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いくひ誌。【901~910】

※日々何かが欠けていく、その欠けた何かをあなたが拾い、あなたの欠落を埋める、よき部品となればいいのに。


901:【視力低下】
物語でなければ伝えられないほどのモヤモヤが、いまのところ見当たらない。だいたい二千字くらいで、ぼんやりとした結論をだせてしまう。視野が狭くなっている証拠だ。飛ばして、散らして、混ぜかえしていこう。


902:【つまらんマン】
いくひしは世界一つまらない人間だとじぶんのことを思っているので、じぶんのことは極力しゃべらないようにしている。基本的には物語にもここにも、じぶんっぽいものはいっさい取り入れていない。いくひしの好きなことはいろどり程度に添えてはいるかもしれないけども、なんだかんだとほらね、もうすでにじぶんのことについて語っている時点でものすごくつまらないでしょ? いくひしはいくひしの本質にちかいところはいっさい並べないのだ。ほんとうはものすごく並べたいのだけれども!


903:【無知の知は恥ではない】
無知だからといってそれを恥ずかしがる必要はない。この世に無知ではない人間などいないのだから。そのことさえ知っていれば、あとはもう、どんな人間も五十歩百歩である。どんぐりの背くらべで一喜一憂するような人間にならないだけでも、無知を恥じだと思わないことに価値があると呼べる。未知を紐解いていくことはただそれだけで楽しい。それはけっして、無知を恥じて得た成長ではない。つまらないおとなにだけはなりたくないものである。


904:【ぺっ!】
えらそうに言ってら!


905:【ねぇねぇ】
さいきんのいくひしさん、なんかちょっと気取ってない? やだわー、ああいうの。


906:【頽廃は大敗で大概にしゅき主義】
情報量という観点からして小説がツイッターに勝ることはこのさき、ほとんどあり得ない。何千万人という集合知に、たった一人の作者の知識が適うわけがない。ともすれば、その乏しい知識、偏った知識には価値を求めることができるかもしれない。その価値を個性とひとまとめにして呼ぶにはいささか漠然としすぎている。なので、ここでは情報の質としておこう。集合知の欠点として挙げられるのは、一つは、統合性に乏しい点だ。体系的ではない、と言い換えてもよい。専門的な知識は蓄積されるが、それを他分野の情報と結びつけるシステムが、集合知には備わっていない。知識ではあっても、知性ではないのだ。ゆえに、百科事典のように、知識を結びつける者がそれを利用する分には、大いに役に立つが、ただ知識を溜めこむだけの者が利用しても、バックアップとしての意味合いしか生じない。人間を記憶装置とするバックアップはおおむね、情報の激しい劣化を及ぼす。人間を媒体にした集合知には、時間が経過するにしたがい劣化していく、という短所があるのだ。ツイッターでもその傾向は観測できるだろう、デマやフェイクニュースを引き合いにだせばそれらしい。その点、小説は、SNSやネット情報、書籍などの集合知をもとに、知識を体系的に結び付けて叙述される。情報の質として、ツイッターに勝ることが可能だ。だが、同様の理由から、小説以外の書籍のほうが、情報の質は高いと呼べる。わざわざ虚構を題材にした小説を読むよりも、専門書やその題材に焦点を当てた新書のほうが、情報の質は高いと呼べる。では、小説におけるつよみとは何だろう? 多彩な情報を仕入れたいならばツイッターを眺めていればよい。情報の質を求めるならば専門書を手に取ればいい。娯楽に焦点を当てるならば、わざわざ小説を読む必要はない。それ以上に、お手軽で、脳内麻薬の分泌が促進される媒体がそこかしこに溢れている。現代において、ほとんど小説のつよみはないと呼べる。ゆいいつの利点は、読者でなく、作者側の視点にて生じている。小説をつくるだけならば最低限のコストしかかからない、という利点である。だが、どんな分野でもそうであるが、成果物の質をあげるには、コストをかけなければならない。しかしながら、小説のつくり手ばかりが増え、需要者の減りつづけている現状、いかにコストをかけ、作品を磨きあげても、かけたコスト以上の見返りは期待できない。何を見返りと見做すのか、という問題がまずあるにせよ、読者数を確保できない、という点では、期待薄だと断言してよい。金銭的対価にしろ、承認欲求にしろ、名誉にしろ、まずは多くの読者を確保することが前提にたつ。可能性の問題として、小説をつくるよりもまずは、ほかの分野で成りあがり、知名度をあげてから小説を発表するほうがよほど効率的だと言える。おそらく小説一本で成りあがるよりも、そちらのほうが障害がすくない。たとえば現在プロとして活躍している小説家が、名義を変えてインターネット上に作品を公開しても、注目されることはほとんどないと予想する。プロですらそうなのだ。一介の素人作家の小説など、よほどの運が重ならないかぎり膨大な作品群に埋もれ、一生日の目を見ることはないだろう。では、小説をつくる旨味はどこにあるのか。現状、小説をつくることそのものを旨味と見做すほかにはないと呼べる。あらゆる媒体のなかで、小説ほど現代社会に適していない媒体はない。これからさき、どんどん需要はなくなっていき、野生に群生するアマチュアの小説のみで、供給が満たされる業界になっていくだろう。プロは、一握りの、スポンサーのついた者だけがなり、彼氏彼女らは、小説の権威を保つためだけに存在するお飾りに成り下がる。ある意味で、現在の俳句のようなものに、小説はなっていく。その過渡期では、小説家の多くは、ほかの媒体の原作者として、生き残りをかけていくだろう。素材の提供者としての道へと舵をとり、やがてはそちらのほうが本業となっていくはずだ。プロがそうなっていくのだから、後続するアマチュアは、小説を書くことよりも、いかに素材として優秀なアイディアを出せるかが肝になっていく。小説家は今後、AIによる自動脚本技術が確立されるまで、コンテンツ産業の家畜として使い捨てにされつづけていくだろう。世の中、第一次生産者はいつだって、市場に搾取されつづける定めなのである。


907:【背肉】
胸はぺったんこなのに、背中にばかり肉がつく。ぐってやってぽいって、うまい具合におっぱいできないかな。おっぱいっていうか、雄っぱいか。胸はぺったんこなのに、お腹はぽっこりしてきてるし、なんだろうなぁ。世の中うまいこといかんなぁ。


908:【流されてない?】
なぁ、いくひし。世のなかに漂う理想のプロポーションとかいうやつに流されてないか? べつに胸が平たくたっていいじゃんよ。背中に肉があったっていいじゃんよ。お腹がぽっこりしてたらダメなのかい? いいよいいよ、理想のじぶんを追い求める、けっこうなことだけど、本当にそれがおまえさんの理想なのかい。


909:【系】
まず点があり、線となり、円となり、面となる。円と円が重なりあって、境界ができ、重複したところが波となる。それら一連の流れが、一つの系として機能する。系はそれで一つの点として昇華され、さらにべつの系と影響しあい、線となり、円となり、面となり、波となる。系が途切れれば、そこには無数の円があるだけとなる。その円もまた、系として機能しなくなれば、無数の円に分離していく。系には無数の系が内包されており、系は一つの「閉じた回路」として存在している。系をフレームと言い換えてもいい。フレームに納まっているかぎり、そのなかでのみ、完結する影響の連鎖が生じている。空間や時間もまた、そうした系の連鎖反応によって生じる現象にすぎない。空間や時間は、系の数だけ存在し、それらが相互に影響しあって世界は枠組みを保ちつづけている。連鎖する影響を溜めこむ系が、さらに複雑な系を構成していくそれらシステムの中に、生命体という系もまた存在している。


910:【接点】
点と点、系と系が接触(重複)しあう境界では、系に内包されない、異なる干渉が生じている。それはたとえば、相対性理論にも当てはまる。光の速さで移動している物体は、宇宙空間を高速で移動するかぎり、ガスや物体と衝突し、外装が破壊されつづけていく。いくら内部の時間が遅く進んだとしても、外部との境界においては、高速で移動すればするだけ、変化が加速する。変化は時間の別名だ。言い換えれば、相対性理論で光速にちかづくと時間の進みが遅くなるのは、遅くなった分の時間を、系と系との接触(重複)部分にて消費されるからだと考えるのが妥当である。基本的に系の内部においては、時間や空間はその系固有の流れを宿しているが、ほかの系との接触(重複)部分においては、そのかぎりではない。(同様の理由から、真空中と大気中での時間の進みには差異があることが導きだせる。言い換えれば、質量が異なる環境下では、時間の進みにズレが生じる。この考え方は一般相対性理論に矛盾しない)(思考実験:あらゆる物理干渉の及ぼされない空間を光速で進むならば、時間のズレは生じない。なぜなら、二つの物体のどちらかが移動したとしても、移動しているほうから見れば、止まっているほうが遠ざかっているように映るからだ。これを相対速度と呼ぶ。何かが高速で運動するとき、周囲の静止している物体もまた、高速で運動していることと同じ現象が生じる。相手の時間が遅く進むとき、相手からするとこちらのほうが遅く時間が進んでいる。客観的にみたときに、時間の差異は生じていない。このとき、それらを内包する空間はひとつの系として機能している。系の内部では(系のそとから観測した場合)時間の進みは均一である。ただし、一定ではない)


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参照:いくひ誌。【391~400】https://kakuyomu.jp/users/stand_ant_complex/news/1177354054882828521

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