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タイトルのお話

 二作続けて公開しました。読んでくださった方はありがとうございます。まだの方は是非読んでからこの近況ノートをご覧ください。

 私は既に現在、ニコニコ動画でシリーズ投稿している作品があるのですが、それがあるにもかかわらず、二本の小説を同時並行で連載しているというのは、なんともおかしな状況です。そして、さらにそこにもう一つ小説を連載しようとしているんですから、一体何がしたいんだって話になります。

 閑話休題。まずは『異世界動物記』から。ずっと「仮題」が付いていますが、なんだかシンプルすぎてつまらないので仮題が付いています。最近のライトノベルやこう言ったサイトに投稿される小説、あるいはTwitterなどのSNSでアップされる漫画のタイトルは、中身をそのまま説明したようなタイトルが多いですね。これって実は、作家視点でも読者視点でもWin-Winの関係が生まれていると考えています。

 まず作家視点。面白いことに、洒落たタイトルを考えずに済むんです。私は近代文学や古典文学が大好きなのですが、例えば

江戸川乱歩『パノラマ島奇譚』
川端康成『伊豆の踊子』
横溝正史『悪魔が来たりて笛を吹く』

最近の作品では

三浦しをん『舟を編む』
又吉直樹『火花』
辻村深月『かがみの孤城』

だとか。タイトルには当然意味があって、それを踏まえてグッと引き込まれるタイトルをつけることができるのはやはり才能だと思います。

 しかし、アマチュアがどうやってもそこまでお洒落なタイトルは中々つけられない。それに読んでもらえなければ意味がない。そうしたとき、作品の中身をそのまま説明したようなタイトルであれば、凝った考えをしなくて済むし、読者にも分かりやすい。例えばアニメ化もされた、

夕蜜柑『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。』
井中だちま『通常攻撃が全体攻撃で二階攻撃のお母さんは好きですか?』
伏瀬『転生したらスライムだった件』

 タイトルに主人公の名前があったり、重要なアイテムや場所の名前、要素が入っているのも良いですよね。

谷川流『涼宮ハルヒの憂鬱』他
井上賢二『バカとテストと召喚獣』
冬原パトラ『異世界はスマートフォンとともに。』


 以上を踏まえて私の作品のタイトルを見てみると……。

四谷小春シリーズ
『塵塚怪王の木』
『百々目鬼の涙』

『異世界動物記』

 パッと見て、中身がすんなりわかるわけでもなければ、別にお洒落でもない……。こういうとき、例えば書籍化するときなんかは、担当となった人とタイトルをまた一から決めることができるんだと思います。実際、書籍化した際タイトルが変わった作品も多いです。

 『異世界動物記』なら、たとえば『異世界に転生したら動物の生態調査を任された!』とか『異世界の動物図鑑を俺が作ることになった件』とか。これなら、パッと見で中身がわかるかも。でも、なんか個人的にパッとしない。

 『塵塚怪王の木』や『百々目鬼の涙』も、『不法投棄した事件を俺が解決!』とか『おかしな万引き事件を俺が解決!』とか……。タイトルつけるセンス無いのでは?

 じゃあどうしたらいいかと言ったら、やっぱり自分の中で一番最初に思いついたタイトルがしっくりくるわけです。それが読者に伝わるかどうかは関係なしに。そして、それがお洒落であるか関係なしに。


 タイトルは重要です。ですがそれ以上に、作品を書き上げて見てもらうことも重要だと思います。もし、こういうタイトルの方がいいのでは?とかこういうタグ付けたらもっと見てもらえるんじゃない?というのがあれば、伸びてないけれど気に入った作家さんの作品に入れると良いかもしれません。余計なお世話かもしれないけれど、私だったら助かります。

 趣味程度だけれど、やっぱり作ったものは皆みてほしいものです。そして技術は、日々磨いていくもの。自分で磨けないものは、他人に磨いてもらうのも良いのかもしれません。


 なんて個人的な考えを吐露して、今回はここまで。それでは、私の作品をぜひ楽しんでください!

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