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いくひ誌。【931~940】

※日々消えゆく細胞に思いを馳せては、申しわけなく思いたいのに、思えない、滅びていいからちゃんと再生してよ、と憤るじぶんの傲慢さにうんざりする。


931:【あほのひと】
いちおう、お礼も兼ねて、「ホントにもう行ってくれないの? 手伝ってよーっ」とさいごのわるあがきをしてみた。やっぱりもうああいうイベントには行きたくないらしい。疲れるんだって。お金だしてあげるからって言っても、ヤダなんだって。死ねばいいのに。そのわりに、「青空文庫のひといた、しゃべってきた」ってはしゃいだりしてて、まったくの謎。ナンパしに行っとたんか貴様。失敗したから行きたくなくなったとか、そういうんちゃうの、と思ったけど、それは言わないでおいた。どうせこれ読むだろうし。というか読んだ? 読んでるだろ? 苦しめ。いちおう、頼みごとをきいてもらった恩もあるし、黙って耳を傾けてあげてたんだけど、「青空文庫のひと、青空文庫のひと」連呼しすぎてて、なんかへんだなーとは思ってたんだよね、だって青空文庫だよ? 太宰治とか、芥川とかの作品が並んでるところだよ? どんな文豪と会ってきたんだって話ですよ。だいたい生きてるひとで載ってるのって、円城塔さんくらいじゃないの、会ってきたの? すごいなおまえ、とか思いながら、なにげなーく確かめてみたら、まあ違ってましたよね。おまえの言っとんのは「星空文庫」や。青空文庫ちゃうぞ。思いましたけど、まあ黙ってましたよね。恥を掻けばいい。たくさん恥を掻けばいいぞ。ゆいいつの長所と言ってもいい、アホなところ、わりかし嫌いじゃないのでね。まあ、ナンパはほどほどに。


932:【切り捨てていくスタイルではなく】
初めましての読者さんに、つぎも読んでみよう、と思ってもらうにはどうすればよいのか。そのひとに刺さるように物語を編むには、ある程度の読者の選別が欠かせなくなってくる。核を仕留めるには、的を絞る必要があるからだ。だが、的から外れた読者さんを切り捨てるやり方は、あまりしたくない。正確には、もうすでに充分そういうやり方を貫いてきた、という自覚が芽生えはじめている。そろそろ的を拡げてみるのもいいのではないか。むろん以前から、的を拡げる意識はしてきたが、飽くまで作品ごとに的を変えているにすぎない。一つの作品に、多くの読者の琴線が触れるようなつくりを組みこんでいかねばならないのではないか、と思いはじめている。「なんだこれ、つまらん!」となっても、「じゃあつぎのはどうだろう」と思ってもらえるようなスタイルに移行していく時期なのかもしれない。迷う。迷いながらチマチマ積みあげていくほかないのだろう。


933:【敢えて】
好きなライターさんと同じ位置情報の空間にいた。声をおかけするかどうか迷った挙句、まずは座席まで行ってみて、いらっしゃったら、「むかしから記事を拝見しておりました、ラブドールの記事のころ(2012年)から読んでます。一方的な感応で恐縮ですが、記事だけでなく、以前あなたのつぶやいたツイターの一言で、潰れそうな時期を乗り越えられました」とお伝えしようと思った。けっきょく、そこに目当てのおひとはいなかった。売っていた「失恋手帖」だけを入手してきて、その日は「同じ空間にいた」という実感だけで満足した。帰ってきてから二日経ったいまだからこそ思うことなのだが、向こうから会いにきてくれるようになるまではお声掛けするのはやめておこう、売名がしたいわけではないのだから――そう頭のなかで結論付けていたのかもしれない。やっぱりそれで正解だったように思う。二度と会う機会が巡ってこないかもしれないけれど、物理的に会うことの意味は、それほどないのかもしれない。ぼくが進みつづけていれば、いずれ向こうのほうから見つけだしてくれるだろう。そういうことにワクワクしていきたい。


934:【空間微振動】
カプセル状の部屋を、光にちかい速度で微振動させれば、理論上は、カプセル内部の時間の進みは遅延する。たとえばものすごい技術の耐震構造を組みこんでおけば、部屋のなかにいても揺れを感じることなく過ごせるはずだ(部屋内部に空気が存在すると、微振動の影響によって核融合反応を引き起こしかねないので、真空状態が望ましい。或いは、外壁と内壁とのあいだを真空状態にし、磁力か何かで接触部分を失くしてしまえばいいかもしれない)。徐々に振動数をあげていけば、身体が木端微塵になる危険性はなくなり、また、外部に生じるだろう衝撃波も、緩和できる。ともあれ、光にちかい速度で微振動するカプセルがあるとすれば、地球上にそれがあるだけで、地軸はずれるだろうし、カプセルを支える地盤もただでは済まないだろう。宇宙空間に設置すればどうだろう。エネルギィ供給の問題が生じるが、地上に置いてもそれは同様だ。激しく微振動するカプセルは、原理上、外界から完全に乖離する。エネルギィは内部の機構によって供給されねばならない。莫大なエネルギィが必要だ。核融合を利用するのは前提になる。また、カプセルの微振動をエネルギィ変換する自家発電機構と組み合わせれば、すくなくともすぐにエネルギィが枯渇する懸念は薄まる。ただし、カプセルの素材がネックだ。光にちかい速度で微振動しても構造を保っていられる物質が、いまのところ地球上に存在しない。とはいえ、カプセルの振動数が低くとも、時間の進みが遅くなる現象は生じる。いずれ人類は、時間の進む速度を、自在に操れるようになっていくだろう(ある閾値の範囲内であるにしろ)。ただし、一つ疑問なのは、上述した理屈が正しいのならば、「屋内で育てた木」と「屋外にて風にさらされ、枝葉をつねになびかせている木」とでは、そこにある時間の進みに差が生じていることになるのではないか、という点だ。土の栄養状態、光量などの環境要因をすべて等しくしたうえで、観測すれば、枝葉の運動量が多い木ほど、遅く成長するはずである。本当だろうか? 誰かに調べてもらいたい。原子時計以上に正確な時計が必要であるだろうが。或いは、百年、千年単位での観測が不可欠になる(それでも足りないかもしれない)。


935:【奥付】
自作の同人誌に、背表紙と奥付をつけなかった。理由は、編集が面倒だったのが一つ。あとは手作り感をだしたかったのが一つ。そして何より、いくひしは物語を提供したかったのであって、「本」を提供したかったわけではない点が大きい理由だ。本を提供するつもりなら、無料では配らない。ただし、物語ならばべつだ。値段をつけられるものではないと考えるし、つけたくもない。電子書籍にかぎっては、電子書籍化するのに要した労力分の値段を設定してあるが、KDPの場合、値段をゼロ円に設定できない点が影響している(裏ワザでゼロ円にもできるが、アンミリに加入しているとそれもできなくなる)。背表紙については、未だ肩書きのない己を戒め、空白を設けたかったのがつよい動機になっている。奥付をつけない理由だが、たとえば――十年後、百年後に、いくひしの物語を読む人がどこかにいるかも分からない。読み終えたあと、これはどこの誰の作品だろう、と奥付を探すが、載っていない。調べたくても、調べられない。そういうもどかしさって、想像するとワクワクしません? いたずらっぽくて下品ですか? 下品ですね。でも、ワクワクしちゃいます。あとは、やっぱりいくひしの信条としては、小説の完成品とは、読者によって展開された世界であり、作者の記した文字の羅列ではない、というのが第一にあります。奥付をつけるならば、そのひとが読了したその日に、そのひとの手で刻んでほしいと望みます。いくひしの小説は、いくひしが編みこんだものであるにせよ、それを作品として昇華してくださるのはいつだって読者の方なのだ、と考えている。奥付とは飽くまで、製本の履歴であり、小説の履歴ではない。いくひしは編集者になったつもりはないのである。よって自作の同人誌に奥付をつけなかった。けっしてつけ忘れていたわけではない。忘れていたわけではないのだよ。つよく念を押しておきたい。ホント、ちがうからね!


936:【小説家という生き物】
いいか、いくひし。小説家はなぁ、文字を並べ、小説をつむいでねぇあいだは小説家じゃねぇんだよ。勘違いすんな。


937:【こころのこえ】
はぁ……ディビさんのイロになりたい。


938:【うれしい!!!!】
苺ましまろ8巻が売ってた~~!!! レールガンの新刊まで出てた~~~!!!! 「2DK、Gペン、目覚まし時計6巻」も手に入れたし、「女子高生にムリヤリ恋させてみた1巻」も買ってきたし、「春の呪い」の作者の新作もゲッティングハッピーだし、「ひだまりが聴こえる」の続編はお持ち帰りだし、「ランウェイで笑って2巻」は抱きしめたいし、もうなんか、ほくほく!!!!! しあわせ~~~!!!!!!


939:【1000字】
まいにち1000字ずつ進めれば、一年で365000文字になる。長編三つと中編二つ(短編なら六つ)はつくれる。1000字くらいならまいにちつづけられそうに思いませんか?(倍の2000字ならば、なんと730000文字になる。長編七つに中編一つつくれる分量だ)(じっさいには推敲すると削れてしまうので、もうすこし文字数はすくなくなるのだが)


940:【文字数】
一般的には長編小説といえば12万字以上だ。長編小説新人賞の下限が12万字のことが多いからそうなっているのだろう。いっぽうでいくひしは、九万字からが長編だと思っている。これからさき、どんどん短い物語が読者に歓迎されていくだろう(圧縮された分、中身は濃くなる)。1万,3万,6万、9万と文字数の下限を設けた新人賞がでてくれば、市場に歓迎されるのではないかと思っている。同時に、1万、3万、6万、9万と、いくつかの物語を組み合わせて、9万字以上の小説として売りにだすスタイルが流行っていくはずだ。連作短編がよくて、連作短中長編がダメな理由が解らない。


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参照:いくひ誌。【761~770】https://kakuyomu.jp/users/stand_ant_complex/news/1177354054884120508

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