〝俺〟の視点で 綴られる物語
共感呼ぶモノローグ 想い重ねるシチュエーション
そこに突然 神の視点
急に呼び捨てのヒロイン 急に上から目線
どうした主人公 そんな人間ではなかったはず
読み直して ようやく気づく
唐突な視点変更という 幻惑魔法
ああ やめてくれ
頼むから それだけは
視点変えるなら ちゃんと区切れ
一行で 行ったり来たりするな
ああ我らが 一人称の文章に 三人称を混ぜるな高校
一人称の文章に 三人称を混ぜるな高校
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三人称と神視点はちょっと違いますが、作品によって三人称だったり神視点だったりブレ方がさまざまなのもあって、あえてひとまとめにしてます。念のため。
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(2025/02/08)
時おり界隈でも話題になる人称のブレ。
できるかぎり避けたほうがいい程度の話ではあります。
ただ、たまーにすごい作品があってですね……上の校歌でも書いたように、ひとつの段落のなかで人称がころころ変わったりするんですよ。
一話じゃないですよ? 二、三行ぐらいの短い文章、ひとつの段落のなかで一人称と三人称がいったりきたりするんです。
もはや読みづらいを超えて、作者さんこれ書いてて自分で混乱しないのかなとふしぎに思うほどです。
そこまでではないブレならあまり気にしない、という人がいるのはわかります。
こういうことを書いている私も、『一話のなかでの人称の切り替わりがやや不自然』程度ならあまり気にせず読み進めます。一度そういう小説なのだと認識してしまえば、あとは内容のほうが大事ですからね。
ようは読み手が混乱するほどひどくなければいいわけですから、たまにブレる程度ならあまり神経質にならなくてもいいと思います。
というか、人称のブレは指摘するほうも注意が必要ですね。
三人称のなかに一人称の視線やモノローグが挿入される、というのはプロの作家さんでも当たり前に使うテクニックですが、これを人称のブレと捉えている方を見かけてひっくり返ったことがあります。
とはいえ、その差を微妙なものに感じてしまう方がいるのもわからなくはありません。
きちんと書かれたプロの文章なら、三人称という俯瞰から、その人物の視点に一時的にフォーカスした描写だとわかるはずですが、作者個人の推敲どまりなネット小説の場合、そのへんがわかりづらい作品もあるでしょう。
それもあって、このノートでは『一人称のなかに三人称を混ぜるな』と書いたのですよね。
逆の書き方はふつうにあるので。
というか、小説に限定しないなら、〝一人称のなかに三人称〟もあるんですよねえ。一番わかりやすいのがゲーム。もっというとエロゲ。
主人公一人称視点の文章が、濡れ場になるといつのまにか三人称的なねっとりした文章になってて、でも上手いライターさんが書くとその境目がわからないほど巧妙に変化してて、『んっ!? いつのまにっ!?』ってなるアレ。
いやまあこの例はともかく。
同じことの繰り返しになっちゃうけど、ようは人称のブレそのものよりも、いかに読み手を混乱させないかが大事じゃないかってことですね。
公募などはべつとして、ふつうにカクヨムなどに投稿するだけなら、そこまで神経質にならなくてもだいじょうぶだと思います。