SSS（隠れ里）

ここはどこだ。青い塊を見上げて呟く言葉は、いつも同じだった。いつからここに、いつまでここに。答える声はない。ただ、青い物体は決まって顔をのぞかせるし、決まって沈んでしまう。 俺の…

ただ、思い浮かんだ比喩。ただ、頭に浮かんだ言葉の羅列。ときには、箸休めのために文章を書くのも悪くはない。

イストワール王国とは……。リュンヌ神が、創造した精霊世界リテリュスにある七大陸で一番大きな大陸に鎮座する軍事大国の名前だ。リュンヌ神が、天界へと入滅した後に人類独立の証として旗揚…

俺の名前は、シュウ。いつもの休日。明日に出勤をひかえた夜。刻々とせまる出勤のとき。あぁ、数時間後にはと嘆く夜。 俺のスマホに、変化が起きる。よくある勘違いで終わる出来事のはずだっ…

転輪聖王リュンヌが、創造した精霊世界リテリュスには、たくさんの物語がある。そんな物語や伝承の収集に生涯を捧げた男がいた。ヴォラント・ナヴェル。彼は、子供の頃に、名前も知らない老人…

魔術士カルケルは、幼い頃にメガロス帝国によって故郷を追われた。思い出に残るのは、王国領唯一の菜の花畑だ。幼き日の約束、光景、優しい香り、心温まる光、笑いあった日々。 カルケルは…

ただ一人残されたリッツは、母との思い出がたくさん詰まった家で、窓からの景色や読みあきた魔術書をめくっていた。 今日は、魔術が高まるハロウィンの日。今日こそは、願いを叶えたい。ふた…

※これは、二次創作です。選択肢に名前がなかったので、ここに書きます。蜘蛛の糸を題材にした二次創作です。注意して下さい。文字数は、蜘蛛の糸と同じくらいにしています※ それは、幼少…

国民による革命。今まで、当たり前だと思われていた支配の歴史は、悪逆王の死によって変わった。突如として歴史に現れた天才は、王なき国の英雄となった。しかしながら、戦争の災禍は、一人の…

この世界は、いつできたのか。誰にもわからない。ただ、生まれて子孫を残して死んでいくだけの世界。誰もが、感じない感情。誰もが、求めない答え。僕は、誰とも似ていない。だからこそ、真実…

生まれが、その人間の生き方を決める。平民は、平民のままで死んでいく。アジグもそんな人間の平民の一人だ。戦場に送られ、死を待つ日々。儚い一生だと、笑いあってくれた同じ境遇の親友は、…

　転輪聖王リュンヌが創造した精霊世界リテリュス。様々な生物が住んでいる世界にあって、現在ではニンゲンが中心である。 　白き民の一種族が、世界を支配したのだ。転輪聖王リュンヌは、な…

　大国の国王ともなれば、ただの余興ですら大きな影響を及ぼすものだ。王都に住むということは、非血縁貴族にとって、絶景を崖の上から眺めるようなものであろう。 　赤薔薇か白薔薇か。 …

　閉じ込められた。脱出はできない。誰か助けてくれ。誰が助けてくれるのだろうか？　分からない。 　ただ、願う。誰かが気づいてくれることを。

精霊世界リテリュスの母なる海に浮かぶ大陸アンフェール。二つの大国に挟まれた不幸な国。両国の血を引く大公によって、治められていた微妙な立場の国が悲鳴をあげている。中級貴族の子、ディ…

精霊世界リテリュスには、七つの大陸がある。そのなかでも、最大の面積を誇るアンフェール大陸には、奇妙な噂話がそこらかしこにある。三大強国に名を連ねるイストワール王国とターブルロンド…

　転輪聖王リュンヌが、創造した精霊世界リテリュス。一番大きな大陸アンフェールにある小国クラーヌ。 　故郷の町を背に、涙をこられてマクシムは、復讐を誓った。振り返ることはない。 　…

男は、夢を見た。亡くなった祖父と再会したのだ。それは、望んだ再会か、仕組まれた再会なのか。祖父の生涯、その末路を見た。

　太古の昔、南閻浮提にて……。小さな命は、大きな世界を見る。大きな世界は、小さな命を見捨てた。 　それでも、小さな命は逃げなかった。まだ、リテリュスの産声も聞こえない。 　混沌…