ホラー長編『今日、不登校中の児童の列に……』が完結しました。
https://kakuyomu.jp/works/16816927860600558353不穏な出来事がじわじわと主人公を追い詰めていく不条理小説でミステリの側面もあります。不条理ものだからといって、何もかも謎のまま残されるのは好きではありませんので、最終的には、ある種の結論に達していただけるようにしたつもりです。
残酷、陰鬱、救いがない、そういうじっとり「怖い」ホラーを目指しております。ただ、今回は直接的なグロや暴力描写はかなり控え目です(自分比、昨年の探偵ものとの比較になりますが)。
あ、あと、長編を書くと気が付けば15万字を軽く超えていたりするのですが、今回は10万字少々ですっきりとおさまりました!(セールスポイントそこ?)
【余談です:万人向けホラー小説とは】
カクヨムでは、ホラーの読者が少ない上に、ごりごりのスプラッターなんかはさらに人気がないようです。自分はゾンビとかカニバリズムとか猟奇殺人なんて言葉に胸がときめくんですが……そうではない人が大半を占める世界というのは平和でよいかもしれません。
カクヨムの公式連載で冲方丁『骨灰』というのがありまして。なかなか読み応えのあるホラー小説でお勧めです(全部ではないですが、9万字近くを試し読みできます)。昨年末に書籍も発売され、公式連載の続きが気になっていたので本を入手したのですが、このカクヨム版『骨灰』、「万人向け」というタグがついています。
万人向け……?
確かに、公式連載で途中まで読んだ限りでは、グロを呼びものにする類の小説ではありません。が、そうはいってもホラー小説なので、なかなかにこれはきついな、と思った描写も若干ありました。これで「万人向け」OKであれば、拙作『今日、不登校中の児童の列に……』も、「万人向け」として全く問題ないのでは、と思いました。
でも、ホラーを書いたり読んだりしている人の思う「万人向け」、つまり、こんなの別にグロくも残酷でもないよおという感覚と、そうではない人のそれにはズレがあるような気もします。
ちなみに自分はホラー小説に「万人向け」のタグがあると、マイナス要素としてとらえてしまいます(死肉を喰らうゾンビが大好きな変態なので、ご容赦ください)。なので、自分の小説にもあまりつけたくない……かなあ。
あ、でも『骨灰』はお勧めです。こういう、静かに不穏な空気を醸成させていく系も、しっかり怖くて、面白いです。
https://kakuyomu.jp/works/16816700427695374352