スパロウです。現在連載中の『四谷小春の推理奇譚』第五章「滑瓢の歌」、ご覧いただいているでしょうか。読んでくださっている方ありがとうございます！ まだの方、是非よろしくお願いします！
【第44話 「瓢の家系と滑志田の人間」】
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894695090/episodes/16816452220082129649【第45話 「滑志田の人間と謎めいた遺言」】
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894695090/episodes/16816452220534490546【第46話 「謎めいた遺言と奇妙な老人」】
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894695090/episodes/16816452220680546001【第47話 「滑瓢」】
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894695090/episodes/16816452220740179456｡･｡･｡･｡･｡･｡･｡･｡･｡･｡･｡･｡･｡･｡･｡･｡･｡･｡･｡･｡･｡･｡･｡･｡･｡･｡･｡･｡･｡･｡･｡･｡･｡･｡･｡･｡･｡･｡･｡
さて、今回の「滑瓢の歌」では、第一章から登場した謎の記者・益子美紗にまつわる話となっています。構想時点で第一章に登場する謎の人物が、奇妙な謎を抱えている、というところまでは構想にあったのですが、遺産相続にまつわる話になったのはごく最近です。
滑瓢とは、第47話でも書いた通り「ぬらりひょん」の漢字表記になります。日本妖怪の総大将のような立ち回りで描かれることが多いぬらりひょんですが、実際のところ、どのような文献を読んでもその正体は分かっていません。海坊主みたいに書かれることもあります。よく聞く話では、民家に突然現れて、スゴぐ親族みたいな感じで居座り続けるけど、誰も知らない人、という話。現代でもよく聞くような話ですので、そういう誰も知らない正体不明な人の事を、正体不明な妖怪と引っ掛けて「ぬらりひょん」と呼んでいたのかもしれません。
今回の章で登場する人達は、みんなカレンダーにまつわる名前になっています。ちなみに、まだ登場していない人物もいますが……。それでは、順を追ってみてみましょう！
【滑志田（なめしだ）家の人達】
・滑志田 文代（ふみよ）：享年99歳。滑志田家の大奥様。莫大な遺産を残すが、遺言に滑志田家の人間は誰も知らない人の名前を記していた。名前の由来は「文月」
・滑志田 霜太郎（そうたろう）：77歳。文代の一人息子。名前の由来は「霜月」
・滑志田 師世（かずよ）：71歳。霜太郎の妻。名前の由来は「師走」
・滑志田 朔（はじめ）：52歳。霜太郎と師世の息子で文代にとっての孫。益子美紗の出版社に電話を掛けた張本人。名前の由来は「1月＝1年の始めの月＝はじめ＝朔（このひと文字だけでも『ついたち』の意味がある）」
・滑志田 如実（いくみ）：47歳。朔の妻。すごく明るい性格。名前の由来は「如月」
・滑志田 卯憲（しげのり）：26歳。朔と如実の長男。遊んでばかりいるらしい。名前の由来は「卯月」
・滑志田 みどり：23歳。朔と如実の長女。名前の由来は「5月＝みどりの日」
・滑志田 水樹（みずき）：19歳。朔と如実の次男で末っ子。名前の由来は「水無月」
【瓢（ひさご）家の人達】
・瓢 長介：享年89。今から十年前に死去。また、生前よく滑志田文代のもとを訪れていたらしい。名前の由来は「長月」
・瓢 やよい：23歳。益子美紗の本名。四谷小春の依頼者で、遺産相続には使者として向かう。名前の由来は「弥生」
・やよいの母：年齢不明。益子美紗の母。名前は「瓢 神奈（かんな）」で由来は「神無月」
・瓢 暦子（かずこ）：享年80。益子美紗の祖母で既に故人。何故か滑志田家の遺産相続人になっていたが、どうやら滑志田文代の非嫡出子だったらしい。名前の由来は「暦（こよみ）」
【その他の人物】
・間 年延（はざま としのぶ）：弁護士で滑志田文代の遺言を預かっていた。名前の由来は「年間」
【4話時点では未登場の人物】
・滑志田 葉平：滑志田文代の夫。名前の由来は「葉月」
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「滑瓢の歌」最大の謎は、「滑志田文代と瓢長介の関係」と「どこに思い出の品々は隠されたのか」。
きみがため
衛士のたく火の
夜は燃え
置き惑はせる
あふ坂の関
この、百人一首を引用した暗号の意味とは？ 作った自分としても、これちゃんと暗号になってるのか謎です。でも、実は一つ一つを独立させて考えれば……。
次回は第48話、推理・調査編も佳境です。お楽しみに！