本日2024年3月7日は、作家安部公房の100回目のお誕生日です。
残念ながらご存命ではありませんが、この生誕百周年を記念して、やっと、ようやく、安部公房の文庫作品が電子書籍化されました。
めでたい!
安部公房というのは、日本で最初にワードプロセッサーを使って小説を執筆した作家だそうで、なんとワープロの開発にもかかわっていたとか。
だから、ご存命であれば、電子書籍が世の中に出始めた頃、真っ先に自作の電子書籍化に名乗りをあげていたであろうに、70歳にもならずにぽっくりお亡くなりになってしまったせいで、今日ではなんとなく忘れられた作家みたいな扱いでした。書店に行っても文庫が数冊あればいいほう、図書館には全集はあるけど……とファンとしては大変悲しい思いをしておりました。
それが、この生誕100周年で、芸術新潮や文芸誌の新潮で特集が組まれるわ、生誕100年フェアが書店で行われるわ……大フィーバー状態です(わたしが)。
もしもこの機会に読んでみようと思われる方がいたら、自分のおすすめは『カンガルー・ノート』です。これが、生前に発表された最後の長編です。昨年Twitterで奇妙奇天烈なあらすじが紹介されてバズり、増刷に至りました。SNSすごい!
あらすじは、こんな感じです:
「ある朝突然、〈かいわれ大根〉が脛に自生していた男。訪れた医院で、麻酔を打たれ意識を失くした彼は、目覚めるとベッドに括り付けられていた。硫黄温泉行きを医者から宣告された彼を載せ、生命維持装置付きのベッドは、滑らかに動き出した……。」
安部公房が21世紀にSNSでバズって増刷、久しぶりに世間から注目されたというのが嬉しくて、大昔に単行本で読んだ作品ですが、新しい帯付きの文庫を買ってしまいました。
そして今なら、生誕100年フェアの新しい帯の文庫が入手できるはずです。自分は順次Kindleで入手して再読するつもりですが、1冊ぐらいは新しい帯付きの文庫もゲットしたいと思っています。
でも、田舎だとなかなかそういうフェアをやっている書店がないのですよねえ。