※日々脳のメモリが減っていき、補完すべく、肉体にシワが刻まれていく。
851:【脱力】
ちからを抜くことを意識しつづけて五年。ようやくすこしカタチになってきた。と、いうよりも、思ったよりはやく限界がやってきて、しぜんとちからを抜かずにはいられなくなっただけのことではある。とはいえ、やはりまだ「本番」を意識するとちからが入り、全体的に硬くなる。硬くなっただけ、セーブをかけて、ゆるやかに、なめらかに、線を、緩急を意識しなくてはならないのに、まだそこまでの融通無碍は獲得できない。自由自在には程遠い。本番でも遊べるだけの余裕を。
852:【遊びと悪ふざけ】
遊びと悪ふざけの違いを見極めるのは難しい。客観的に線引きすることはほとんど不可能だ。それは区別と差別の違いほどの曖昧模糊とした類似性を伴っている。反面、明確に二つは同じではない。遊びは自己完結しており、悪ふざけは他者との共謀によって成立する性質がある。一人で遊ぶことはできても、一人で悪ふざけをすることはできない。結果的に遊びが、イタズラとして見做され、非難されることはあるだろう、しかし遊びは常にじぶんの中心へと向かい、悪ふざけは外側へと向かっている。それは、表現と自己顕示の違いだと呼べるだろう。或いは、芸術と承認欲求の違いであると。
853:【終わりなきパズル】
Q、「あなたにとっての創作とは何ですか?」
A、「世界でただ独りきりになってもやめる理由が見つからないものです」
854:【じっさいのところ】
小説をつくることに限定していえば、あと十年以内にスパっとやめてしまいそうな感覚がある。飽きたらやめる。ムリをして続けようとは思わない。何かを新たにつくりだす、これさえできれば、その対象は割となんでもいい気がしている。そういう意味では、やはり小説は便利なのだ。
855:【でぃ、でぃ、でぃ】
ディビさんがツイターでお題箱置いてる―ーー!!! 描いてほしい絵のお題をちょくせつ聞いてもらえるのだ、なんて、なんてぜいたくしごく……。ものっそい送りたい、書きたい、聞いてもらいたい、のに、のに、うわーん、緊張しすぎてなにも送れない。勢いあまって好きですって告白しちゃいそう。てかしたい。告白したい。なんだったら主従関係結びたい。ご主人さまって言いたい。奴隷の称号がほしい。でも奴隷がごしゅじんたまに好きですなんておこがましい。そんなこと言っていいわけがない、ぜいたくすぎる、しぬ。
856:【お金が貯まったら】
お金が貯まったら一枚三〇万円くらいでディビさんに表紙絵を依頼するんだ。で、いつかいくひしの本の表紙全部をディビさんに描いてもらうの。いまは三〇冊くらいあるから全部で一〇〇〇万くらいかかる。しぬ。(ぜんぜんそれでも安いと思います。そんで、そんで、いつかディビさん表紙絵の画集をつくって、それも世に放ちたい。もちろん絵の権利はいつだってぜんぶディビさんにある。こんなやつの表紙なんてやーだよってなったら、いつでも撤回してもらってだいじょうぶ。お預けというやつだ。ご褒美)
857:【KINJAZ - Anthony Lee 】
https://www.youtube.com/watch?v=pWcmRi4lvY0https://www.youtube.com/watch?v=tzK6P1aOUx4https://www.youtube.com/watch?v=AfiLTMiMaHohttps://www.youtube.com/watch?v=m259CYurBgM858:【上野さんは不器用】
tugenekoさんの「上野さんは不器用3巻」を読みました。1、2巻はすでに購入済みで、5月かそこらに読んだのですが、これは単純にツイターで某インフルエンサーハイロー氏こと、とあるミステリ作家さんのリツイート(つぶやきだったかも?)で知って、即購入してきたマンガです。ちなみにいくひしは、その作家さんの小説を買ってこようとして間違って円城塔さんの小説を購入してそのままハマった経歴があります。名前が似てるんです。字面が。何よりいくひしの下の名前は「まん」なのですが、その作家さんはいくひしの名前を濁らせたようなお名前でして、何かと因縁があるなーとかってながらに思っておりました(無冠の帝王ってところとかとくに)余談です。「上野さんは不器用」の主人公、上野さんはヘンタイでして、つつしみあるヘンタイでして、思春期の女の子なのにヘンタイでして、みょうちくりんな発明をしては、想い人にじぶんのパンツを見せつけてドキドキしてもらおうと画策するのです。じつにヘンタイです。ヘンタイの鑑です。ところがどっこい、いつもうまくいきません。たまにうまく事が運びそうになっても、ヘンタイのくせして小心者でもありますから、ヘタレっぷりを存分に見せつけてくれます。思いきりがよい割に、思いこみが激しく、自信過剰のくせして自己評価は低いときたものだ。なんだか誰かに似ているなぁって思いませんか? ヘンタイでヘタレで天才で、そのくせうだつのあがらない報われない系キャラですよ、ほらほら、なんか親しみ湧いてきませんか? え? 天才の要素が見あたらない? はて、なんのことやら。なーんて、すっとぼけてみせたら天下一品の上野さんをぜひその目で確かめてほしいですね。2017年11月02日のいくひしまんでした。
859:【はんぶっしつ】
反物質をご存じですか? 物質の構造がまったく同じなのに電荷のみ真逆なので、プラスとマイナスがくっついてゼロになってしまうみたいに対消滅してしまう厄介なやつです。双方のエネルギィだけ残して、カタチがまったくなくなってしまうんですね。宇宙が誕生した瞬間にはすべての物質に同じだけの反物質が存在していたらしいのですが、対消滅をしつづけて、いまではほんのわずかな物質だけが残り、それがこうして星々をかたちづくっているわけなのです。でもちょっと待って。物質と同じだけ反物質があるなら、そのうち物質がぜんぶなくなっちゃうんじゃないの? というか、どうしていまこうして星々が銀河を形成していられるの? それっておかしくない? ということで、すこし前までは、反物質と物質のあいだには、なんらかの差異があり、対消滅時に僅かに反物質のほうが多く消費されて、結果としていまこうして星々を構成している物質が残ったのではないかと考えられていたのですが――じつはさいきん、ものすごい精度の高い装置で計測してみたところ、物質と反物質のあいだに、電荷以外での構造的差異がまったくないことが判明したんですね。もうすこし正確には、磁性になんらかの差異が生じているのではないか、と考えられていたわけなのですが、なんとそれすら同じだったわけです。まったく同じ。ならばいま現在、どうして星々がカタチを保っていられるのかが判らない。あり得ない。可能性としては、人類がまだ観測できていない成分に差異があり、対消滅時に反物質のほうが多く消費されてしまった説があります(憶測ですが、そう考えるのがもっとも理に適っています)。ほかには、物質がこうして偏って集まり、銀河および銀河団が形成されているように、反物質もまた、独自に偏って集まり、銀河の反物質とも呼べる塊を形成している説。あとはもうひとつ、これはいくひしのまったくの妄想ですが、べつの次元に反物質が飛ばされている説が考えられます。これというのは、我々のこの宇宙と対となる、その世界そのものがこの宇宙の反物質でできている、という考えです。その考えを元に膨らませた小説が、「異世界の蛇口~~神殺し魔起き~~」なのですが、じつはこれ、見知らぬ男女の人格入れ替わりものでもありまして、はい、そうなんです、例の大ヒットアニメ映画「君の名は。」とまったく同じ設定を題材にしているんですね。でもすこし検索してもらえれば判ってもらえると思うんですけど、いくひしのほうがつくったの一年ほどはやいんです。2015年8月には某新人賞に応募し終わってますからね。真似っこじゃない。まったくの偶然。でもじつはすこし狙っていた部分もあります。こういうのぜったいヒットするでしょーって思って、いつだっていくひし、つくってますからね。でもだからって「君の名は。」が、その設定でヒットしたわけでは、けっしていないのと同じように、いくひしがどれだけヒットしそうな要素を物語に組みこんでも、それが直結しておもしろさに繋がるわけではないのです。創作ってむつかしいですね。すこしばかし、「いくひし見る目だけはあるんですよー」って自慢をしつつ、自作の宣伝をしつつ、それっぽい雑学を披露しつつ、あんまり大袈裟にプッシュはできないので、半プッシュくらいの押し加減で、もういちど自作を宣伝しておこっかなぁ、と思います。いいですよね、たまにはね? いいよいいよー、やっちゃえ、やっちゃえ。てなわけで、「異世界の蛇口~神殺し魔起き~」――SF風味の異世界転生ものですが、現世とあっちをいったりきたり、オナニーをして世界を救う話なのに、なぜかせつなく、涙がほろりと滲んじゃう、そんなわけあるかいな、と読んでみたら、わけのわからぬままに自慰して目元がうるうるだ。さいきん異世界転生に飽きてきたあなたにも、異世界転生ってどんなもんよ、とすこし気になっているあなたにも、こんなわけわからんチンチンな物語はほかにはないから読まずに済むならそれがいい、読んだら読んだでお目汚し、業界屈指の面汚し、プッシュしているのかいないのか、冗談半分の、半プッシュ、人格転移に反物質のでてくる、カオスでコスモな物語、おひまを消滅させたいあなたにも、いますぐ消えたいあなたにも、ぴったりくる現実世界の裏の世界、触れたが最後、まるごと対消滅しちゃってもしらないよ。命知らずのあなたに贈る、新感覚アドベンチャー、全ジャンルを網羅したい、思いでつくった2015年の珍作です。ぜんぜんせつなくなんかないじゃんか、と言いたいがために読んでみるのも一興ではないですか?
860:【もし】
もし、いくひしよりさきにディビさんの絵を表紙に起用した出版社および作家さんが現れたら、いくひしは嫉妬の鬼になる。生えたツノが月に突き刺さって、ピーンっていくひし、ものすごい勢いで地球の自転に置いてきぼりで、一瞬で街という街を破壊していく未来が視える。さながら回転ずしをせき止める関取、みたいな感じ。同時に、ぜひともあのステキな絵を本の表紙に飾ってほしいなとも思う矛盾で、身もだえしちゃう。どうしたらええの?(はやく金貯めろ。てか、依頼すれば引き受けてもらえると思ってるおめでたい頭をまずはなんとかしろな)
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参照:いくひ誌。【351~360】
https://kakuyomu.jp/users/stand_ant_complex/news/1177354054882683609