前回の続きをちょっと書きます。
ラスボス格って、本番(実際に相対する場面)が来るまでにどれほど舐められていたとしても、描き方次第で挽回できるんですよね。
戦闘力、小物感。で、甘く見られて、大ボスのほうが強いと見なされたとしても、メインエピソードできちんと描ければ、掌返しは起こるわけです。
これってそこそこの創作で見る現象です。
会敵するまですごい馬鹿にされていたけど、実力を見せつけられて、「すいませんでした」と一斉に言うような。
私は実は掘り下げに関しては懐疑的なんで。
サブキャラクターなど、焦点を当てなくてもいいキャラを全て掘り下げるのは好きではなく。
そんなことをやるくらいならきちんと活躍させて、舞台に登場する意味を見せなければならないと思うタイプです。
でも、重要な人物はきちんと掘り下げなければならないと感じたり。
この塩梅。掘り下げるべき人物と、そうではないキャラの違いを、色々と考えていきたいと感じます。
それで、ラスボスは魅力的に描くべきかですが。
個人的には、ラスボスに魅力がないと、延々と空っぽなキャラ中心の話(最終章はその構成上、ラスボスがメインとなる)を見せつけられるので。
魅力があるにこしたことはないなと。
それに、象徴にもなりえるんですよね。着地点を担うわけで、ラストを演出できる存在。それだから力を入れて然るべきだとは感じます。
本題。
三幕構成であるとして。
一部・二部・三部のそれぞれのボス・メインの違いについて考えたいです。
今回は一部だけでいいや。二部はきちんと答えが出ているのでカット、三部は後で考えます。
一つ例を出すと、崩壊3rd1部のラスボス。
私は考察経由でしか知らないのですが。
あれ、よく考えると珍しいタイプだなと。
普通に考えると元凶とか、根源に値するものがラスボスに来て、それを倒す系のストーリーになります。
仮にボスになったとしても2幕メインになりそうなポジションです。(2幕が表なら3幕が裏なので、派手に動いている側が先に退場するという考えなら、妥当ではあるのですが)
でも、1部ボスと考えると、自然です。
乗り越える対象、ゲートキーパーのような存在ですから、しっくり来る。
私が思うに、第一幕のボスはストーリーを振り出しに持っていく役割があります。
序盤から全体的に手探りで色々とやって、終章を越えてスタート地点に立てるイメージです。そこを越える壁となってくれるのが、ゲートキーパーです。
ちなみに1幕メインは世界観の案内人、物語へ導く存在、非日常的だったり、そういう特別感がある存在ではないかと。
色々と参考例を見る限り、どうだろう。
なし崩し的にラストボスになるタイプ(たまたま最後に戦った相手)、最初から黒幕がいると分かっていて、それを倒すストーリー。
まあ、クライマックスで起こる世界を巻き込む事象の裏側という雰囲気です。こいつを止めないと世界がまずいって感じは、一部からでもあります。
それと、主人公とは対にはなっていそう。同じ系統であったり、似たものを持っていたり。殴り合って映えるような。
あとは、そいつを倒したことでもっと大きなことが二部以降で起きる感じ。
いうなれば、抑止力になっていたり、防いでいたり。
それを打破・越えてしまったことで、枷が外れてしまった雰囲気です。
思ったのは三部に関しては。
一部ボスは実質三幕ボスなので、それと似た系統、拡大バージョンですかね。
参考元がまだ3部に突入していないので、なんともいえませんね。
私の印象としては、仮に三部作にすると。
1部がチュートリアル。一話で完結。
2部がサブプロットをやりつつ、つなぐ。ラストでクリフハンガー。
3部で詰め込むイメージ。ここが本編になるんですよね。多分。
だから、その構成でやる場合、3部は別物として構築する必要があるのではないかと。
まあ、そんな感じで。
思うに。
ラスボスで一番格が高くなるのは。
自分が悪役を引き受け、倒されることで世界を救う感じ。
説明するの難しいので閃の軌跡のラスボスとか、泣いた赤鬼のような感じと、察してください。
ここで重要なのは、きちんとラスボスを演じることですかね。
きちんと強くて、怖くて冷たいような雰囲気を出すこと。手段を選ばない感じとか、なにか壮大な野望を抱えていそうな。
これができるキャラって、基本覚悟が決まっているので、自然にかっこよくなるんですよね。
ラスボスムーブ特有のかっこよさは確かにあります。
でも、逆にかっこよすぎるんですよね。
お膳立てされた感、主人公側がなにもしてない感も出るので。
きちんと主人公の成長やストーリーをやりきってからやるのがいいかも。
あと、やっぱり主人公を立てたいのなら、格が高すぎないほうがいいのも確か。こちら側を立てて倒されてくれる役目も欲しい。
私が考えた構成は
ガチ悪役→倒されてくれる役→一発でラスボスと納得できる系。
ですかね。
ボス系は、双方全力を尽くしてなんぼですので、ラストくらいはきちんと敵対・つぶしに来てほしいところです。
八百長的なことは中盤まではOKですが、ラストに収束させるとなんとも。
こういうとき、主人公側と守りたいものをズラす・正反対にするといいかもしれません。
こうすれば正当性を確立した上で、敵対できますし。
FF14のエメトセルクが敵として成立したのは、正当性があるからこそ、だと感じます。その、互いの世界を取り戻したいで一致していて、それが対する向きであるからこそ、対立できるといいますか。
だからそんな感じのそれです。