※日々は記憶の砂時計。
921:【思いつき】
テロメアは体重計のメモリのようなものである。老化という現象を量ることはできるが、メモリをいじったところで、変質するのは数値であり、老化そのものではない。
922:【作家と作家性】
小説を読んで、その作家のことが解った気になるのは、それ自体は咎められるものではないし、自由だと思うが、抱いた印象は九割九分勘違いだという考えを持っている。ただし、小説を読んで、その作家の作家性を理解した気になる分には、四割くらいは当たるのではないかな、と思ってもいる。「これを読んだらぼくのことが解ります」という言葉は信用しないほうがよいけれど、「これを読んだらぼくの作家性が解ります」という意味ならば、あながち間違いではない。言葉足らずにならないように気をつけていけたらいいね。いくひし、きみのことだよ。
923:【文学フリマ】
ひとつだけ気になったので、残しておこうと思う。イベントの運営や制作を行ってくださっているスタッフさんへの配慮が、会場全体ですこしばかし希薄な印象があった。じぶんのことは完全に棚上げにして述べてしまうが、スタッフさんの多くはボランティアでイベントを支えてくださっているのだから、手伝ったほうがいいとまでは言わないけれど、労いの精神は持ち合わせていたほうがよいのではないかな、と思う。肉体的にも精神的にも疲弊されているようにいくひしの目には映った。このイベントの参加者、なんか冷たいな、なんてスタッフさんに思われたら、今後の運営に差し障りがでてくることは容易に想像がつく(たんじゅんに人が集まらない)。縁の下の力持ちには敬意を抱いて、接してほしいな、と過去二回の参加を通して思いましたとさ。ちゃんちゃん。
924:【おまえなぁ】
なぁ、いくひし。そんなんじゃねぇだろおめぇ、いいコぶんのやめろ、下品だ。
925:【だいたいあんたさー】
ひきこもりの分際で何言ってんの。行ったのあんたじゃないじゃん。代理人たてといて、又聞きをさも自分のことのように話す癖、どうにかしたら? そういうの、小説にもでるから。ていうかでてるから。
926:【バレてるからね】
ていうかマンちゃんさ、作者のフリしてきてって頼んだでしょ、しってるよー。あの人、マンちゃんに甘いけど、わりかしあたしらに教えてくれるからね。気をつけたほうがいいぞー。
927:【消して!】
消してもまたやるのナシ! やめて!
928:【フリフリ】
という設定で、これからも「いくひ誌。」更新していくね☆
929:【笑笑笑】
いくね☆だって。ぷ!
930:【活動銀河中心核】
どんな物質でも巨大ブラックホールに落下すると、膨大なエネルギィを放出する。核融合反応(太陽)よりも効率よくエネルギィ変換されるため、宇宙でもっとも激しく光(エネルギィ)を発する。降着円盤と呼ばれるものであり、巨大なブラックホールは、宇宙でもっとも明るい天体として観測される。とはいうものの、じつを言えば、ブラックホールの存在は未だに直接観測されてはいない。光を含めた、あらゆる相互作用を外部へ漏らさないためである。しかし、ことしのノーベル賞を受賞した重力波の観測では、ブラックホールが真実に存在することを示す、明確な現象が確認された。重力波とは、時空のゆがみである。ブラックホール同士が衝突し、ひとつに融合すると、あまりの重力のつよさに、時空が歪むのである。時空の歪みは波として、宇宙全土へ伝播する。波が物体を通過する際には、通常発生し得ない「振動」が生じる。時空が歪む(伸縮する)ため、空間が伸び縮みし、同時に物体もまた伸縮する。空間内に内包されている人類にそれを直接観測することはできないが、離れた地点との空間の差異によって、わずかな時空の歪みを観測することは可能だ。そしてそれを人類は成し遂げた。すべては一人の科学者の発想から芽生えた「もし」から導きだされた、根拠なき思索の果ての真実である。目のまえに広がる世界を視ているだけではけっしてたどり着けない領域であると共に、目のまえの世界と真摯に向きあうことでしか結びつかない着想でもある。物語として極上の矛盾を宿している。思いを馳せるだけでフワフワしてくる。たのしい。
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参照:いくひ誌。【661~670】
https://kakuyomu.jp/users/stand_ant_complex/news/1177354054883818775