第169回芥川賞・直木賞候補が発表されましたね。
カクヨムで公式連載されていた冲方丁『骨灰』が候補作です!途中まではカクヨムで読めますよ~:
https://kakuyomu.jp/works/16816700427695374352雑誌掲載時のもので、全体の三分の一ほどの分量でしょうか。面白いよ~怖いよ~ただ怖いだけじゃなく色々考えさせられるよ~というわけでおすすめです。
ついでに、拙作デスゲーム長編『死と乙女』も完結しました(ついでかい)。
スカッとする内容ではないのですが、登場人物はほぼ全て女性で全員悪人、だが記憶を失っている、という不条理ホラーです。
よろしければ是非:
https://kakuyomu.jp/works/16817330655083327391【さらに余談です】
デスゲーム小説コンテストと聞いた時、自分が思い浮かべたデスゲーム小説は、スティーヴン・キング『死のロングウォーク』と筒井康隆『銀齢の果て』でした。
前者は、Word Diarrhea(直訳すると「言葉の下痢」)を起こしがちな多産型作家のキングがエージェントとの契約で年に一冊しか長編を出版できない状況に耐えられず別名で発表した小説の一つなのですが、それらもベストセラーになって結局身バレしたというオチがついています。
内容は、召集された少年たちがただひたすら歩き続け、一定の速度以下になったら射殺、最後の一人になるまで歩かされるという。今は絶版のようで、電子書籍版もない。久々読みたかったのに残念。近所の図書館にもないのでまだ再読できていません。
キングは来年50周年!だそうで、書き下ろし短編を含む『デビュー50周年記念! スティーヴン・キングを50倍愉しむ本』がなんと無料で電子書籍で配布されています。よっ、太っ腹! Amazonで入手可能です。
筒井康隆の『銀齢の果て』は、「増大した老齢人口調節のため、ついに政府は70歳以上の国民に殺し合いさせる「老人相互処刑制度(シルバー・バトル)」を開始した!」という王道の老人版デスゲーム小説ですね。自身が老齢になってから書かれたものです。
少し前に、ある学者が高齢化社会の打開策として老人の集団自決云々と口にして炎上した時に思い出したのがコレで、このまだ若い(老人になるにはあと20年ほどある)学者さんは、自分自身はもちろん、ご両親や祖父母(ご存命であれば)がそうさせられる覚悟があって言ってるんだろうか、と悲しくなりました。
世で不謹慎と言われるネタはたいてい筒井が既に小説に書いている、とSNSで言われていた彼の描く昨今シャレにならないディストピア・デスゲーム小説は今でも入手できるのでおすすめです。
あ! 筒井康隆といえば、何度か直木賞候補になったものの受賞できず、『大いなる助走』という架空の文学賞を受賞できなかった作家が選考委員を一人一人殺していくという小説も書いています。これは映画化もされアマプラで観られます。
まあ、芥川賞を受賞できなくて選考委員に呪詛の手紙を送り付けた作家なんかもいるわけですし。結果発表が楽しみです!