空月

友人が死んだ。女性ばかりを狙った連続殺人の被害者と目されているらしい。 死体発見現場に花を手向けに来た私に、見知らぬ少年が声をかけてきた。 彼が言うには、死ぬ前の友人とひととき関…

大昔に詠んだやつとなんとなく浮かんだやつなど。

叶香の携帯にかかってきた１本の電話。その相手は、遠方へと越した幼馴染みである郁からのものだった。 開口一番「ゲームをしよう」と言い出す郁に戸惑う叶香。 不可解な郁の指示に従い、叶…

この世界には『善い魔法使い』と『悪い魔法使い』がいる。 『悪い魔法使い』の根絶を掲げるシュターメイア王国の魔法使いフィオラ・クローチェは、ある日魔法の暴発で幼少時の姿になってしま…

ふと意識が醒めると、窓のない小さな部屋にいた。 自分のことさえ思い出せない中、どこか見覚えのある青年が現れる。 青年により、自身の名がシエルだということ、彼が幼馴染みのラーイであ…

小国・ブローニュにおける聖女とは、血で継がれるものである。 初代聖女の家系であるベリテ家の長女・メアは、次期聖女と目され、王太子の婚約者とされていた。 しかし、聖女認定の儀式で聖…

古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。 …

夏の不思議な出会いと別れで20首。 第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト参加作品です。

【電撃大賞用あらすじ】 　卒業を控えた、高校三年生の冬。 　顔も知らない、ただただ遠目に見るばかりの人影への如月律花の恋は、幼馴染の宮内伶の介入によって、思いもよらない方向へと転…

【電撃大賞用あらすじ】 　この世界には『善い魔法使い』と『悪い魔法使い』がいる。 　『悪い魔法使い』の根絶を掲げるシュターメイア王国の魔法使いフィオラは、魔法の暴発で幼少時の姿に…

【電撃大賞用あらすじ】 　かつて、『賢者』は何かに導かれるようにしてとある森へ降り立ち、そこで『至高の黒』を持つ『天の恩寵』――つまり異世界人である、天音と出会った。 　そして月…

次々かかってくる幼馴染ズからの電話。 恋愛相談？なんでそんなもの持ち込んでくるんだおまえらは…！しかも内容馬鹿らしすぎて頭痛がするっての！ ――自称平々凡々一般人の、平凡から遠ざ…

貧乏男爵家の末っ子・アルティアの婚約者は、何故か公爵家嫡男で非の打ち所のない男・キースである。 魔術学院の二年生に進学して少し経った頃、「君と俺とでは釣り合わないと思わないか」と…

悲痛な声に導かれ、目覚めれば知らない天井が。いかにもファンタジーなこの身体、明らかに自分のじゃないんだけど…って、エルフ？しかも無性体？なんか色々面倒な事情があるみたいだけど、と…

何故だかわからないけれども前世の記憶を持ったまま二次元っぽい世界で第二の人生を送ることになった平凡顔二次元ラブな女子と、同じく何故かは不明だが前世の記憶を持ったまま二次元っぽい世…

婚約破棄を告げられた聖女と、告げた若き王の、密やかな祝宴の話。 あるいは十年の宿願を成就させた盟友同士の気の置けない会話。

十二歳になったその日、ミア・オースティンは霧の立ち込める森に足を踏み入れた。 そこにいるという人喰いに、食べてもらうために。

あいつは自他とも認めるくらい顔がよくて金持ちだから当然のように女は途切れないわけで、更に言えばそのせいで面倒をこうむったことは多々ある。それでも縁を切らないのは、結局のところどう…

精霊信仰の盛んなクレセント王国。 その王立学園の一大イベント・舞踏会の場で、アリシアは突然婚約破棄を言い渡された。 まったく心当たりのない理由をつらつらと言い連ねられる中、アリシ…

死に至る恋（https://kakuyomu.jp/works/1177354054883443462）で20首詠んでみました。

王都の危機が予言され、『賢者』に王都への召集令状が出された。けれど『賢者』は代理として弟子を差し出し、自身は辺境から出てこなかった。 『賢者の弟子』、そして『賢者代理』として現れ…

「おかしいわ、愛されるのは、私じゃないはずなのだけど……」 天から与えられた『特性：物語』によって、自分の生きる世界の、『もっとも物語的な道筋』を知るリリー・ロザモンテは、自分…

【電撃大賞用あらすじ】 相模あかりはある夜、天啓のような〈声〉を聞く。その内容は、あかりが世界の存続を左右する【魔王】と【救世主】のうち、【救世主】に選ばれたことを示していた。自…

青空の映る水溜まりに落ちれば、そこはもう異世界だ。 水溜まりと湖を介して行き来できるようになった異世界は、やたらと異世界人に都合がよくてチートも完備の現実逃避に適した環境なのだ…

「おまえ、おれの妻になれ」 「私は、ただの人間です……！」 リルカには、『アイシア』という名前で生きた前世の記憶がある。 とある神に神界に召し上げられそうになったのを、他の神々…

『聖騎士団長・レーナクロード・シルヴェストルは、異世界の少女と恋に落ちた』。 巷で囁かれていたそんな噂によるものなのかそうでないのか、幼馴染であり婚約者でもあるレーナクロード…

ミュールという、美しい外見をし、見る者を魅了する宝石のような瞳、そして魔性を帯びた声を持つと言われる種族がある。 心無い者に傷つけられたミュールを癒すために呼ばれた薬師は、頑なに…

締め切り明けにぶっ倒れて起きてみたら、『恋人候補』を名乗る人間が居座っていたので話を聞いてみたり、そのままなんとなく距離が近づいたりする話。

古国イースヒャンデの末姫であるリルは、誕生祝いに兄たちからもらったプレゼントのせいで、海向こうの大陸にある砂漠『アズィ・アシーク』に飛ばされてしまう。そこに倒れていた少年を助けて…

サーシャの義妹、シンデレラはサーシャのことがちょっと異常なくらい好きである。 宮廷舞踏会に参加する栄誉を賜ったサーシャたち一家だが、シンデレラは年齢が足りず連れていけない。ゆえ…

聖王国セントバレットの首都にある『院』に住まうフィーネは、家族同然に育ったセイと共に、それなりに忙しくも充実した日々を送っていた。 様子のおかしいセイを心配していたある日、「信じ…

四年に一度目覚める彼女と、彼女と共に生きることを決めた僕の、他愛ない１日の話。

「好きだよ、相良さん」 　毎日毎日、当たり前の顔をして周くんはわたしに『告白』する。彼の保有する『人魚姫』の『呪い』のために。 　わたしが返せる言葉は決まってるのに。周くんの想…