【黒曜】
カクヨムで書く長編としては、初めての作品。元々は、プライベートで書いている【アンベール戦記】の敵側のキャラクターだった「リシャール」を主人公としたスピンオフ(公開してもない作品のスピンオフって……)だ。
病気だと気づいてないときに万能感と勢いに乗って書いた作品。今、読み返してみると、所々に勢いの形跡が残っている。
僕は、現在──病気だと診断され、過去の自分と向き合っている。処方薬を飲んで寛解《かんかい》状態となったいまだからこそ、過去作のリメイクを少しずつ行うことにした。
それほど多くの人に読まれた作品でもないし、底辺の底辺の作品をリメイクする必要があるのかとも思うが……
しかし、僕にとって小説は趣味であり、自己探求の手段だ。過去の自分に触れる行為は、決して後ろ向きな考え方ではないだろう。