2020年3月12日から始まった『四谷小春の推理奇譚』が、2021年6月26日をもって、遂に第一部完結となりました!
「第一部」としたのは、単純に一息つく時間を作りたかったからであって、一応のネタはまだあります。少しお休みをいただいてから、第二部を開始いたしますので、その時はまたよろしくお願いします。
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第三章の「犬神の家」執筆時点では一切プロットが存在しなかった「滑瓢の歌」。そもそも第四章の「天狗の声」と地続きになる予定もなく、どうするか悩んでいたところ、天から声が。それが「ドロドロの遺産相続物語」。
どうして遺産相続を主軸にしたかといえば、やはり遡ること「犬神の家」執筆時。そもそも「犬神の家」は、横溝正史の名作『犬神家の一族』から題をパロディとし、登場人物も犬神家に因んで犬養家にする、場所も『犬神家の一族』の舞台と同様の長野県にするなど、モリモリに犬神家ワールドの踏襲しています。そして『遺産相続』というキーワードも『犬神家の一族』からヒントを得ました。
『犬神家の一族』は、犬神家の遺産相続をめぐって連続殺人事件が起き、それを金田一耕介が解決するというもの。この犬神家の遺産相続が、私の知る限り屈指のドロドロ遺産相続話なのですが、『この遺産相続の関係性そのものが謎の答えになったら面白いんじゃないか』となったのが「滑瓢の歌」です。
そして「滑瓢の歌」を書くにあたって、四谷小春が益子美紗の遺産相続に関わらないといけません。人の遺産相続に関わるなんてそんなこと普通有りません。であれば、四谷小春になぞ解きを頼む形となり、そして四谷小春はその頼みを聞かざるを得ない状況が必要です。
そうして誕生したのが「天狗の声」という、桜庭香織の誘拐事件の話でした。
つまり第一部は、構想順として『塵塚怪王→百々目鬼→犬神→滑瓢→天狗』というわけです。
遺産相続という話にしたはいいが、遺産相続のやり取りをしたことがない……。しかも背景は八十年前が関わってくる……。そのため、多くの人の助言を頂いて「滑瓢の歌」は完成しました。この場を借りて改めてお礼申し上げます。
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さて、改めまして長らくのご愛読ありがとうございました!
しばらくお休みした後、第二部を開始しますのでよろしくお願いします!
というわけで第二部第六章『文車妖妃の書』で、再びお会いできる日を楽しみにしています! それでは!