから生じるエネルギィ量に差がある。桁違いに核融合のほうが高い(単純に静止質量比で七倍だ)。また燃料として水素を使用するため、核融合炉が安全かというと、疑問が残る。ただし、ウランなどの放射性物質を使わないので、原子力発電につきまとう、放射性物質の拡散という問題は、核融合炉では発生し得ないという点では、安全であると評価できる。いずれにせよ、人工ブラックホールからエネルギィを取りだせるようになれば、人類はエネルギィ問題に頭を悩ませることは金輪際なくなるだろう。ただし、生じたエネルギィで地球まるごと吹き飛ぶ未来しか見えてこない。もろ刃の剣(つるぎ)ならぬ、モロ破滅の儀である。


964:【階層構造】
AIの階層構造と、いくひしの提唱する小説の多重構造は似ている。等高線を眺めて山のカタチを立体的に思い浮かべるように、多重構造は、複数の絵巻物を立体的に組み合わせ、最後にそれを輪切りにして金太郎飴さながらに断面を一枚画とする、みたいなつくり方をしている。最後は、ひとつの絵巻物のようになるが、それをつくるためには、複数の絵巻物が必要なのである。一枚の写真を眺め、立体に感じさせるだけならばむつかしくはないが、観測者にフレームのそとまで想像させられれば、つくり手としてさらなる進化が期待できる。


965:【まーた言ってら】
なーにが多重構造だ、うそくせ。


966:【ミステリ】
ミステリ小説を読んで、これは論理パズルだ、と思ったことがない。推理のおもしろさを感じたことがない、と言葉を換えてみてもよい。登場人物のなかに必ず犯人がいるのならば、誰が犯人であっても意外ではないし、どういう理由で犯行に及んだのか、どうやって実行したのか、なんてことも、種を明かされたところで、へぇ~、となってしまう(感心はするが、感動はしない)。では何を真相とすればおもしろくなるのか。問うべきはそうではない。なぜなら真相を物語のキモに置く時点で、おもしろさを感じないからだ(譬えとしては不適切だが、たとえばマジックは種を見破ることがキモではない。小説も同じだと感じる)。いくひしは、真相というものに興味がないのかもしれない。それよりも、物語としての構造、人物や会話や描写や独白などが、過程を経て、密接に絡みあい、ひとつの全体像を浮びあがらせる回路が、きれいにすべて繋がったときに、はひゃー、となるのである。なぞなぞをおもしろいと思ったことがないのと似ているかもしれない。なぞなぞを解くよりも、なぞなぞをつくるほうが楽しいし、そのなぞなぞはどういう発想を経て生まれたのか、その思考の道筋のほうに興味が湧く。「発想の道筋」と「推理」との違いは、発想には、これといった、たった一つの筋道がないことだ。幾重にも絡まった線が、ひとつの全体像を描きだす。点と点を結びつけて一本の線を引く推理とは別物なのである。ミステリ小説のなかにもそういった「錯綜する線」の描きだすスチールウールじみたワクワクが詰まっている作品はすくなくない。ただしそれは、ミステリというジャンルとは関係性が薄い。いくひしは物語が好きである。


967:【肝要】
寛容とは、存在の許容である。肯定できずともそれの存在する余地を許容する。否定してもいいが拒絶してはいけない。拒絶する勢力をも拒絶しない。そういう厳しさを併せもつ。いいね、ばかりのある世界が寛容なのではない。そこが肝要。


968:【欠点】
多重構造の欠点は、その緻密さゆえに改稿がきかない点である。一つの場面を書き換えただけで、全体の姿が大きくゆがむ。多重構造は複雑系そのものであり、より現実の世界にちかしい性質がある。ただし、現実では微小な変化は、大きな渦に呑みこまれ、なんの変質も与えないことが往々にしてある。そういう意味では、ちいさな変更は可能である。


969:【つくり方】
多重構造のつくり方は単純だ。一、まったく異なる物語を二つ以上こさえます。二、任意の物語をひとつ選び、それを舞台として規定します。三、舞台の主人公の周囲に点在する登場人物を、さきに用意していたほかの物語の主人公格に置き換えていきます。するとどうでしょう、予想もし得ない物語が新たにそこに幕を開けます。マーベル系の映画がヒットを連発する理由は、基本的にこの手法にちかいやり方で脚本が手がけられているからだろうと妄想するものである。また、「涼宮ハルヒの憂鬱」は多重構造の基本形として参考可能である。主人公がモブ系という点も、多重構造の要素を備えている。(比較的単純な多重構造がこの、置換型である。置換型はリボンを束ねるようなもので、金太郎飴のつくり方に似ている。難しいのは、図形型である。複数の物語が交差する一点でのみ重大に関わってくるため、一つの点がずれただけで、すべての線を構成し直さなければならなくなる。接着剤を使わずに爪楊枝を立体的に編むようなものである。むつかしい分、おもしろい)


970:【作家のすべきこと】
編集者の仕事の負担を減らすことは、業界全体でプラスに働く。作家はまず締め切りを必ず守る、ということを徹底する必要がある(無理なら仕事を引き受けるべきではないし、無理な締め切りを設定すべきでもない)。これだけで編集者だけでなく業界に携わる様々な職人の手間を削減できる。また、締め切りを破ったら報酬の10~50%をカット、原稿をオトしたら違約金を支払う契約を初めから結んでおく必要がある。同時に出版社は作家へ依頼した時点で、報酬を支払う契約を結ぶ必然性が生じる。出版できなくとも「作品を生む」という労働への対価は支払われるべきだろう。ただし作品の著作権を一定の期間、完全に版元へ譲渡するような契約内容になるはずだ。その間に、その作品のアイディアをほかの作家の作品に流用されても文句は言えなくなる。ともかく作家は締め切りを守ることを徹底すべきである。そこを是正しないかぎり、編集者の働き方は変わっていかないだろう。プロはプロらしくあってほしいと願うものである。


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参照:いくひ誌。【231~240】https://kakuyomu.jp/users/stand_ant_complex/news/1177354054882083997

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