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いくひ誌。【911~920】

※日々人に嫌われもせず、好かれもせず、ただ記憶の片隅をさすらい歩いていく。


911:【多数決と複雑系】
確率の問題として、答えありきの単純な多数決では、もっとも多くの支持を得た答えが正解になる確率が高い。選択肢が十個ある場合、無作為に選べば当たる確率はどれも一〇%である。また、百人に回答してもらえば、一つの選択肢につき十人ずつ振り分けられることになる(バラツキはあるだろうが)。しかしもし答えを知っている者が一人でもいれば、当たりの選択肢が一人増え、ほかの選択肢のどれか一つが、十人以下になる。答えを知っている者が多くなれば、連動して間違った選択肢を選ぶ人数は減っていく。基本的に、答えありきの多数決では、それを選ぶ者が多いほど、そして個々人が異なる分野の答えを持っているほど、多くの支持を得た選択肢の当たる確率が高くなっていく。回答者の数と多様性が正答の精度を高めるのである。言い換えると、集合知の有効性が発揮される。では選挙はどうだろう? どの政党、どの支持者が正解か? 答えがそこにあるだろうか? もしないのだとすれば、選挙における多数決では、集合知がうまく機能しないと言える。マスコミの流したたった一つの情報が、選挙の行方を左右することは珍しくない。党首の失言一つで、政局の流れが変わることもある。ちいさなきっかけが、大きな流れを変えてしまう。これは複雑系にみてとれる性質である。本来、多様性が保たれていれば、そうしたちいさなきっかけが大きな流れを左右する確率はちいさくなる。だが、選択肢を選ぶ者たちが一様に、同じ方向を向き、同じ感情に流されるとき、集合知の機能は失われ、複雑系がその集団に宿りだす。気を付けなければならないのは、複雑系においても、ある程度の流れをつくることは可能だという点だ。鳥たちが各々好き勝手に飛び交っても、群れのカタチを崩さないのと同じように、一つの規格に内包されたシステムは、中身の構造の複雑さに拘わらず、操作可能なのである。(※鳥たちは好き勝手に飛び交っているつもりかもしれない。しかし、「まえを飛ぶ鳥のあとを追え」というコードが一律に組み込まれていれば、そしてそのために、群れが形成されているならば、それはもう、多様性があるとは呼べない)。多数決の基本は、集合知の性質をうまく引きだすことにある。偏見や陽動に流されないように個々人が気を配ることが肝要だ。偏見や陽動そのものを禁ずるのは本質的な解決にはならない。偏見を抱き、陽動に流される人がいても、それはそれでよいのである。それらを含めて、各種さまざまを許容することが真の意味での、多様性に繋がるのだから。(※許容することと肯定することは異なる、念のため)


912:【みかんおいしー】
未完で放置してる物語の数、たぶんだけど発表済みの物語の倍はある気がする。80くらい? 十八万字までつむいで放置とか、六万字つむいで放置とか、それだけでも10はありそう。あとはお話としては完結してるけど、ボツにしたやつもか。閉じてあるやつは、ボツ作集としてまとめて放流してみるのもいいかもしんない。たぶん、掌編合わせて60くらいはあるはず。いくひし、むかしはこんだけヘタクソだったんですよーつって。いまもヘタですけどねーっつって。ヘタはヘタでもクソは抜けましたよーっつって。あ、いいかも。でもなー、できればキレイないくひしだけ見ててほしいからなー。むかしのちたないのとかやだなー。いまもまだちたないままって事実からは目を逸らしておきたいなー。だめかなー。でもなー。いまね、いくひし、手をうしろに回しながら足元の小石蹴ってるからね。下唇つきだしたりしちゃってるからね。なんだったら、やだなー、やだなーって、稲川淳二みたいに語りだしちゃってるからね。よくよく考えて、サービスになりそうだったらやっていこうかなって、本当に今これパチパチしながら思いついたからね、読まれたくないものでも、需要があればお応えしていくのがプロだと思うのね、でもいくひしさんはプロではないですからね、えぇ、しばし考えてみようかと思います。(ざっとファイルを数えてみたら未完を含めず、ボツ作と掌編だけで150ちかくありました。すっかり忘れてたやつ。たぶん2009年ごろにつくったやつ。処女作をつくっていたのと並行して、日記代わりにでもしていたのだと思います。一般に、長編十作つくるまでにデビューできなきゃ才能ないから(作家になるんは)諦めろ、という言葉があります。たぶんそうなんだろうなと思います。じっさい、いくひしは長編十作じゃ足りなさすぎるくらいの文章をつむいでも、現状このレベルにしかなっていないわけですからね。なんだろ、腹が立ってきたぞ。でもさでもさ、しょうがないじゃん。だってさ、むかしはさ、いくひしさ、「ん? 述懐ってなんだ? 睥睨? 訝しむ?」こんなレベルの人間だったんだもん、自業自得なんだもん。えーん、えーん。いったい何の話してんのか分かんなくなってきちゃったよー。あ、わかった、勉強ってだいじですねって話だ。ちがうか)(はーい。いくひしには珍しく、じぶんのことを並べてみたよ。すこし前の記事で、「じぶんのことは書かへんよー」って書いたからかも。へそ曲がりもここまでくると愛くるしいじゃろ?)


913:【顔認証システム】
自撮りは控えたほうがよい。すくなくともそれをインターネット上にアップするのは推奨しない。顔だけでなく、これからは身体的特徴、とくに骨格、身体の輪郭から個人を同定することが可能となる。ネット上にアップされているあらゆる画像のなかから、あなたの画像を見つけ出すことがいともたやすい時代になっていく。音声なども同様だ。SNSに投稿された画像や、街かどで隠し撮りしたあなたの画像をもとに、あなたの素性をネット上から拾い集めることが、(技術的に)現状すでに可能なのだ。十年後に後悔しないよう、今から個人情報の扱いには意識を配っておきたいものである。


914:【なんか多い日】
11月に入ってから、ちょっと本の購入数が増加傾向にある。なんでじゃろ? この一週間、まいにち四冊とか六冊とか買いつづけてるけど、欲しい本がいっきょに出すぎじゃない? あ、ぜんぜんいいことだよ、ウェルカムトゥー、ハッピー、ハッピー。ムリに英語使ってみたけど合ってる? だめ? おもしろい本がたくさんなのはうれしいよ、うれしいけれども、買ったはいいけど、読む時間がつくれないっていうね。ちょこちょこっとは読んでるよ? でもただでさえ、積まれた本を、ちょこちょこっと読みつづけてる日々なのに、さらにちょこちょこってしてかなきゃいかんとくれば、こりゃあ、もう、ワキから足の裏からこちょこちょチョコレートパーティーだよ。ムリに横文字使ってみたけど合ってる? だめ? だいたいさー、いくひしさん、貧乏なのよ。そりゃーもう、まいにちのように素うどんが主食の懐さびしんぼさんなわけ。それで、こうも読まずに積まれるブックタワーにだいじな金銭つっこんじゃうってのは、なんかこうさー、せめてブックカバーくらい買いたいよね。したらお外で周りの視線を気にせずに、羽蟻がごとく妄想の大海原をひょろひょろ舞い落ちていられるってー寸法よ。どう? 意味わからんじゃろ? そういえば、さいきん目にした俳句でいちばん「おおっ!?」ってなったのはねって、あ、話変わるけどだいじょうぶ? おもっきし脈絡シカトしちゃったけど、ついてこれる? むりそう? だめ? がんばって。で、俳句ね、俳句。さいきんイイナってなったのが、「空見れば、我よ我よと、枯葉舞い」ってやつで、あ、ごめん、かなりうろ覚えで言っちった。自信ないから確かめてきていい? は~い。確かめてきたよ、正確には、「見上ぐれば、我よ我よと、落葉降り」だった。どう? なかなかじゃろ? うろ覚えのほうと比べてどう? 思いだしながら書いたのに、合ってるの真ん中だけっていうね。文章の神秘。どんなに、あれいいなぁ、ってなっても、ぜったい同じになんかならない。あ、ごめん。ぜったいは言いすぎた。同じになったら奇跡、運命ってくらいの確率だよってことが言いたかった。それはちょうど、いくひしの好きな小説と、あなたの好きな小説がいっしょで、しかもそのブックカバーまで同じでしたってくらいの運命度。不名誉なんてことはないよ、なに言ってんのさ、いくひしとの運命を感じようよ。したら心は澄みわたり、透明度はトルネードと化して、あなたのこころを貫くよ。開いたトンネルを抜けると、そこには息吹があって、世界の隙間に吹きすさむ、人はみな息吹である。砕け、散り、舞う、しぶきのごとく。==MAN IS IBUKI. NAMISIBUKI== なーんて、カッコつけて英語使ってみたけど、どう? 合ってる? だめ?


915:【サボったときは】
何かをサボってしまったときは、気持ちを切り替えるのではなく、考え方を切り替えるとよい。サボったのではなく、一日が伸びたのだと。偶然そのとき、二日が一日分になっただけのことであり、つぎの日からまた継続すれば、それはサボりではないのである。一日が一日だと誰が決めた? 二日が一日でもいいじゃないか。「嘘喰い48巻」を読んで、きのうサボったじぶんを誤魔化すのに必死ないくひしまんでした。


916:【ガス】
固体かつ液体の人類からすると地球は、大気、海、地表と三層に分かれているように観測されるが、ガス生命体とも呼べる希薄な形態を持った生命体がもし存在するとすれば、大気の層そのものが硬い岩盤に相当する。そういう意味では、我々が太陽に抱く、「あんなところに生命体がいるわけないじゃん」という所感は、我々の脆弱さゆえの偏見でしかなく、ひょっとすれば恒星に芽生える生命体も宇宙のどこかには存在するのかもしれない。なんてことを言いだせばきりがなく、また地球上から観測する以上、確かめる術はないので、可能性の低い仮説は妄想と片づけて、ひとまず、すでに実存を証明している人類という種族を基盤に、宇宙へと目を配ろうではありませんか、というのがいまのところの方針なのであろう。しかし、じつはすでに人類は地球外生命体と相対しているのかもしれず、しかし、知覚可能な「層」が互いに異なるため、互いを生命体と認識できないだけなのかもしれない。そういう意味では、ある意味、妖精や精霊、八百万の神々とは地球に飛来した地球外生命体の気配そのものなのかもしれない。


917:【表面張力】
高さ十メートルを超える植物がどうやって上の枝葉にまで水を運ぶのか。明確にこれだ、という答えは、いまのところ出ていない(はず)。さまざまな仮説のあるなかで、いくひしが考えたのは、雨や大気中の水分を、葉や枝がとりこめる、というもの。それから、維管束に底ができる説である。後者のほうが有力かな、とにらんでいるが、どうだろう。水の通る管を下から上に伸びる一本の空洞として考えるから、解らなくなる。ならばいっそ、部分的に塞がったり、開いたりを繰りかえしながら、水を、表面張力によって上へ上へと運んでいると考えれば、筋が通るのではないか。筋が通らなくなるから、けっかとして筋が通るようになるのだ。バケツリレーのようなものだ。表面張力ギリギリまで水が昇れば、いちど水の通った箇所は塞がり、そこが底となって、さらに表面張力の働く余地ができる。維管束がものすごくゆっくりと蠕動運動をしている、と言い換えてもよい。いくひしの苦手な物理なので、適当なことを言っている。得意な科目があるのか、との声には、聞かんでおくれ、と応じよう。表面張力ってなんですか。


918:【11/23お礼】
初めて足場ができたような感覚になりました。わーい、やったー、という気持ちよりも、どちらかというと安堵感があります。いくひしはきっとあなたに読んでもらうために物語をつむぎつづけてきたのだと思います。いくひしはいつだって、あなたのようなひとに向けて言葉を並べつづけてきたのだと思います。そしてこれからもきっと、同じように、あなたのようなひとへ向けてナニゴトカをつくりつづけていくのだと思うのです。ひょっとしたら、すでにもう、あなたへ向けての言葉ではなくなっているかもしれません。一瞬の出会いです。交差し、点を結んだあとは、二本の直線は延々と離れつづけていくさだめにあります。ですが、それでも、たったいちどでも交じりあえる線が、この世のどこかにあったのだと知れたことが、なにより得難く、救われた心地になるのです。初めて面と向かって、いくひしのなかの誰でもない、そとにいる、いくひしではない誰かに、すごいよかった(おもしろかった)、と言ってもらえました。わざわざ身体を動かして、移動して、言いにきてくださいました。いくひしの並べた言葉の羅列が、ひとりの人間を、いっときであれ、動かした。言葉が届き、行動として変換された。小説のチカラなんてまやかしだと思いつづけてきたいくひしですが、初めて小説にもすこしくらいはチカラがあるのかもしれないな、と思えるようになりました。一つの大きな節目になります。延々と残りつづけるだろう影響のきっかけをくださって、ありがとうございます。(心残りなのは、あなたはどんな物語をつむぐのですか、と訊ねられなかったことです。とっさに言葉がでてきませんでした。ぜひ、読んでみたかったです)(あと、本、重かったですよね。お荷物になってしまったかと思います。気が回らずすみませんでした)https://c.bunfree.net/c/tokyo25/1F/B/56


919:【先輩方】
ようやく挨拶できました。一区切りがついた心地である。かってながらに励まされておりました。いつの日にか、お渡ししたものが財産になるように精進してまいります。


920:【真似できないことが悔しい】
上手なものよりも、コピーしようとしてもできないもののほうが、惹きつけられる。大衆に迎えいれられるための条件の一つに、真似したいと思わせられるか否かがある。真似したくとも真似できないものに憧れを抱くのは人情だ。スターとはいつの世も、真似したくてもできないものではなかろうか。真似したくなる基準は、人それぞれだ。個人的には、じぶんのなかにその要素があるかどうかが基準になっている。取りいれようとして、すんなり取りいれられるものもあれば、どうがんばっても馴染まないものもある。傾向として、お手本として完成している「上手なもの」ほど取りこみやすい。反して、一癖も二癖もあるもののほうが、なかなかじぶんに馴染まない。抵抗が大きいのだ。そうしたもののほうが、いくひしは魅力をつよく感ずるのである。魅力を感じる方とはしゃべりたくなる。あなたは魅力的なひとです。


920.5:【ヘソで茶が沸けらぁ】
いくひし、おまえに言われてもなー。


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参照:いくひ誌。【461~470】https://kakuyomu.jp/users/stand_ant_complex/news/1177354054883128841

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