カクヨムコン、恋愛が主題の男性向けVRゲームものはどの部門?

 冷やかし感覚ながら、せっかくタイミングが合ったので参加してみるか、と考えていた今回のカクヨムコン。
 タイトル通りの話を書いていて、はたと気づきました。

 ……これ、応募できる部門なくね?


 異世界ファンタジーとホラー、わざわざ『女性向け』と明記されている恋愛(ラブロマンス)とキャラクター文芸は明らかに外れるとして、残るはふたつ。

 現代ファンタジーとラブコメ(ライトノベル)。
 一般的なVRMMOものであれば、現代ファンタジーで応募されてる方が多いのではと思いますが、私の書いているものはVRMMOを主な要素としつつ、主題は恋愛のつもりなのですよね。
 ざっと尺の半分を占めるVRMMO要素は、最悪別の要素に置き換えても成り立つけど、逆はないという内容なので。
 この時点で『非恋愛主題作品』と明記されている現代ファンタジーからも外れてしまう。

 残るはラブコメ(ライトノベル)ですが、話の内容的にはどちらかといえばシリアス寄りでコメ要素がほとんどない。
 説明には『恋愛・ラブコメ要素のある小説』とあるので、恋愛が主軸であればラブコメ系の作品でなくともよいのでしょうが、それならなんで部門名が『ラブコメ』なのかという。心理的に応募しづらいことこの上ない。

 このへん、『恋愛』『ラブコメ』というカクヨムのカテゴライズには前々から疑問を持っていたのですけど、改めてその思いが強くなったところです。

 カクヨムコンも含めて、それならもういっそ、

『恋愛・ラブコメ(女性向け)』
『恋愛・ラブコメ(男性向け)』

 とでもしてくれたほうがわかりやすい。
 どちらにも入らない恋愛作品には、別の受け皿もあるわけですし。


 カクヨムコンの応募要項や質問欄を見てみると、『各部門の求める作品、選考する編集部や過去の受賞作品を参考にしてね!』とあるものの、こうして読み直してみると、VRゲームものは行くところがないなぁと気づきます。

 過去の受賞作には、現代ファンタジー部門にVRゲームものがありますけど、これだって、カクヨムヘルプのジャンル説明にある、

『現実世界に連なる世界観で展開される、超常や異能など非現実的な設定が登場するファンタジー作品』

 に照らし合わせると、ズレを感じます(ただし当該作品は申し訳ないのですがまだ未読です)。

 ……え、もしかして、コンテストはまた部門の意味合いが違う? コンテストのほうは『現実世界寄りの舞台』としか書いてない?

 ならカクヨム内で、同じ『現代ファンタジー』という言葉を使いながら説明を使い分けるな、という話でして。
 むしろカクヨム内の説明も『現実世界寄りの舞台』だけでいいじゃん、という。


 じゃあカクヨムコンの部門はどうなっていればいいのかと考えてみると、たぶんすごく簡単な話で、異世界ファンタジーか現代ファンタジー部門のどちらかに、

『仮想空間もしくはそれに類する仮想的な異世界を主な舞台とした』

 といった感じの一文を加えてくれれば、それで済むと思うのですよね。これだけでほとんどのVRゲームをカバーできるはずですし。
 以前から『VRゲームものはSFなのか?』という疑問を感じていた私としては、そのほうがしっくりくる、というのもあります。

 でも現状そうなってはいない。
 これは、そこらの素人が思いつくことを、運営やプロの編集さんたちが考慮しなかったということではなく、考慮した上であえて省いたのだろうなぁと考えると(SFジャンル自体削られてしまったのも併せ)、VRゲームものの〝お呼びじゃねえ〟感に泣けてくるものがあります。

 ただ同時に、致し方ないのかな、とも。
 SAOのようなヒット作品があるとはいえ、VRゲームもの自体はジャンルとしてはわりと小規模なんですよね(ゲーム世界へ転移・転生は別ジャンルだと思っているので、オバロなどはノーカンです)。

 たとえば、キーワード別の検索数でみると、『VRMMO』は現時点で987作品。
 これは、『恋愛』(26918作品)、『ラブコメ』(10642作品)といった巨大ジャンルは言うに及ばず、『チート』(3557作品)、『ハーレム』(3538作品)、『ざまぁ』(2054作品)、『ヤンデレ』(1638作品)といったあたりと比べてもかなり下。

 このキーワード検索は、タイトルやキャプションでの検索とはまた違う上に、一部の作品は異世界ファンタジーや現代ファンタジーなどと重複しているだろうことを考えると、純粋な作品数そのものは把握が難しいものの、おおむね傾向としてそこまで大きなジャンルでないとは言えるでしょう。
 ウケないと言われる『ロボット』ですら2180作品あることを考えると、書き手にとっても難しいジャンルなのかもしれません。

 そう考えれば、カクヨムコンという、サイト名を冠したもっとも大きなコンテストで、そこまで巨大でもない特定ジャンルをわざわざカバーするような説明をしないのも当然だと思えてきます。



 ……というようなことを、つらつらと考えつつ。
 応募はすっぱり諦めて、いまはのんびりと書いているのでした。

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